軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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どちらかが仕掛けるでもなく攻撃が始まった。互いの魔法陣が次々と消えていく。

今の所、互角に戦えている……と思いたいわね。ウィルおじさんが全力を出せば私は負けるかもしれない。

私は魔法陣が消える度に新しい魔法陣を作り出すが、私が優勢になることは無理そうだ。

……全く同じ魔力の魔法陣を出してくるなんてウィルおじさんもなかなかいい性格しているじゃない。

魔法の正しい使い方を私に叩き込んでくれたのはウィルおじさんだったんだもの。そりゃ、私がどんな魔法を使えるかなんてお見通しよね。

魔力を使い過ぎたせいか、少し息が切れてきた。それなのに、目の前に立っている相手は余裕そうな表情を浮かべている。

…………王家の者たちって皆バケモノなの?

「アリシア、戦いで勝ち抜くには頭を使うんだ。そうすれば、力がなくとも勝てる」

頭を使う……って言われてもウィルおじさん相手に!?

というか、これでも使っているつもりなんだけれど……。頭脳戦で私が彼に敵うとは到底思えない。

魔法の知識は充分ある。それをどう上手く使うかという知恵を働かせないと勝てない。

敵の弱点……、ウィルおじさんの弱点なんて聞いたことないわよ!!

私がもたもたしているうちにウィルおじさんは、私と比にならないぐらいの強力な魔法陣を生み出していた。

彼の後ろで美しい模様が描かれた青い魔法陣は私に恐怖ではなく興奮を与えた。身の毛がよだつ、とはこういう時に使うのだろう。

……なんてもの出してくるのよ。こんな魔法陣見たことないわ。

こんなの食らったらひとたまりもない。今の私にこの魔法陣の威力を防げない。

「聞いてないわよ……。こんな桁外れの魔法陣を出してくるなんて……」

「今の君ならこれを受け止めることなど不可能だろう」

私は何も言い返せない。ウィルおじさんは「アリシア」と私の名前を呼び、話を続けた。

「君はここで死ぬかもしれない」

まさかウィルおじさんにそんなことを言われる日が来るなんて思いもしなかった。いつも私を守ってくれてたウィルおじさんが私を本気で殺そうとしている。

…………最高じゃない!! あのウィルおじさんが容赦なく私と戦ってくれているんでしょ?

手を抜くなんて絶対に許さない。私のプライドを傷つけない為にも彼は私と全身全霊で向き合ってくれている。そう思うと、とてつもなく嬉しかった。

「この上なく光栄ですわ」

私は口角を少しあげて、悪女らしい笑みを浮かべた。これが幻想じゃなくてリアルなウィルおじさんでも私は殺すつもりで倒しに行く。

躊躇っている余裕なんてないわ。強敵と出会う度に成長できる自分に誇りを持っている。

「アリシア、愚直より狡猾であれ」

「……はい!」

私は背筋をスッと伸ばし、ウィルおじさんと向き合う。そして、もう一度大量の魔法陣を宙に連ねた。

頭を使うのよ、アリシア。

ウィルおじさんは私のその様子を見て、フッと柔らかな笑みを浮かべる。

「大事な娘の潜在能力を引き出すのがわしの最後の仕事じゃ」

彼がぼそりと何か言ったような気がしたが、私には聞こえなかった。