軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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ジルは一瞬目を大きく見開いたがすぐに顎に手を当てて眉間に皺を寄せた。

小さな声で何かぶつぶつと言っているが、聞き取れなかった。

すると急にジルが顔を上げて私の顔をじっと見た。

「多分、一週間ぐらいで使えるようになると思うよ」

ジルの声はとても優しかった。

「どうして分かるの?」

「本に書いてあったんだよ。目にも魔力があるし……いきなりなくなったら、やっぱり使えなくなるんじゃない?」

「レベルはそのまま?」

「……それは僕にも分からない」

ジルが少し困った表情を浮かべた。

もしレベルが落ちていたら、私、キャザー・リズの監視役を外されるわ。

でも、まず一週間皆を魔法を使わずに騙せるかどうかよ。

「ねぇ、じっちゃんは魔法は使えないの?」

ジルが不思議そうに私にそう言った。

……そうだわ、ウィルおじいさんはシーカー家の人よね。

でも魔法が使える様子はないし。国王様のお兄様で、貧困村にいて……ああ、謎は深まるばかりだわ。

考えれば考えるほど頭がぐちゃぐちゃになるわ。

「デュークなら知っているかもね」

ジルは無表情のまま小さく呟いた。

確かに、デューク様なら知っているかもしれないわ。

でも、私達に教えてくれないわ。

「それよりも、どうするの? 魔法の事」

ジルは真剣な口調でそう言った。

「そうね、とりあえず、学園に行って今がどんな様子なのか確認したいわ」

「は? 学園に行くの?」

ジルが呆れた表情で私を見ている。

あら、どうしたのかしら。

そんなに驚かれるとは思わなかったわ。

でもまず、リズさんの今の状況を確認しないと。

敵の力を知っておかないとね。

「ねぇ、その状態でキャザー・リズの監視役を続けられるの?」

「ヘンリお兄様とお父様が物凄くギスギスしているのって本当?」

私はジルの質問を無視して聞いた。

ジルは小さくため息をついて諦めた表情を浮かべた。

「そうだよ。ヘンリが一方的に嫌っている」

「可哀想ね、お父様も」

ヘンリお兄様は私がキャザー・リズの監視役をしているって知らないものね。

そして、ヘンリお兄様はお父様が私に無茶苦茶な条件を出したって思っている。

お父様は意味のない条件を娘に出した最低な父親っていうレッテルを貼られたのね。

まぁ、確かに何も知らなかったら激怒するわよね。普通のお兄様達なら。

私の場合、お兄様全員から嫌われるのを狙っていたんだけど、ヘンリお兄様だけは違ったみたいだわ。

ヘンリお兄様は妹思いのお兄様ね。……でも、最終そのお兄様ですら裏切るのよね、悪女は。

悪女は孤高の女となって生きるのよ。

「よし! 今から学園に行くわよ」

「今から? もしかしてアーノルドに会わないつもり?」

ジルが私の核心をつく。

あら、すぐにばれてしまったわ。

だって、会ったら確実に魔法のレベルテストさせられるもの。今の私の状態だったらまずいわ。

というか、アーノルドって呼んでいるのね。

もしかして結構親しくなったのかしら。

「そうよ、一週間はお父様から逃げないと。とりあえず、すぐに着替えるから外で待ってて」

「分かった……ねぇ、アリシアはなんで悪女になりたいの?」

初めてそんな事を聞かれた。

確かに普通の人からすれば素朴な疑問よね。

悪女は私の憧れだけど、どうしてなりたいのかって聞かれると返答に困るわね。

けど、なりたいのよね。

……かっこいいからって答えはあまりにも稚拙よね。

結構難しい質問だわ。

「そういう運命だからよ」

私はとりあえず適当に思いついた答えを満面の笑みで言った。