軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

社会復帰

「うーん。どうしたものやら」

ダンジョンで彷徨っている間に、十年もの歳月が過ぎてしまった。

今の僕は見た目通りの中学生ではなく、成人してプラス五歳の大人にあたるらしい。

自分が成人だなんて意識は、まるでない。

だが、行方不明から舞い戻った僕は間違いなく戸籍上、二十三歳ということになっている。

とりあえず、学校をどうするかだ。

中学生を実質中退したみたいになってしまったけれど、正確にはもう卒業扱いになるのだろうか。

わからないので両親とともに調べると、実はまだ中学卒業にはなっていないみたいだ。

これは年齢が一定程度を過ぎると自動的に卒業になるわけではなく、あくまでも卒業証書を受け取ることが卒業の証明となるためであり、僕はそんな書類を受け取った形跡はない。

つまり、頑張ればもう一度中学校に通うことも不可能ではない、らしい。

ただ、それには二十三歳という年齢がネックになる、という意見もあった。

十代前半の児童の中に、成人男性が混ざっても大丈夫なのか――という問題だ。

まあ、僕の場合は当時と見た目の変化もないので、混ざること自体に不都合はないと思う。

あるとすれば、十年前と今では話題が違いすぎるので話が合うかどうかが問題になるか、というくらいか。

いや、それ以前にちゃんと前に習っていたことを覚えているかのほうが問題か。

また、中学校を再度通うことに関して、もう一つの選択肢もあるらしい。

それは夜間中学に行くことだ。

こちらは大人も通っており、年齢的なハンデはない。

ただ、年齢層が幅広すぎて話が合うかは気になるところだ。

また、中学校に再度通うのは絶対条件ではないともいう。

というのも、中学卒業程度認定試験というテストを受けてクリアすることで、中学卒業レベルの学力を身に着けていると証明し、卒業したのと同じような扱いを受けられるらしい。

これがあれば、高校受験もできるだろうし、やろうと思えば高校卒業程度認定試験も受けて高校をパスすることもできるだろう。

どうするかを家族で話し合う。

お母さんとしては学校には通ってほしいそうだ。

さすがに中学を中退したままで社会に出るのは反対で、お父さんもそれは同じとのこと。

だが、無理に中学校に通う必要があるかといえばないかもね、ということでひとまず認定試験を受け、中卒資格が取れるか試してみよう――ということになった。

どんな試験なんだろうか。

中学の学習指導範囲を全部学んだわけでもないので、クリアできるかまったくわからないが、ひとまずは試験に向けて勉強でもしようかな。

というわけで、ダンジョンから帰ってきた僕は再び勉強の世界へと戻ることとなったのだった。