軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

50 新たな神獣 2

グリューンとレドルが神聖ネフィス教国への加入に当たっての細かい話をしていた。

「税金はない。他の集落で困ったことがあれば協力を頼むかもしれん。その時は頼む」

「もちろんだ。最大限協力しよう」

「定期的に集落の長が集まって会議をしている。詳しくはザードに聞いてくれ」

「うむ」

「大きな行事として、夏の建国祭と冬祭りは聖都で行う。都合がつけば来てくれ」

「是非、参加させてもらう」

「春には恒例の視察を行っている。特に決まったやり方はない。みんな無事に冬を越してもらればそれでいい」

「しっかり、もてなせるようにしておくぞ」

「うむ。後は・・・特にないな。ではよろしく頼む」

あっという間に話は終了していた。

驚きを隠せないのはブルーさんだった。

「もっと慎重になったほうが・・・それに他にも重要な事があると思います」

「そうですね、ブルーさん。グリューン様も肝心なことを忘れています」

ゴブリナはそう言うと、グリューンとレドルに意見を言い出した。

「グリューン様、神殿の建設やネフィス様の信仰についての話が抜けています」

「そうであったな。では、ゴブリナ、説明を頼む」

「分かりました!!」

ブルーさんがつぶやく。

「信仰も大事ですが、それだけでは・・・」

「ブルーさん、私も最初は驚きましたけど、意外なことにこれで上手くいっているんですよ」

「そうなんですね」

「まあ、そういうものだと慣れるしかないですね」

そうは言っても、私もつい最近まで驚いていたけどね。

そんなこんなで、私たちはスズキタウンに帰還することになった。

帰還するに当たって、同行者も増えた。まずは集落の長であるレドル、それと神殿を運営するのに神官が必要ということになって、神官学校に入校するレッドリザードも同行する。そして、フェニックスであるフェニーも・・・

「折角、この世界に来たのじゃから、色々と見て周ろうと思ってのう。とりあえずは、お前たちと行動を共にしようと思うのじゃ」

今回もネフィス様のお陰ですべて上手くいった。

★★★

スズキタウンに帰還した私たちは、すぐに集落の長を集めた。

フックスが言うには、集落の長に説明が必要だという。当たり前だけどね。

「俺は賛成だ」

「私もです」

「うむ、異議なし」

「そんなことよりも飲もうぜ。レッドリザードの里の土産があるんだろ?」

「うむ。聖女殿が開発した料理がある。レッドリザードの里のスパイスを使用している」

「そいつは楽しみだ」

まあ、料理といってもカレーだけどね。

私は帰還してすぐに「スパイスの木」を神殿の敷地に植えている。

ブルーさんはというと、これにも驚いていた。

「人間の社会では、利権やなんかで絶対もめるのに・・・」

「すべてはネフィス様のお陰です。ネフィス様を信仰しているからこそです」

「そうなのですね・・・」

ゴブリナに影響されて、ブルーさんが変なことにならないことを祈ろう。

そしてフェニーはというと、大活躍だった。

フェニーは全身に炎を纏うことができる。なので、公営浴場と自宅のお風呂の湯沸かしをお願いしたのだが、なんとお湯が温泉になったのだ。

フェニーが言うには、回復の炎でお湯を沸かしたとのことだった。詳しいことは分からないけど、これはこれで嬉しい。

それと別の業務もお願いすることになった。

各集落への急ぎの手紙の配達だ。本人も自分の特技を活かせるし、色々な土地を周って最大限のもてなしを受けられるから、かなり喜んでいる。

「 妾(わらわ) の時代がやってきたのじゃ」

フェニーの影響からか、移住者も増えた。

まずは大鷲族で、ぱっと見は大きな鷲にしか見えない。フックスが言うには、一応獣王国に住んでいるが、ほとんど他の種族とは交流のない種族のようだ。

普通に話せるけど、人には見えない。

そんな大鷲族だが、常にフェニーに付き従い、従者のような感じになっている。生計は飛行能力を生かして、手紙やちょっとした荷物の配達で立てているようだった。

増えたのは大鷲族だけではない。

ウリやウリ坊たちを慕って、多くの獣人が移住している。こちらは奈良の鹿のような扱いで、餌をあげたり、撫でたりして可愛がっている。

もちろん、ヨルを慕うリザードマンたちも多く移住しているけどね。

そんな感じでスズキタウンは、また賑やかになった。

当面の仕事は夏の建国祭の準備だ。考えてみるとお祭りばかりしているような気もする。今日も建国祭の会議をするということで集まったけど、ほとんど何も決まらないまま、宴会になってしまった。

まあ、これはこれでいいけどね。

もしかしたら、これが理想的なスローライフなのかもしれない。

ネフィス様に感謝だ。