軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

45 神聖ネフィス教国 2

いつの間にか、ネフィス様に祈りを捧げていた冒険者たちをスズキタウンに招待する話になっている。

でも本当にいいのだろうか?領土問題でもめているし、人間と魔族は交戦状態だし・・・

そんなことを思っていたら、オーク一家のオークナさんが言う。

「とりあえず飲もうよ!!ダーク、時間がないんだろ?折角の料理や酒が無駄になっちまうよ」

「うむ。日没までに森を出るという条件でハイエルフと話がついているが、少しでも遅れたら何をしてくるか分からないからな」

ちょっとしたお参りなら問題はないが、今回のような大人数で森に入るには、事前にハイエルフの許可が必要らしい。

少し悩んだグリューンは言った。

「よし、飲みながら考えよう」

そんなこと、できるはずがないのに・・・

いつの間にか、冒険者を交えて宴会が始まってしまった。

意外に宴会をすぐに開いたのはよかったのかもしれない。

魔族たちと冒険者が打ち解けている。元神官で青髪のブルーさんはゴブリナから神官見習いたちと一緒に有難い話を聞いているし、金髪のゴールドさんは商人のソマリと会話が盛り上がっている。白髪交じりのブラックさんはグリューンたちに剣の扱いを教えていた。このブラックさんは剣の達人らしい。

そしてレッドさんは私に付きっきりだ。

レッドさんはかなりの常識人だった。私の勝手なイメージで、冒険者は荒くれ者が多いと思っていたのだが、レッドさんはどちらかというといい所のお嬢さんといった感じだ。マナーもしっかりしているし、知性も感じられる。それに私と近い境遇のようで話が盛り上がった。

「レッドさんも大変ですね。危険な依頼を受けられて・・・」

「そうなんですよ。冒険者なんて、教会や騎士団の下請けです。厄介事は全部こっちに丸投げで、成功すれば手柄は全部向こうに、失敗すれば責任は全部こっち・・・つもり事故と弁当はこっち持ちですからね」

「分かりますよ・・・私にもそういった経験があります。それでも頑張って仕事をやりきっても、今度は別の厄介事を押し付けられますよね?」

「そうなんですよ!!今の私たちがまさにそれです」

こういったことを話せる相手は貴重だ。

自然と会話も盛り上がった。

そろそろ日も傾いてきた頃、宴会はお開きとなった。

それで冒険者四人をどうするかという話になったのだが・・・

「まだまだブルーさんに話したいことがあります。是非、スズキタウンに来てもらいたいです」

真剣に話を聞いてくれるブルーさんにゴブリナは好印象を抱いているようだった。

ソマリも続く。

「ビッグビジネスの匂いを感じたのニャ。もうちょっとゴールドの話を聞きたいのニャ」

また、グリューンや他のゴブリンたちもブラックさんに剣を習いたいと言い出したので、どう考えても連れて帰る流れになっている。

そしてなぜか、最終決定は私に委ねられた。

「ネフィス様がつないでくれた縁です。大切にしましょう」

この流れで反対なんてできないから、とりあえず、ネフィス様の名前を出して、それっぽいことを言った。

帰り際、ダークがネフィス様の女神像に大量のお供え物をしていた。

残った食べ物やお酒、それにコンパウンドボウもお供えしている。いつもなら持って帰るのにね。

「そんなにお供えして、どうするんですか?一度お供えしたら、持って帰っても大丈夫ですけど・・・」

「不思議なことにこの女神像にお供え物をすると、いつの間にか奇麗になくなるんだ。理由は分からんが・・・」

「聖地なだけにネフィス様の下に届いているのかもしれませんね」

「そ、そうだな・・・」

こうして私たちは、聖地を出発した。

★★★

~ハイエルフ視点~

魔族とレッドたちが去った後、一部始終を見ていたハイエルフの集団が現れた。

せっせとお供え物を回収している。

「意外に火酒もイケますよ。姫も飲んだらどうですか?」

「馬鹿者!!任務中に飲むとは何事だ!!」

「姫、硬いことを言わないでくださいよ。少しなら大丈夫ですよ」

「そ、そうだな・・・毒見も必要だしな・・・」

お供え物を回収し終えたハイエルフたち。今度は「フルーツの木」に生っているフルーツを採取している。

「いつも思うんですが、なんか我々はコソ泥みたいですね」

「仕方ないのだ。今の状況では・・・」

「でも、いつか祟られそうですよ・・・」

「それは大丈夫だ。ちゃんと祈りを捧げれば・・・」

「それってどこの情報ですか?」

「お前が知る必要はない」

帰り際、ハイエルフたちは柏手を2回打ち、ネフィスの女神像に祈りを捧げていた。

「帰還するぞ。同胞が待っているからな」

ハイエルフの里に帰還したハイエルフたちであったが、エルフの女王から大目玉を喰らう。

「任務中に飲むとは何事ですか!?アンダリエル、貴方がついていながら、この醜態は・・・」

「だって母上・・・ちょっと我慢できなくて・・・」

「今回だけですよ。それよりも早く、配給を始めなさい」

「は、はい・・・」

ミドリたちが女神ネフィスに備えた大量の供物は、ハイエルフたちの胃袋の中へと納まったのだった。