軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ラウレータの小さな冒険 ⑩

「ラウレータ様、その少年のおつきの方が見つかりました」

私がそんな報告を受けたのは、魔術の話をレオジミーと一緒にしてしばらくが経ってからのことだった。

楽しい時間はあっという間に過ぎて行った。

レオジミーも魔術に興味津々だったから。話していて楽しかった。好きな物が一緒だと、やっぱり楽しいよね!

「本当? 良かった!」

私はほっとする。だってこのままレオジミーが迷子のままだったら大変だもん。それに大切な人達に会えなくなるって怖いことだもんね。

『レオジミー、人、見つかったって』

『本当か?』

レオジミーは私の言葉を聞いて、ほっとした様子を見せていた。やっぱり平気な振りをしていても心細い気持ちはあったんだと思う。

ただ私の方がレオジミーより年下だし、私の前で弱音を吐きにくいとかあったのかもしれない。

『うん。良かったね』

私はそう口にする。心の底から、良かったなぁと思う。

だって迷子って心細い。私はお母様と一緒に崖から落ちて、しばらくディオ父様たちに会えない生活はしたことがあったけれど、それはお母様も一緒だったから怖くはなかった。でも独りぼっちだったら私は……寂しくて、不安になってしまったと思う。

だからレオジミーが見知らぬ土地で、言葉も通じない人ばかりの中で一人でいるのって私が想像しているよりもずっと不安だったりした気がするもん。

私はレオジミーと一緒に図書館を後にする。

早くレオジミーを探している人達と合流しないとね。だってレオジミーのことをきっと心配しているはずだから。

『ラウレータ……』

だけどほっとした様子の表情を見せていたはずのレオジミーは、次の瞬間、私の方を少しだけ不安そうに見る。

『どうしたの? 嬉しくない?』

嬉しいはずなのにどうしてだろう、なんて思ってしまった。

『……人、見つかった。ラウレータと離れなきゃ』

『でも、多分すぐに会えるよ?』

私はレオジミーがどうしてこんなことを言うのかさっぱり分からなかった。だって会おうと思えば会える。

しばらくレオジミーは王都に滞在するみたいだし、そもそもレオジミーが他国の人でも会いたかったら会いに行けばいいだけだもん。

『……ラウレータの家、どういう家か知らない。でも俺の家は、あの家と関わらない方がいいとか、俺はよく言われる』

言いにくそうにそんなことを言われて、納得する。

レオジミーは帰った後に、私と手紙のやりとりをすることや会うことを家の人達に咎められるかもしれないとそう思っているみたい。

そんな心配いらないのにな、とそう思う。

だってお母様とディオ父様と関わりたくないって人はまずいない。私は二人の娘だから、レオジミーの家も許してくれると思う。

それにね、反対されて交流がなくなるなんてことはないと思う。反対されるなら説得すればいいし、お母様やディオ父様の力を借りて仲良く出来るようにすることって幾らでもきっと出来るもん。

なのにこんな風に心配しているのは、レオジミーにとっては家の言うことってきっと絶対だったんだろうな。

『大丈夫! 私と関わる、反対ない。それに反対されても、どうにでもするから』

私が拙い言葉でそう言い切ると、レオジミーは不思議そうな顔をした。

『それって……』

レオジミーが何か聞こうとした時に、『レオジミー様!!』と大きな声でその名前を呼ぶ声がした。

必死そうな声を聞いて、思わず笑ってしまう。やっぱりレオジミーは家の人達に大切にされているのだとその声で分かった。

お母さんのこととか、家のこととかで悩みはあるみたいだけど、それって家の人達がレオジミーのことを大切にしているからなのかなって思った。

『レオジミー、またね!! 私の方から、手紙書くね?』

レオジミーは家の人達に慌てて連れていかれている。その様子を見ながら私はそう言った。

レオジミーが誰か、今は知らない。でもお母様やディオ父様に言ったらすぐに調べてくれるはず。そしたら手紙を書こう。

私の名前で手紙を書いたら、ちゃんとレオジミーに届くはずだもん。

ぶんぶんと手を振って、レオジミーを見送る。

それから私は屋敷へと帰ることにした。今日も色んなことがあった。一番はレオジミーとの出会いだね。

お母様やディオ父様に沢山話そうとそう決意するのだった。

私の小さな冒険は、そこで幕を閉じた。

そしてそれからすぐにレオジミーに私は手紙を書き、そこから私は彼と交流を持つようになるのだった。

ただ私の頭の中はレオジミーとの手紙楽しみだなとか、一緒に遊びに行けるのかなとかそういうことでいっぱいだった。お母様はレオジミーに手紙を書く私を見てにこにこしていた。

長い付き合いになるのだけれども、この時の私はそんなことはもちろん知らないのだった。