軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

後日譚 第71話

スノーに先導してもらい、四十一階層からの雪山エリアを進んでいく。

俺もスノーも寒さには耐性がある上に、速度を上げても大丈夫ということから、先ほどよりも更に早いペースで進んでいっている。

そして、わずか二時間足らずで五十階層に到達。

新たに生まれていたアイスワイバーンも俺とスノーだけで討伐し、無事に二人とイバンのいる五十一階層にやってくることができた。

「おっ、クリスとスノー! もう戻ってきたのか!」

降りたすぐ先にラルフとへスターが待ってくれており、その少し先にはイバンが丸くなって眠っていた。

イバンも特に変わった様子はないし、俺がいなくなった後も大人しくしていた様子。

「ボルスさんが話を通してくれたお陰で、スムーズにお偉いさんと話すことができた。とりあえず夜まではここで待機して、辺りが暗くなってからイバンをバルバッド山に連れていく予定になってる」

「そうなんですね。ちなみにですが……あとどれくらい待機すればいいのでしょうか?」

「俺もそれが一番聞きたい! ダンジョンにこんな長居する予定じゃなかったし、本気で腹が減ってる!」

「ダンジョンに入り直した時が夕方ぐらいだったから……あと三、四時間ぐらいってところだな。それと、ご飯なら買ってきたぞ」

「それ本当か!? やっぱりクリスは気が利くな!」

「クリスさん、ありがとうございます」

俺はラルフとへスターに屋台で買ってきたご飯を手渡した。

ダンジョンを進んできたため、若干ぐちゃっとなってしまっていたが……まぁ味は変わらないだろうし気にしないでもらおう。

あとはイバンにも肉とメロンを買ってきたのだが、食べてくれるだろうか。

何か特殊な食べ物を用意しないといけないとかだと大変すぎるため、買ってきたものを食べてくれるといいんだが……。

「買ってくるのが当たり前だし、お礼なんてしなくていい。それより、イバンはご飯とかって食べるのか? 一応、買ってきたんだが、寝ているから渡しづらい」

「目の前に置いてみたらいいんじゃね? 食べたかったら食べるでしょ!」

「確かにな。そうしてみるか」

俺はイバン用に買ってきた食べ物を、眠っているイバンの顔の横に置いた。

スノーが置いたメロンに目をつけた様子だったが、先ほど食べさせたため流石に静止させる。

「あっ、やっぱ肉に反応して起きた! 普通に食べてくれそうじゃん!」

「アイスワイバーンは肉が主食なんですね。メロンは食べるでしょうか」

「メロンは分からないな。スノーが好きだからって理由で買ってきたんだけど……まぁ食べなかったらスノーが食べるだろ」

「アウッ!」

尻尾をぶんぶんと振って、イバンがメロンを食べないように見守っているスノー。

そんなスノーの願いが届いたのか分からないが、イバンはメロンには一切手をつけずに肉だけ全て食べ切った。

鞄に入るだけ買ってきたのだが、これだけあっさりと食べてしまうとなると、食費がかなりかかりそうだな。

外に出せば自分で狩ることもできそうだが……人間でも襲った時には大変だから、食費が掛かろうともなるべく買い与えるようにはしたい。

「クリスさん、ごちそうさまでした。おいしかったです」

「ふぅー、腹減ってたから余計に美味かった! イバンも綺麗に肉を食ったな!」

「とりあえず食べてくれてよかった。スノー、メロンを食べていいぞ」

俺が許可を出すと、スノーは一目散にメロンにかぶりつき、器用に半分に割ってから中の果肉を食べ始めた。

さっきも食べたばかりのはずなのだが、スノーは本当にメロンが好きなようだ。

そして食事を終えてからは、軽く五十一階層を散策しながら外が暗くなるまで時間を潰し、タイミングを見計らってダンジョンの外に帰還することにした。

ダンジョンの中に入ると時間の感覚がおかしくなってしまうが、今回はかなり意識していたため恐らく大丈夫なはず。

「イバン、外に出ても大人しくしているんだぞ」

しっかりと忠告をしてから、俺を先頭にダンジョンから帰還した。

通路を抜けて外に出ると、予定通り辺りは真っ暗になっており、人の気配もないことから深夜であることを確信。

これなら目立たずにイバンをバルバッド山まで連れていくことができる。

「このままラルフとへスターは、スノーとイバンを連れてバルバッド山に向かってくれるか? さっき話した通り、俺はエデストルに戻って副町長とボルスさんを呼んでくる」

「了解! 人は避けながらバルバッド山に行けばいいんだな!」

「こちらは任せてください。イバンが暴れないかだけは怖いですが……」

「もし暴れたら……スノーが抑えてくれ。まぁ暴れないと思うけどな」

「アウッ!」

俺はイバンの頭を撫でると、目を細めながら気持ちよさそうな表情を見せた。

五十一階層の散策でも指示通り動いてくれただけでなく、ちゃんと制御しながら攻撃も行ってくれていたしな。

性格的にも大人しい感じはしているし、イバンを信じて俺は副町長を呼びに戻るとしよう。

ダンジョン街を出たところですぐに別れ、俺はなるべく急いでエデストルへと向かったのだった。