軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

後日譚 第48話

翌日。

スノーの分のワイバーンの肉を貰い、今日は朝からスノーに肉を食べさせている。

やはりスノーも肉の違いが分かるようで、いつも以上に尻尾を振り回しながら食べており、どことなく表情も和らいでいるように見える。

そんな幸せそうなスノーをひとしきり見た後、俺達は早速挨拶回りを行うためにエデストルの街へと繰り出た。

「クリス、まずどこから行くんだ?」

「まぁボルスさんのとこだろ。ゴーレムの爺さんのとこでもいいけどな」

「フィリップさんはほぼ確実にお店にいますし、まずはボルスさんを探しに冒険者ギルドに行くのがいいんじゃないでしょうか?」

「確かにそうか。冒険者ギルドに行ってボルスがいないか確認してから、いなければゴーレムの爺さんのところに行こう」

こうして向かう先を決めた俺達は、まず冒険者ギルドに向かうことに決めた。

エデストルの冒険者ギルドは王都に匹敵する大きさであり、この冒険者ギルドの他にダンジョンにも冒険者ギルドがあるからな。

バルバッド山にロザの大森林と強い魔物が生息する場所が近く、更にダンジョンまであるため冒険者の活動は一番活発。

その分冒険者ギルドにも力が入っており、冒険者ギルドとは思えない清潔感溢れる内装。

「やっぱりエデストルの冒険者ギルドは綺麗ですよね」

「他の冒険者ギルドと比べても段違いに綺麗だな」

そんな会話をしながらギルド内を見て回っていると、受付を行っている見覚えのある髪型の男性が目に入った。

この特徴的なもじゃもじゃ頭を見間違える訳がない。

「ボルスさん!」

「んあ? ――って、クリスじゃねぇか!」

俺にすぐ気づいたボルスさんは受付から離れて飛びついてきた。

もじゃもじゃに抱き着かれた訳だが……悪い気はしない。

ただこっ恥ずかしくはあるため、離れるように伝える。

「いきなりくっつかないでくれ。もじゃもじゃが鬱陶しい」

「別にいいじゃねぇか! そんな寂しいことを言うなっての!」

力強く抱きしめてくるボルスにされるがままにしていると、後ろからやってきたルパートがボルスの頭を引っ叩いた。

「ボルス、嫌がってるからやめてあげて!」

「いってぇ! 叩くことはねぇだろ!」

「クリス君、お久しぶり! 私のこと覚えてる?」

「もちろん。ルパートとルーファス。流石に忘れていない」

ルーファスもゆっくりとこっちへやってきて、いつもと同じように気怠そうにしながら大きく欠伸している。

「良かったぁ。ボルスと違って交流が少ないから忘れられているかと思った!」

「クリスはそんな薄情な奴じゃねぇっての! ……それよりクリス、いつこっちに戻ってきたんだ? ずっと心配していたんだぜ?」

「昨日の夜に着いたばかりだ。それで、まずボルスさん達に挨拶をしようとやってきたって感じだな」

「まず俺達に挨拶とはそりゃ嬉しいな! ラルフとヘスターも久しぶりだな! それにスノーも!」

ボルスさんはスノーに向かって手を広げたのだが、スノーはボルスさんではなくルパートに飛びついていった。

ルパートとは関わり自体少ないはずだが、手をペロペロと舐めていて尻尾を振っている。

「うわぁ……大きいけど可愛い! ボルスは嫌われているのかな?」

「なんで俺じゃなくてルパートなんだ! 俺が初めて会った時はまだ小さかったのによ!」

「ボルスは動物に嫌われるからな」

酷く落ち込んでいるが、そんな様子も懐かしく感じる。

ボルスはなんというか全体的にコミカルな雰囲気を纏っており、一緒にいるだけで明るくなるんだよな。

「三人で冒険者ギルドにいるということは、パーティでの活動を再開されたのですか?」

「ああ! ルーパスの体調が良くなったからな! クリス達が街を去ってからすぐにパーティでの活動を再開した!」

「クリスのお陰で結構熱が入ったからさ。俺もボルスも大分強くなっていると思うよ」

「手合わせしてもらったのも懐かしいな。強くなってるなら、また手合わせしたいな。ルーファスの本性も見たいし」

「いやいや勘弁してくれ。恥ずかしいからこうやって抑えているんだからさ」

ルーファスは本当に照れくさそうに頭をポリポリと掻いた。

「手合わせじゃないにしても、俺達とボルス達とで合同で依頼を受けたいな! 一緒にダンジョンに潜るとかでも面白そう!」

「おっ、ラルフ。そりゃいいアイデアだな! バルバッド山の依頼は受けてぇ! クリス達との最初の依頼はバルバッド山だったしな!」

「確かブルーオーガの討伐でしたよね?」

「そんな前じゃないのに懐かしく感じる! また同じ依頼があったら受けたい!」

「確かにいいな。ブルーオーガの討伐依頼は受けたい」

「よしっ、なら決まりだな! ルパートとルーファスもいいよな?」

「私達がいていいの? ボルスだけしかいなかった訳だし、四人だけの方がいいんじゃない?」

「私達は全然構いませんよ。ボルスさん達のパーティと一緒に行きたいって気持ちが強いですから」

ただ一つ気になることがあり、それはブルーオーガの討伐依頼が出ているのかどうか。

バルバッド山を覆っていた瘴気は、俺がヴァンデッタテインを入手してから消えたはず。

ブルーオーガは瘴気時間に出現していたことから、もう現れないのではと予想しているんだが……どうなんだろうか。

「二人が来るのはもちろん歓迎だが、ブルーオーガはいるのか? バルバッド山の瘴気は消え去ったろ?」

「いや、また日が経ってから瘴気が現れたんだわ。どこから流れているのかは分からねぇけどな」

「また瘴気が現れた……? 色々と謎だが、瘴気が出たのならブルーオーガは出現するか」

「そういうこと! 三人とスノーはもう準備できてるのか? できているなら――このまま依頼を受けて行っちゃおうぜ!」

「俺は大丈夫! いつでも戦えるぜ!」

「私も大丈夫です」

「俺も大丈夫だ」

「なら、決まりだな! 早速依頼を受けてくるから待っててくれ!」

ボルスはそう言うと、受付へと戻り依頼を受けに行った。

ブルーオーガも出現するし無問題——って思考にはならず、やはり瘴気の元が気になってしまう。

俺が倒したバハムートが復活したのか、また別の魔物が現れたのか。

山全体を瘴気に包むということは、それなりの化け物でないとできないことは俺がよく知っている。

時間がある時に調べてもいいかもしれない。

俺はそんなことを考えつつ、ボルスさん達一行と共にバルバッド山へと向かったのだった。