軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

後日譚 第26話

プレゼントを渡したことだし、これでミエルへの用は済んだな。

ミエルがこれから何をするかは気になるし、ミエルの今後についてを訊ねても良さそうだが……ゆっくりと話をするのは挨拶回りを終わらせてからだろう。

「とりあえず俺達の用はこれだけだ。ミエルから何か聞きたいこととかがないのなら、俺達はもう行くが……何かあるか?」

「クラウスとのことも聞けたし、私からは特にないわ。ただ、もう少しゆっくり話したかったんだけど急いでいるの?」

「特に急いでいるって訳ではないが、今回ミエルに報告したように他にも報告しなくてはいけない人達がいる。報告が遅くなるにつれて心配をかけるだろうから、早く報告に行きたいって感じだな」

「なるほどね。なら、また王都に戻ってきた時にゆっくりと話そう。関係が関係だっただけに雑談とかもしてこなかったしね」

「ああ、ゆっくりと話せる時間を作る。その時までに渡したプレゼントを試しておいてくれよ。感想が聞きたい」

「この粉だけは気乗りしないんだけど……まぁ分かったわ。せっかくもらったものだしね」

出会いは最悪だったが、ミエルとも良い関係性を築けた。

雑に扱っていたが本当に感謝をし、ちょっと駆け足だがミエルとの話を締めて、俺達は『三日月亭』を後にした。

「プレゼント、喜んでくれて良かったな!」

「魔力操作の粉はあんまりな様子でしたけどね」

「まぁ使って良いものなら、ミエルも手のひら返しするだろ。一つは素直に嬉しいもので、もう一つは使ってみないと分からない怪しいもの。プレゼントのバランスとしては最高だったと思うぞ」

俺はどうしても貰って普通に嬉しいものしか買えないが、ヘスターは割りと攻めた商品を選ぶからな。

プレゼントは自分では買わないような面白さも大事だと思うし、良い具合にバランスが取れていると思う。

「それでクリス、次は何をするんだ? 王都でやることは済んだよな? もう別の街に向かうのか?」

「王都での挨拶周りは済んだけど、金がないから稼がなくてはいけない。プレゼントとか宿泊費でかなり使ってしまったからな」

「ということは、依頼を受けに行くんですね。三人とスノーとでまた依頼をこなせるの楽しみです!」

ヘスターは嬉しそうにそう言ってきたが、残念ながら三人で依頼をこなすつもりはない。

俺達はプラチナランクに見合っていない強さを見につけているため、ソロで依頼をこなすつもり。

ダイヤモンドランクの高額な依頼を受けることができるなら、パーティで依頼をこなすことも考えるのだが……。

冒険者ギルドのシステムとして、プラチナ冒険者は緊急依頼以外ではプラチナランク以上の依頼を受けることができないからな。

「喜んでいるところ悪いが、各々一人で依頼をこなすつもりだ。プラチナランクの依頼ならわざわざ三人で挑む必要がないからな」

「それもそうだよな! 一人でプラチナぐらいの依頼ならこなせるし、ソロなら三倍の速度で稼げるってなったらパーティで挑む理由がねぇ!」

「うぅ……。みんなで依頼をこなしたかったですが、無駄に時間を使うだけですもんね」

「お礼参りに行くときは全員で向かう訳だし、そんな落ち込まなくてもすぐにパーティで行動できる。寂しいのなら、スノーはヘスターが連れて依頼をこなせばいい」

「分かりました。私はスノーと一緒に依頼をこなします」

露骨にテンションが下がった様子のヘスターだが、頭では理解できているようですんなりと意見を吞み込んでくれた。

後はバラバラに依頼をこなして一気に金を稼ぐだけ。

俺の目標としては一日に二つ以上の依頼をこなし、三日で旅に使う金を稼ぎ切ること。

そうと決まれば早速冒険者ギルドに向かい、楽にこなせそうな依頼を受けるとしようか。

旅で使う金を稼ぐために依頼を始めてから、三日が経過した。

俺、ラルフ、ヘスターとスノーの三手に別れて依頼をこなしたことで、あっという間に大金を稼ぐことに成功。

俺も気合いを入れて依頼をこなし、一日で最低でも二つの依頼をこなしたのだが……。

ヘスターとスノーのペアが凄まじく、一日平均で四つもの依頼をこなしてくれた。

これで当面金の心配はいらないし、お礼参りの旅は豪勢にできるだろう。

クラウスとの戦いを経験した直後ということもあって、プラチナランクの魔物が弱すぎるくらいに感じたし、金を稼ぐことに苦労としていた頃が遠い昔のように思えてくる。

「ラルフ、ヘスター、スノー。三日間、依頼をこなしてくれてありがとな。お陰で結構な金が貯まった」

「三日間だけだったですが、こんなにもお金が貯まるんですね。一日に二人で銀貨一枚しか稼げなかった時が懐かしく思えてきます」

「俺とヘスターはゴブリンすら倒せなかったもんな! 今じゃ一人でプラチナランクの魔物を倒せるんだもん! そりゃ金も稼げるわ!」

二人とも俺と同じ考えが頭を過ったのか、レアルザッドでの日々を懐かしむように語った。

「お礼参りは俺達の軌跡を辿る旅でもあるからな。まずはその一日に二人で銀貨一枚しか稼げなかったレアルザッドから向かおう」

「レアルザッドは最近戻ったばかりだから懐かしいとは思わないだろうけど、『七福屋』の爺さんには全てを終わったことを報告したい!」

「その報告をする旅ですもんね。これまでを思い出しながら、街を巡っていくのは本当に楽しみです」

「それじゃ明日の出発に向けて、早速準備を行うとしよう。金には余裕があるから、荷物が重くならなければ基本的に好きなものを買っていい」

「やったぜ! いっつも安いものを選んで買ってたもんな! 面倒でしかなかった買い出しも楽しみだ!」

ノリノリな二人とスノーを連れ、俺達は大通りに買い出しに向かった。

明日に王都を出発し、昼過ぎ頃までにレアルザッドに到着するよう準備を進めていくとしよう。