軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

後日譚 第19話

俺がおばあさんから勧められたブローチを即決で購入した後、氷属性魔法に使えそうなものを探している二人の下に向かった。

二人の手には何か持たれていることからも、何かしら目ぼしい商品は見つけられたはず。

「何か良いものを見つけられたか?」

「関係しているっぽいものを手に取ってるけど、俺の方はかなり微妙だな! こっちは氷属性が扱えるようになるかもしれない補助道具で、こっちは氷属性魔法を使ってかき氷が作れる道具らしい!」

「……確かに微妙だな」

微妙というか完全にナシなのだが、探してくれた訳だし曖昧に濁して伝えた。

まぁ元々ヘスターにしか期待していなかったし、ヘスターが見つけられていなかったとしても既に買えているから心配はない。

「やっぱ微妙だよな! 魔法に詳しくない俺でも流石に薄々感じていた! ヘスターはどうなんだよ!」

「それでも薄々なんですね。私は一つだけですがそれなりに良い商品を見つけてきましたよ」

「ヘスターの良い商品は期待できるな。何を見つけたんだ?」

「魔力操作がしやすくなる薬です。効果のほどは分かりませんが、氷属性のような複合魔法を使うときに一番重要なのは魔力操作ですので。本当にこの薬を飲んで魔力操作がしやすくなるのであれば、ミエルさんも喜ばれるのではないでしょうか?」

そう言って俺に渡してきたのは、黒い怪しげな袋に入った中も真っ黒な粉薬。

見た目は驚くくらいに怪しいが、本当に効くのであればかなり実用性は高い。

「良いアイテムなんじゃないか? 怪しいところだけが少し怖いが、おばあさんに聞いてみれば答えてくれると思う」

「クリスさんも好印象を持ってくれて良かったです。早速聞きに行きましょうか」

アイテムを持ったヘスターを先頭に、勘定場でお金の計算を行っているおばあさんの下に再び向かった。

「おばあさん、ちょっとお聞きしたことがあるのですがいいですか?」

「もちろん構わないよ。なんでも聞いておくれ」

「この薬が気になっているのですが、効果はちゃんと発揮しますでしょうか?」

そう言って薬をおばあさんに手渡したヘスター。

薬を受け取ったおばあさんはジッと凝視したあと、何やら楽しそうに笑い始めた。

「ふっふっふ。この薬は私の知り合いが作ってる薬だから、効果については保証するよ。見た目は怪しいから全然売れないんだけどねぇ」

おばあさんの知り合いが作っているのであれば、効果を疑う必要はないだろう。

知り合って間もないが、このおばあさんが只者ではないのは分かっているしな。

「そうだったんですね。効くのであれば購入させてもらいます」

「初見さんなのにいっぱい買ってくれてありがとねぇ」

「それでは代金の銀貨二枚です」

「はい、毎度あり。またいつでも来て頂戴ね」

ヘスターが会計を済ませ、俺達はおばあさんに見送られながら店を後にした。

適当に入った店だったが、個人的には今日一良い店だったかもしれない。

俺が『七福屋』を気に入り過ぎていて、雰囲気が非常に似ている店だからってのもあるが。

「これでひとまず買い物は終了か? 他にプレゼントを買うような人はいないもんな」

「私の認識では、保留にしている人以外には購入できたと思います」

残りはグラハム含む各街の神父に買うつもりだが、これは二人とは一切面識がないため俺一人で選ぶつもり。

そのため買い物はひとまず終了ってことにしていいだろう。

「だな。色々と店を巡ってきたが、これで終了で大丈夫だと思う」

「大量に購入したもんな! もうリュックがパンパンだわ!」

「あとは……スノーへのプレゼントを買って帰りましょうか」

「そうだ! 留守番してもらってるスノーに買っていかないとな! スノーへは普通のメロンでいいかな?」

「俺は普通のメロンで良いと思っていたが、他にも何か良いものがないか見てみるか?」

スノーは命の恩人……人ではないから恩犬ってところか?

まぁ何でもいい。命の恩人だし、確かに普通のメロンではちょっと物足らないかもしれない。

果物だけ売っている専門店に行って、最高級メロンでも買ってあげるのがよさそうだ。

メロンにも良さそうな果物が売っている可能性もあるし、保留にしたのが意外と多かったから時間も余っているからな。

「いいと思います。大通りに果物だけを扱っているお店がありますので、そこに行ってみませんか?」

「いいね! その果物専門店に行ってみようぜ!」

「肉も買ってあげたいから精肉店にも寄ろう。そこで今日の夜飯の食材も調達すれば一石二鳥だろ」

「昼は魚料理で夜は肉か! めちゃくちゃいいな!」

「決まりですね。確かそこのお店の近くに精肉店がありましたので、すぐに回れると思います」

こうして最後に買い物を行う店が決まった。

果物専門店も精肉店も楽しみだし、やっぱり食に関することは俺もワクワクする。

自分達にもプレゼントとして、珍しいものや美味しそうなものがあったら購入しようか。

高級とされている魔物の肉なんかも良いかもしれない。

俺は色々と頭の中で想像しながら、ヘスター案内の下で果物専門店へと向かったのだった。