軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第405話 出発の日

俺の過去も軽く交えて話したため色々と長くなったが、クラウスについての情報はこんなところだろうか。

話していて自分でも感じたが、やはり他の二人と比べてクラウスの情報は薄すぎる。

なんとかして少しでも情報を集めたいところではあるが……明後日の朝出発なのを考えると難しいのが現実だな。

「とりあえず、クラウスについて分かっている情報はこんなものだ。今現在の情報はほとんどなく、兄弟といってもほとんど接したことがなかったから昔の情報も少ない」

「殺されかけた後は森に逃げ込んで、俺達と出会ったって流れだもんな! ……兄弟なのにエピソードが殺されかけたことしかないって歪すぎないか?」

「当時は普通の兄弟っていうのも知らなかったからな。改めて考えてみると、ラルフの言う通り歪んでいたと思う」

兄弟だけでなく、家族としても歪み切っていた。

母親とはほとんど会話がなかったし、俺を付きっきりで面倒を見ていた親父とも思い返してみると会話した記憶がほとんどない。

命令されて何かやるっていうのは多々あったがな。

「ちゃんとした喧嘩が出来ていればこんなことにはなっていなかったと思うと、俺はクリスの両親が悪いと思い始めてきた。人の親を悪く言うのはちょっと気が引けるけどよ!」

「両親ってより親父だな。俺も一番の悪は親父だとは思うが……だとしても、クラウスとの戦いを行わないとはならない。二人には付き合わせて悪いけどな」

「もう止められないのは分かっています。それに事情を知っていて付いてきたんですから謝罪はいりません。……全ての決着をつけに行きましょう!」

「ああ。二人とも最後まで付き合ってくれ」

「もちろん! 色々口を出したが、俺とヘスターはクリスの味方だからな! 例えクリスが悪人と言われようが、俺達だけは絶対に離れないからよ!」

「ラルフ、ヘスター。ありがとな」

こうして二人に感謝を伝えたところで、出発前最後の話し合いをお開きとした。

淡々と情報の確認だけを行う予定だったのに、最後は変な感じになってしまったが二人の心強さを感じられたのは良かったな。

ここからは今日、明日とゆっくりと体を休め、明後日の出発に備えようか。

ラルフ、ヘスターと最後の話し合いを行った翌々日の早朝。

昨日は広々とした部屋でゆっくりと過ごしたため、体の疲れもバッチリと取れた完璧なコンディションで朝を迎えることができた。

ラルフとヘスターも既に起きているようで、ラルフはスノーと何やら戯れている。

ヘスターはシャワーを浴びているようで、風呂場から水の音が聞こえてきた。

「もう起きてたのか。ちゃんと眠れたか?」

「爆睡はできなかったけど、ちゃんと眠れたぜ! クリスは普通に爆睡してたな!」

「少しでも眠っておかないと、ここから先はちゃんと体を休める場所がないからな。ラルフとヘスターも同じタイミングで起きたのか?」

「いや。俺とスノーが先に起きて、ヘスターは十分前くらいに起きたばかりだぞ!」

「てことは、ヘスターもしっかりと眠れたってことか。ちゃっちゃと準備を行って、すぐに出発するとしようか」

「ふへー、いよいよか。まだ先って言うのは分かっているけど緊張してきた」

「せめて古代遺跡とやらに着いてからにしてくれ。シャーロットの話では歩いて二日はかかる距離らしいからな。まぁスピードを上げて移動するから二日はかからないだろうけど」

そんな会話をしながら着替えを行い、出発の準備を整えていく。

大方の準備は昨日の内に済ませておいたお陰で、着替えと忘れ物がないかの確認くらいなため、ヘスターがシャワーを終える前には準備を整えることができた。

それからシャワーを浴び終えたヘスターが準備を終えるのを待ち、すぐに宿屋をチェックアウト。

持ち運べない荷物は、昨日イザベルの家へ訪れて預かってもらっているためこのまま出発する。

外はまだ明るみがかかっている程度のため人がおらず、メインストリートを俺達だけが歩いている状態。

基本的に潜伏していたせいでまともに観光もできていないし、王都をもっと満喫したかった気持ちが強いが、王都観光は決着をつけてから行えばいい。

クラウスに勝って生きて戻ってくると自分に言い聞かせ、外へと繋がる門に向かうと……そこには見慣れた人達の姿があった。

アレクサンドラにゴーティエ、それから見送りに行けるか分からないと言っていたシャーロットの姿も見える。

それから眠そうにしているミエルに、少し離れた位置にグラハムの姿もあった。

グラハムには出発の時刻を伝えていなかったし来てくれるとは微塵も思っていなかったが、わざわざ見送りに来てくれたのはありがたい。

見送りに来てくれたみんなと軽く挨拶をしてから、王都を発つとしようか。