軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第317話 鑑定結果

「こりゃすげぇ剣だな! どこで手に入れた物なんだ?」

「バルバッド山で手に入れた剣だ。ヴァンデッタテインって剣なんだが知っているか?」

「――ッ!! ヴァンデッタテインだと? 本当にこの剣がヴァンデッタテインなのか!?」

「絶対とは言い切れないが、九分九厘そうだと思うぞ。というか、そのことを調べてもらうために俺は尋ねてきたんだよ」

ケヴィンと違って半信半疑の様子だが、真偽については鑑定してくれれば分かること。

この反応を見る限り、断れるってことはなさそうだが……問題は金額だな。

「それもそうか……。でも、ヴァンデッタテインってのは簡単に信じられねぇわ!」

「ケヴィンが紹介した理由とかも考えれば信憑性はあるだろ。それよりもさっさと鑑定してほしい。鑑定金額はいくらなんだ?」

「俺の鑑定は一律金貨二枚で請け負っている! 剣、防具、装飾品に消耗品だろうがなんでも鑑定しているが、アイテム一つにつき金貨二枚だ!」

「随分と高いな。『レラボマーケット』の商品もそうだが、一般庶民の俺から言わせてもらうと通いたいとは思えない」

「いやいやい、そんなことねぇだろうよ! 俺の店ほど高品質が保証されていて品揃えが良い店なんて存在しねぇ! そんな中で金額だって抑えてやっている方だ! それに立地や従業員の数なんかを考えれ――」

「分かった分かった。店の話はいいから鑑定をしてくれ。金貨二枚は払う」

アーロンの話が長くなりそうだったため無理やり切り上げ、俺は鑑定を行うように促す。

金貨二枚は正直手痛い出費であるが、ヴァンデッタテインの性能については絶対に知っておきたい情報。

それに能力判別が金貨一枚なことを考えると、まぁ支払えなくもない金額と言える。

鎧も鑑定してもらうとして金貨四枚……出立前にしっかりと依頼をこなさないといけないな。

「確かに金貨二枚受け取った! 早速、鑑定させてもらうぜ!」

アーロンは机の上にヴァンデッタテインを置くと、両手をかざして何やらブツブツと呟き始めた。

てっきり手持ち眼鏡か何かで鑑定作業を行うと思っていたのだが、能力判別と同じようにスキルに似た技を使って鑑定するらしい。

かざしている指に嵌められた指輪が光り輝き、部屋の中一帯がホワイトアウトした。

その光の輝きが収まるとアーロンは腕を下におろしており、どうやら鑑定作業が終わった様子。

「鑑定の方は終わったのか?」

「……ああ。この剣は間違いなく、初代勇者が残したヴァンデッタテインだ!」

興奮するように鼻息を荒くさせ、俺に詰め寄ってきたアーロン。

俺としては本物かどうかよりも、どんな性能を誇っているのかの方が気になるところ。

正直な話、偽物でも強力な剣であれば何の問題もない訳だからな。

「本物なのは良かったが、鑑定結果について詳しく聞かせてくれ。まさか本物かどうかの識別のために金貨二枚かかるってことはないだろ?」

「そう急かすな! なんで持ち主であるお前がそんな冷めてるんだよっ! この剣はエデストルで何百年と言い伝えられてきた伝説の剣なんだぞ! それもあの初代勇者様の残し――」

「いいから早く性能の話をしてくれ」

本当にすぐに語りたがる奴だな。

いちいち話を聞いていたら日が暮れてしまうため、俺はとっとと話を促す。

「……分かったよ! まずこの剣の特徴は切れ味が落ちないこと」

「切れ味が落ちない? そんな剣なんて存在するのか?」

「伝説の龍を素材として使っているからか、錆びることがないと鑑定結果で出ている」

薄い膜なんかを張って、金属の錆びや腐食を防ぐ方法があるのは知っているが……斬り合う剣に応用するのは不可能。

そのため毎回酷く面倒くさい手入れをしなくてはいけないのだが、錆びないとなればその手入れが不要となる。

俺から言わせてもらえば、これだけでも相当に大きい性能と言えるな。

「錆びない剣ってだけで既に魅力的だな」

「まだまだこれだけじゃない! ヴァンデッタテインの刃の強度が尋常ではないことが分かった! 俺が今まで鑑定してきた剣の中でも頭一つ抜けて高強度。……更にそれだけじゃなく、ヴァンデッタテインには様々なルーンが彫られているんだ!」

「ルーン? ルーンってなんだ?」

「ルーンとは魔法を文字にして刻み込むという、今は廃れた古の技法のことだ! ヴァンデッタテインには三つのルーンが刻まれていて、三種の魔法武器に切り替えられるんだよ!」

話が複雑になってきて理解するのが難しい。

恐らくだが……魔力を流し込んだ時に赤く光ったのがルーンによる影響ってことか?

「そのルーンっていうのは、ゴーレムとかにも刻まれていたりするか?」

「――ッ!! おお、馬鹿そうに見えるのに良く知っているな! その通りでゴーレムにも刻み込まれているのがルーンだ!」

やはりあの赤く光ったのがルーンだったか。

となってくると、俺にはゴーレムの研究をしている打ってつけの人物が知り合いにいる。

ヴァンデッタテインを見せると厄介なことになるため、この剣の存在は隠しつつ……。

ルーンについて詳しく知りたくなったら、ゴーレムの爺さんの下へ顔を出すのもアリかもしれないな。