軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第26話 才能なし

宿屋で乾燥させた有毒植物を半分の種類だけ食べたところで、一ヶ月ぶりの教会へと向かう。

乾燥させた有毒植物が思いのほか不味く、俺は体調の悪さを感じながらも必死に歩く。

植物の食べ方については、色々と工夫を凝らさないと駄目かもしれないな。

乾燥させることにより、長持ちはするものの苦味が凝縮されてとても食べれた物ではない。

とにかく体内にさえ入れればいいのだから、すり潰して飲みやすくするのも良さそうだし、何かに包んで飲み込んでしまうのも良さそう。

植物の食べ方についても要研究するとして、まずは教会で能力判別だ。

一ヶ月の魔物討伐で単純に成長しているのかも気になるし、今日食べた有毒植物の結果も気になる。

ペイシャの森から帰還したばかりの前回は、耐久力と体力共に1ずつ上がっていたため、今回耐久力と体力が1ずつ上がっていれば、残してある半分の有毒植物は身体能力を向上させる効能がないと判別できる。

逆に今回何も上がっていなければ、残りの半分の中に耐久力と体力を上げる効能を持つ植物があるということになるのだが、一番面倒くさいのはどちらか片方だけが上がるパターン。

こればかりは祈るしかないため、どちらかに偏っていることを祈りつつ、俺は教会の扉を押し開いた。

今日は礼拝が行われているのか、初めてきた時と同じように教会の中にはかなりの人がいる。

俺はその人達の合間を縫って、例の部屋を目指す。

講壇にはいつもの金髪碧眼の神父がおり、俺の顔を見るなり驚いた表情を見せた。

前回も口頭で注意してくれたぐらいだし、こんな高頻度で能力判別に訪れる人はいないのだろう。

俺のやっていることを知らなければ、ただ教会に金を捨てに来ているようにしか思えないだろうしな。

軽く会釈だけして講壇の横を抜け、俺は水晶の部屋に入り、ベルを鳴らしてから座って待つ。

いつもは少し待たないと人が来ないのだが、今日はベルを鳴らしてからすぐに部屋に駆け込む形で、先ほど礼拝を行っていたいつもの顔立ちの良い神父が入ってきた。

「今日もよろしく頼む」

「能力判別でしょうか……? 前回からまだそれほど経っていませんが、本当に大丈夫なのでしょうか?」

「前回も言ったと思うが、能力が何も上がってなくとも文句は言わない」

俺を見る目が完全に頭のおかしな奴を見る目になっているが、この神父に何を思われようがどうでもいい。

実際に何の能力が上がっていなかったとしても、成果としては十分すぎるほどに得られる訳だからな。

「……分かりました。金貨を一枚と冒険者カードをお願いします」

「ああ」

俺は鞄から、金貨一枚と冒険者カードを取り出して手渡す。

毎度思うが、本当に金貨一枚は破格の値段だな。

魔力をごっそりと使うのか、それとも希少だからこその値段なのか。

どうにか自分でも出来ないかを、どうしても考えてしまうな。

「無事に終わりました。能力に変化がなかったとしても、能力判別が失敗している訳ではありませんので、その辺りのご理解お願いします」

「大丈夫だ。そう同じことを何度も言わなくても分かっているよ」

「しつこくて申し訳ございません。それでは失礼致します」

神父は深く頭を下げると、部屋から出ていった。

同じ確認が多すぎる気がするが、頭のおかしい行動をしている自覚はあるため、不快な態度は見せずに対応する。

顔立ちの良い神父が部屋を出て行ったのを確認してから、俺は冒険者カードの能力値を確認した。

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【クリス】

適正職業:農民

体力 :11(+7)

筋力 :6 (+8)

耐久力 :7 (+3)

魔法力 :1

敏捷性 :4

【特殊スキル】

『毒無効』

【通常スキル】

なし

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今回は体力と筋力の左側の数値が1だけ上がっていて、右側のプラス値の変化はない。

この能力上昇は恐らく、一ヶ月の魔物討伐の頑張りによる成長だろう。

一ヶ月間様々な魔物を狩り続けて、植物を食べたのと同じ数値しか上がらないというのは、俺自身の潜在能力の低さを表しているため悲しみを覚える。

ただ逆を言えば、有毒植物にはそんな俺でも強くなれる可能性を秘めているということだ。

魔物との戦いは戦闘経験を積むことだけを目的とし、そっちでの能力向上についてはないものと思うようにしていこう。

そして今回の結果から分かったのは、今回食した有毒植物には能力を向上させる植物は混じっていなかったということ。

怖いのは、乾燥させたせいで効能が消えた可能性もあるということなのだが、そこの可能性については考えても無駄なため排除し、次は残りの十五種類の半分を食してからまた能力判別を行おうと思う。

耐久力と体力を上昇させる植物を割り出すことができれば、次回ペイシャの森に行く際は効率を大幅に上昇させることが出来る。

能力は上がっていなかったものの、全てが順調にいっていることに満足感を覚えながら、俺は教会を後にした。