軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第189話 久しぶりの人混み

オンガニールを発見した日から四日が経過。

拠点からオンガニールがあった場所まで、オークキングの死体を運ぶのに予想以上の時間がかかってしまい、全ての作業を終えるのに予定よりも大分かかってしまった。

ただ、無事にオークキングの死体はオンガニールの傍に置きに行くことができ、あとは作付が済むのを待つだけとなっている。

冷凍はしてあったが死後数日が経っていたりと、色々と不安な部分もあるが……どういう結果になるかはオンガニール次第だな。

もう少しロザの大森林に身を置いていたい気持ちを振り切り、俺は荷物をまとめて戻る準備を整える。

やらねばいけないことが山積みのため、少しも時間を無駄にすることはできない。

二人と別れてエデストルを離れ、約二週間。

予想以上に早い帰還のため、そこまでの成長は期待できないかもしれないが、成長の糸口ぐらいは掴めたかどうか気になるところだ。

「スノー、準備はいいか? エデストルに戻るぞ」

「アウッ!」

俺の声掛けに元気よく返事をしたスノーを数回撫で、拠点を後にしてエデストルへの帰路へと就いたのだった。

スノーに索敵を行ってもらったお陰で、魔物と遭遇することなくロザの大森林を抜け、俺達はエデストルへと戻ってきた。

帰る前に水場で体は洗ってきたとはいえ、この人混みの中を歩くのは何回経験しても気にしてしまうもの。

帰ってすぐにシャワーを浴びるべく、どこも寄り道はせずに『ゴラッシュ』へと向かった。

エデストルに着いた時には日が落ちかけており、宿屋についた頃には完全に落ちていたこともあって、もう既に誰か戻ってきているかと思ったが……部屋はもぬけの殻だった。

ラルフもヘスターもおらず殺風景な真っ暗な部屋を見て、スノーは寂しそうに甘えるように鳴いた。

エデストルの街が見えた時から尻尾をぶんぶんと振って、二人に会えるのを楽しみにしている様子だったからな。

「風呂に入って綺麗な状態にしておくか。スノーも体を綺麗にしておくだろ?」

「アウ」

荷物を部屋の中に雑に置き、二人が帰ってくる前にシャワーを浴びてしまうことにした。

スノーはヘスターやラルフが風呂に入れることが多いため、俺が一緒に入るのは本当に久しぶりだ。

体が大きくなったため洗うのに手こずりそうだが、スノーは風呂が好きなため比較的楽なはず。

まずは俺がシャワーを浴びてから、その後スノーの体を洗い、二週間分のロザの大森林での汚れを綺麗に落とした。

大量のタオルでしっかり水気をふき取り、一緒に風呂から出ると――風呂に入っている間に帰ってきていたのか、部屋でくつろぐラルフの姿があった。

スノーは若干濡れている体のまま、くつろいでいるラルフに飛び掛かり、ラルフは情けない声を上げながら久しぶりの再会を交わした。

「あてっ! おお、スノー。風呂に入れてもらってたのか! ちゃんと元気そうで良かった! 怪我とかも……なさそうだな!」

ワシワシと勢いよく撫でられ、嬉しそうにラルフに顔をうずめるスノー。

ラルフも嬉しそうにスノーを撫でまくっている。

「ラルフ、ダンジョンには潜ったのか?」

「ああ! 今日もダンジョン帰りだし、クリスがロザの大森林に行ってる間はずっと潜ってたぜ! 色々報告したいことがあんだわ!」

「それは俺もだな。ヘスターが帰って来てから、報告会を開こうか。……ただヘスター、戻ってくるか?」

「戻ってくると思うぞ。オックスターの時みたいに、早朝から深夜まで魔法の特訓――みたいな無茶はしてないみたいだし、毎日夜ご飯だけは一緒に食べてた」

「そうか。それなら一安心だな」

そんな会話をしていると、タイミング良くヘスターが戻ってきたようだ。

頭をラルフに擦り付けて甘えていたスノーだったが、ヘスターが帰ってきた音を聞きつけると、ラルフから離れて玄関まで一直線で向かって行った。

そんなスノーを寂しそうに眺めるラルフを見て笑いながら、俺もヘスターの出迎えに向かう。

「うわっと……スノー、戻ってたんだね! っと、クリスさんもお帰りなさい! ロザの大森林はどうでしたか?」

「想像よりも凄いところだった。詳しいことは晩飯を食いながら報告会で話す。……ヘスターも実りはあったか?」

「ええ! やっぱりフィリップさんは凄い魔法使いですね。オックスターのあの依頼で知り合うことができて、本当に幸運でしたよ」

「そうか。それは良かった。ヘスターの近況も後で聞かせてくれ」

玄関で軽く話をしてから、スノーを抱きかかえたヘスターと共に部屋の中へと戻る。

俺とスノーが久しぶりのちゃんとした飯ということで、ヘスターが腕によりをかけてご飯を作ってくれ、そのご飯をみんなで囲いながら早速報告会へと移った。