軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第139話 従魔登録

遺跡で特訓するヘスターと別れたあと、俺とラルフはスノーを連れて冒険者ギルドへとやってきた。

アルヤジさんに教えてもらったのだが、冒険者ギルドで従魔として登録すれば、外に連れ出してもお咎めがなくなるらしい。

まぁ従魔登録には、適性職業が魔物使いか魔物マスターのいずれか。

それか、魔物を使役できるスキル持ちでないと出来ないようなのだが……副ギルド長に頼めば、なんとかしてくれると思いやってきた訳だ。

早速冒険者ギルドの中へと入り、副ギルド長を呼び出してもらうことにした。

「どうも、クリスさんとラルフさん! あれ……今日はヘスターさんはいないんですか?」

「ああ、別件でしばらく留守にしている」

「そうなんですか。それで、今日はどんなご用件でしょうか? 何か頼み事ですかね?」

「頼み事というか、相談というか……。実は従魔登録をしたいんだが、このギルドでもできるか?」

「もちろんです。条件にさえ合えば、従魔登録はできますが――そちらの子ですか?」

鞄から頭をだけを出し、スノーを副ギルド長に見せた。

しっかりと大人しくしているように言いつけたため、吠えたり暴れたりすることもなく、スノーは大人しくしている。

「ああ、こいつを従魔登録したいんだが……。多分、俺達は条件に合わない」

「なるほど。相談の内容が分かりました。魔物使いはおらず、魔物を使役するスキルを持っていないけど、従魔登録をしたい! ……ということでしょうか?」

「一言一句その通りだな」

即座にこちらの意図を察知し、足らない部分を補足してくれた。

無茶苦茶なお願いだが、副ギルド長ならもしかしたら……と思ってきたんだが、どうだろうな。

「流石にそれは厳しいんですけど……。クリスさん達のお願いとなれば、従魔登録させて頂きます」

「本当か? ……大丈夫なのか?」

「多分ですが、大丈夫です! 今回従魔登録する魔物が、暴れたりしない限りは絶対にバレることはありません。ですが、もし仮に一般人に危害を加えてしまうと……大問題になりますので、その辺りだけは十分に気を付けてください」

「ああ、分かった。仮に問題を起こしたとしても、副ギルド長は巻き込まないから安心してくれ」

「それは無理だと思いますが……分かりました。とりあえず色々と記載していきますので、従魔の特徴を教えていってください」

俺はスノーの特徴を事細かに副ギルド長に教え、副ギルド長はその情報を打ち込んでいった。

それから手渡されたのは、冒険者カードと似た小さなカード。

「これは従魔カードと言って、従魔の証明書となります。街に入る時とかに見せて頂ければ、普通に通ることができると思います!」

「へー、そんなカードがあるのか。本当に助かった」

「いえいえ。とりあえず、クリスさんに魔物を使役するスキルがあるということになっていますので、そこは忘れないよう気をつけてください」

「ああ。忘れないように気を付けさせてもらう」

こうして副ギルド長の計らいで、スノーを従魔登録することができた。

これで鞄の中に隠れさせる必要もなくなった訳だけど、流石に街中とかでは鞄に入れておける内はこのまま行こうか。

ないとは思うけど万が一、一般人を襲ってしまったら取り返しが付かないからな。

心なしか嬉しそうにしているスノーの頭を撫でてから、俺達は自宅へと戻った。

二人と一匹で家へと帰り、少し休んだ後――俺は一人で『旅猫屋』へと来ていた。

店に直接来るのは、意外と久しぶりのような気がするな。

定期的にお願いしているジンピーのポーションも、シャンテルがスノーに会いたさ故に家まで運び届けてくれるから、最近は直接訪れることがなくなった。

ラルフはポーションを買うために、たまに訪れてるみたいだけどな。

店の扉を押し開けると、いつものように心地の良いベルが店内に鳴り響く。

【旅猫屋】店自体の雰囲気も良いし、ポーションの質も高い。

一見、なんで客が少ないのか不思議に思えるが……。

「あー、クリスさんだ!! お久しぶりです!! なんで全然顔を見せてくれないんですか!? 本当に寂しかったんですよー!」

おおよそシャンテルが原因だろう。

相手をするのは本当に疲れるからな。

今回訪れたのだって、何度か行こうと思っては面倒くさいから止めてを繰り返し、ようやく重い腰を上げた訳だし。

オックスターに他の錬金術師屋があれば、恐らく俺は常連になっていない。

「ポーションを家に届けてくれるからだろ。そのお陰で俺は店に行く理由がない」

「そ、そんなぁー! 私に会いに来るとか理由はいっぱいあるじゃないですか!!」

「別に会いたくない」

「……むむむ。だったら、私がポーションを届けなければいいんですね! そうすれば、クリスさんはお店に来てくれると!」

「なら、勝手に家には来るなよ。来ていいのはちゃんと許可を取ってから、俺達が家に居る時だけだ」

「そんなぁー!! それはあまりにも酷いですよ!! 私はスノーに会いたいんですもん!!」

「なら、家まで届けてくれ。それなら勝手に家に入ってもいいぞ。俺もその方が助かるしな」

なんとか理由をつけて説得した。

本当……シャンテルと話していると、すぐに話が脱線してしまう。

「うえーん。クリスさんのばか! あほ! いじわるー!!」

「そんなのはどうでもいいから本題だ。……ヴェノムパイソンの毒の方はどうなってる? 調べてくれたか?」

俺がわざわざ『旅猫屋』を訪れたのは、以前飲んでもステータスの上昇がなかった、ヴェノムパイソンの毒についての結果を聞くため。

瓶丸々二本も残っているし、なんとか活用できる方法がないかと思い、シャンテルに調べてもらうよう依頼しておいたのだ。

あまり期待はしていなかったのだが……。

ぴーぴーと嘘泣きをしていたシャンテルの顔が、悪い笑みのドヤ顔へと変わったのを見逃さなかった。

これは――もしかして、いい結果が出たのか?