軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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母さんが頭を傾げながら「ストレージっていうのはどんなスキルなの?」と聞いて来た。

これは所謂アイテムボックス的な物だった。

声に出して言えばストレージが現れるのかな?なんて思いながら「調理ストレージ!」と言ってみた。

おおお!スキルボードみたいなのが出て来た。

何々!?なんかいっぱい種類があるみたい・・・・。

『時間停止ストレージ』

『時間促進ストレージ』

『冷蔵ストレージ』

『冷凍ストレージ』

『マイクロウェーブストレージ』

『調理具ストレージ』

全部で6種類もあるよ!しかし、『マイクロウェーブストレージ』って、電子レンジなの?すご!

当然、この世界には電子レンジなんてない。

このストレージに入れれば解凍とか温め直しとかいろいろ出来るのかしら?だとしたらすごすぎる。

何かストレージに入れて確かめたいんだけど、生憎この部屋には何も食べ物がない。

しょうがない『調理具ストレージ』に何か入れてみよう。

さっき鑑定に使った藁でもちゃんとストックできた。

藁を調理機材の一つと認識しながら入れたからかもしれない。

でも、スコップも、食材である野菜やフルーツを育てる時に必要な道具と思いながら入れたら、収納できたのだ。

調理機材までストックできるなら、調理機材の材料まで保管できるんじゃないかな?

例えば鉄とか銅とか。

もしそうなら、それはすごい能力だと思うよ。

これは後でちゃんと確認しないと!

それを見ていた父さんが小躍りしながらこっちを見た。

「鑑定持ちもアイテムボックス持ちもいろんな仕事の口があるぞ」

「本当?」

「ああ、ギルドの買い取り係とか、商店でも引っ張りだこだし、もちろん貴族のお抱えになることもある」

「貴族のお抱えは嫌だなぁ」

私がこう言うと両親はお互いの目を見て頷いた。

母さんが優しく私の手を取った。

私の頭越しに母さんと父さんの視線が交差した。

私をポンタ村へこのまま連れて行くと説明するタイミングを確認したみたいだ。

村へ移動するなら早い内に出発しないと、宿のない所で野宿になる可能性がある。

ここは私から申し出た方が良いかもしれない。

「父さん。私、魔法スキルだったからポンタ村へ行くんだよね?」

「アウレリア!何でそれを!」

「昨日ね、鑑定の儀の事でドキドキして中々寝付けなかったの。それで・・・・父さんたちの話を聞いちゃったの」

「そうか・・・・」

「うん。心配しなくてもちゃんとあっちでいい子にしてるから。お休みを貰ったら父さんたちもポンタ村へ会いに来てくれるんでしょ?」

「それはそうだが・・・・」

「それに、伯爵様に魔法スキル持ちの子供が生まれたら、私もこっちに帰って来れるかもだしね」

「!・・・・お前・・・・。ただ、お前がサブスキルを4つも持っていると知られたら、危ないかもしれない。これから先、誰にもサブスキルがある事は言っちゃだめだぞ。できたら魔法スキル持ちって事も言わない方が良いかもしれん」

「はい、父さん」

「そうだな。アウレリア。今日はこのままポンタ村へ行ってもらう。これは」と言って、ポケットから手紙と小型のナイフを取り出した。「あっちの爺さん宛に書いた手紙だ。宿屋はもう兄さんの代になってるから、伯父さんにはこのナイフを見せてくれ。道中は、私と母さんの幼馴染が冒険者をやってるので、そいつたちの言う事を聞いてくれ」

「うん」

「レティシア、そろそろ冒険者のミルコたちが私に会いにここに来るはずだ。そいつらが来るまでアウレリアの旅支度を済ませておいてくれ」

「分かったわ」

父さんはミルコ達が館に来た時すぐに会える様に、納屋の近辺で作業をするため残った。

母さんに優しく背中を押され、私は3階までの階段をエッチラオッチラ登って部屋へ戻った。

私の最低限の荷物は既に鞄と背嚢の中に纏められていた。

背嚢は子供でも背負える様、小さいもので、重くならない様に服だけを入れてくれていた。

昨夜の夫婦の話し合いの後、母さんが用意してくれていたらしい。

だから荷造りはする必要がなく、自室で他人の目を気にせず親子のしばしの別れが出来る様に戻って来た形だ。

私に上着を着せ、小さな背嚢を背負わせると、私と同じ目線になる様に母さんは屈んだ。

「アウレリア、時々会いに行くわ。あなたは頭の良い子だから分かると思うけど、辛くても今はこうするしかないのよ」

「はい、母さん」

「あっちに行ったら、皆に好かれる様に頑張って大事にしてもらいなさい。お手伝いも率先してやるのよ」

「はい」

母さんの両目には涙が薄らと浮かんでいた。