軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「ゴォォォーーーール」

どわぁっとスタジアムが揺れた。

私の所有する王都チームが先制点を入れた。

ここは王都のスタジアムなので、観客は勿論王都の人が多い。つまり、対戦相手にとってはアウェイだ。

スタジアムは王都の外、湖があり、私たちが学生時代に『鳥人コンテスト』を行っていた平地の横だ。

湖は以前から民間のボート業者が営業しているし、夏には『鳥人コンテスト』を私たちの後輩たちが毎年開催しているので、その部分を潰す訳にはいかなったのだ。

妹のエイファもひよこクラブに所属していて、ちゃっかり全ての学園イベントの主宰側になっている。

なのに、卒園前の研修はひよこイベント商会ではなく、ウチの事業をとのこと。

何でかな~?と思っていたら、美味しい物が食べられる所が良いとのこと。食いしん坊めぇ。

今日は両親、エイファと私達夫婦でオーナー席からゆったりとサッカー観戦だ。

家族だけの心算だったけれど、エイファの友達のローマちゃんも一緒だ。

ローマちゃんは薄水色の、どっちかと言うと白に近い髪色を平民用のボンネットに抑え込み、キラキラした目の活発そうな娘だ。

「ねぇ、エイファ、エイファ。あの背番号20の選手、格好良くない?」

「うんうん。めっちゃ恰好良い」

「ここからだと顔は見えないけど、きっと顔も良いはず!」なんて、スポーツを楽しむよりも、異性に興味があるらしい。おませさん達だね。

でも、あの選手。奥さんいるよ?しかも顔はそんなに・・・・。

「おっ!あっ!惜しい!」

父さんはユーリと並んでキラーパスが得意の背番号2がけり出したパスを、敵チームにカットされ、一気に前線が下がる様を食い入る様に見入っている。

母さんはそんな皆を優しい笑顔で見守っている感じだ。

私?もちろん私はチームのオーナでもあるので、選手の動きや見栄え、お客様たちの様子や、スタジアムの作りで改造したら良い点なんてのを考えながら周りを見回していましたよ。

入場料は出来るだけ安くし、裕福でない平民でもちょっと何かを我慢すればサッカーを観に来れる様にしているし、スタジアムの外、湖側には『鳥人コンテスト』で使う大スクリーンがあるんだけれど、それを借り受け、そこにタイムラグはあるけれど、試合の映像を流す様にしている。

その映像が見れる所は柵で覆って、スタジアムより更に安い入場料を取ってたりする。

所謂パブリックビューイングの有料版だ。

これが安いので結構人気がある。

ゴールの決まった瞬間など、実際にスタジアムで見ているのとタイムラグがあるので、スタジアムでどっと歓声が上がると、Pビューイングの観衆は次に何が起こるのだろうと肩に力を入れワクワクしながら画面を注視している感じだ。

「アウレリア」

「なぁに?母さん」

「この黄色のユニフォームの方があなたのチームなのよね?」

「うん」

「なんか敵チームよりユニフォームが立派なのね。特に靴が」

「ああ、あれね。ファンからの募金が結構入って来てね。後、ウチのチームのグッズとかも売っているから、その収益が結構あるのよ。だから、ファンから見て分かりやすくユニフォームを上等なモノにしたの」

「相変わらずお前の発想はすごいなぁ~」と横からユーリが口を挟んだ。

ピッチの方を見ていたユーリがこっちを振り向いた事で、ローマちゃんは顔を赤くしている。

この子、分かりやすくイケメン好きだよね。

まぁ、ウチの旦那様、イケメンだからね~。おほほほ。

「グッズって、あの手ぬぐいのことかい?」とは父さん。

「うん。それもあるけれど、選手と同じユニフォームを着ているファンもちらほらいるでしょ?後、チームカラーのメガフォンとか団扇とかね。食器なんかもウチのチームのマーク入りの物を売っているのよ」

「へぇぇ。色々と売っているんだあぁ」

「うん。後、キャンディとかクッキーもウチのチームのマーク入りを売ってるけど、ものすごい売れ行きだよ」

「ふぉおおお」

結局試合はウチのチームが勝ったので、スタジアムのトイレは壊されなかったけれど、負けが続くと、お客様の中にはトイレを壊す奴もいるらしく、目下、その対応を考えなくてはならない。ユーリやダンヒルさん、ランビットたちと方法を模索中だ。

まぁ、今日は心配しなくても大丈夫そうだね。

『鳥人コンテスト』の時もそうだけど、コンテンツが終るとみんな一斉に王都へ戻るから、馬車がフル回転でお客を運ぶのだけれど、馬車待ちの時間もお金を持ってる人たちがゴロゴロいるのだから、儲け時だと言うランビットの意見を参考に、スタジアムの横に簡易の飲み物スタンドを出す様にしたんだよね。

これがまた、結構な売上げなんだ。

人手がいるのが一瞬だから、アルバイトなんかを雇っているのだれど、お酒も売っているので酔っ払いの対応を考えないとだねと、横目で飲み物スタンドを見ながら考えちゃった。

地べたに座って管を巻いている人もちらほらいるね。

そろそろ私たちの馬車が動かせる順番になったみたいだから、王都へ戻りましょうかね。

エイファもローマちゃんもレストランの3階にある自宅ではなく、ウチに来たいと言っているけれど、また今度ね。

だって女の子2人だと姦しいもん。

ウチへ来れないと分かって両ほっぺたをプクーと膨らませたエイファを母さんが宥めて、何とか無事、実家で降ろす事に成功したよ。

ちょっとホッとしちゃった。

まぁ、今夜は来れなかったけど、エイファは結構頻繁にウチに顔を出すから、今夜くらいは夫婦水入らずにさせてね。