軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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フェリーペとメグたんに、是非結婚式はウチのホテルでという営業をめいいっぱいさせてもらって美味しい食事も食べ終わり、闇王様とセシリオ様は短い滞在期間中にそれこそたくさんの人と会わなくてはいけないと帰り支度をし始めた。

この後すぐ、別の約束があるそうだ。

名残惜しいけど、今年の同窓会はこれで終わり。

しかし、闇王様もセシリオ様も本当に男っぷりを上げたねぇ。

アドリエンヌ様のためにも早く帰国して、ちゃっちゃと結婚しちゃってね。

だって悪い男の香がするんだもん。

同窓会も終わって、大公様がいらっしゃらなくなって、また私の気が抜けちゃうのかと父さんも、ダンヒルさんも、ランビットも心配していたみたいだけれど、何か毒気って言うの?闇王様とセシリオ様の毒気に当てられちゃって、変にヤル気が出て来ちゃったんだよね。

それに大公様が亡くなったと言う事で、大公様が所有されていた様々な物、特に鉄道を狙って来る貴族が多くて大変だとガルフィールドさんが言っていた。

駅舎やレールのある辺りの土地は全部大公様が王様に話をつけて、購入済だし、鉄道商会の領地扱いにしてもらっているのだ。

で、大公様の死後もこれらの土地、そしてその上に建てられている建造物等は鉄道商会の物であるという現王の一筆を大公様が事前に入手し、精鋭たちに渡してくれていたから事なきを得ているが、だからと言って寄って来る蠅が邪魔でないと言う事にはならない。

一番の迷惑をこうむっているのは矢面に立っているガルフィールドさんだと思う。

申し訳ない。

でも、私みたいな若い女の子が前面に出たら、舐められまくりで深みにはまりそうだもんね。

いやぁ、ガルフィールドさんが居てくれて良かったよ。

私は別段新しい事業を始めるでもなく、手堅く今ある事業を発展させる事に気持ちを注いで行く。

父さんが表に出る事が段々減って、私が前面に出始めた。

元々、ウチと取引のあった所は、私が真の所有者だと知っている人が殆どなので、会合などに私が出席しても驚かないが、新規の取引先の中にはそれを知らなくて私を若輩者とバカにする人もいたが、まぁ、あんまり失礼な態度なら切り捨てて、別の商会や工房と取引すれば良いだけの事。鷹揚に構えていられた。

最後の同窓会から1年半が経ち、私が15歳になる直前に事件は起こった。

クラッツオ家当主とその奥方が馬車の事故で亡くなったのだ。

こういう風に言うと何が大事件?と思うが、クラッツオ家が闇王様の御実家と言う事が問題なのだ。

つまり、亡くなったのは闇王様の御両親だ。

そしてその死に方も不審な点がてんこ盛りで、王都の貴族たちがゴシップとして大いに騒いだ。

何故なら、ご夫妻が乗られていた馬車の車軸は刃物で切れ目が入っていたのと、崖下から回収された馬車馬の遺体にも槍先で突かれた様な跡があったからだ。

誰かが意図的に事故を引き起こしたのではないか。

ならば誰がその事故を画策したのか・・・・。

闇王様のご両親は貴族には珍しく、恋愛結婚。

闇王母は元々ぐんと年上の老人といって良い侯爵に嫁がされていたが、彼女を慕っていた闇王父は自分は婚約すらせず、じっと彼女が自由になるのを待っていた。

そして年寄り侯爵はなかなか死ななかったが、闇王母が29歳の時、漸く死亡し、闇王父と結婚、すぐに闇王を出産したのだ。

噂ではその闇王母の最初の夫の親戚筋が怪しいのではないかと言われていたが、決定的な証拠もなく、捜査は一向に進んでいないらしい。

ご夫妻の子供は高齢出産のためか闇王様一人で、今は留学中である。

闇王父の弟が臨時としてクラッツオ侯爵家を預かり、運営し、闇王様の帰国を待っているとのこと。

しかし、なかなか闇王様が戻って来ない。

それはそうだ。

海外だから遠いのだ。

知らせが行くまで日数が掛かるし、知らせを受けた闇王様が戻って来るのにも時間が掛かる。

闇王父の弟はジェラルド様と言って、闇王様と同じ年と、2歳下の息子2人が居る。

ジェラルド様ってあまり良い噂を聞かないと聞いた事がある。

これは会員制クラブで対応している給仕から小耳に挟んだ話だ。

ご両親が身罷られたので気持ち的に大丈夫だろうかという心配と、あまり当主の席を不在で空けない方が良いとヤキモキしていた所に、漸く闇王様が戻って来られたという情報が入って来た。

私は実際には闇王様にお会いしていないので、これまた会員制クラブの給仕からの報告で知ったのだ。

ただ、今回何かおかしいらしい。

何がおかしいのか判明しないまま、闇王様の顔を見る事もなく、私は仕事を続けて居た。

そんなある日の事、「お嬢様、カサノッサ家のご令嬢が面会を求めていらっしゃいます」とダンヒルさんに言われた。

カサノッサ家と言えばアドリエンヌ様だ。

どうしたのだろう?

「ええ、時間は合わせますので、先方の都合の良い日で決めて下さい」と指示を出すと、その日の午後にとの話になった。

貴族との約束で、すぐにと言うのは異例なのは私でも分かる。

その為の先触れだし、何事も根回し無しには話は進まないのだが、アドリエンヌ様は急いでいらっしゃる様だった。