軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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アドリエンヌ様からお返事が来た。

と言うか、アドリエンヌ様のお父様からヘルマン様へ手紙が届き、ヘルマン様からフェリーペの手に。

そしてフェリーペから私の所へ・・・・。

同窓会についてのお手紙は私が出したのにね。

う~ん、どうして返事がダイレクトに戻って来なかったのか・・・・。

まぁ、予想は付くけどねぇ。それにしてもぉ・・・・。

色んな人の目に入ったであろうカサノッサ家からのお返事には、留学組が帰国してからもう一度お誘い下さいとのことを、慇懃な表現で書いてあった。

う~ん、やっぱりダメだったかぁ。

後は勇者様からのお返事だよね。

それによって集まるメンバーと場所が決まる。

或いは今年は同窓会無しという可能性さえあるんだよね・・・・。

「トントン」

私専用の事務所のドアがノックされた。

「どうぞ」

ドアを開けて入って来たのは、ランビットだった。

「リアお嬢様」

「どうしたの?もしかしてアドリエンヌ様の家から同窓会についての返事があったからそれを聞きに?」

「えっ?返事来たんだぁ。どうだった?」

私は頭を横に振った。

「そうかぁ・・・・やっぱりダメだったか」

どうやらランビットもアドリエンヌ様は参加させてもらえないと思っていた様だ。

しょうがないよね。

これはもう闇王様たちが一時帰国で良いから王都に戻って来た時に全員集合するしかないね。

私はそのまま、調味料工業団地へ鉄道で移動した。

夜は社員寮に泊まり、翌朝、ワイン蔵へ赴いた。

「ここからここくらいまでの樽をおねげぇしやす」

ワイン蔵長から頼まれた。

以前にも私がスキルを使って熟成させたので、私の魔法の事を薄っすら知っていて、もう受け入れているみたい。

実は魔法ではなくてストレージのスキルなんだけれどね。

私は他の作業員に見とがめられない様に、夜中にこの作業をすることにしている。

「お嬢様、こちらへどうぞ」

ダンヒルさんがランプ片手に誘導して万が一誰かが蔵に来ても私の姿が目に入らない様にしてくれる。

ワイン蔵は小さ目の樽なのでおどろおどろしい雰囲気ではないのだが、醤油蔵や味噌蔵は樽も大きいので夜中にランプの光だけで蔵に入ると、結構不気味なのだ。

影が多いと言うかね。

私は樽毎に料理鑑定を掛けて行く。

『調味料工業団地 ワイン蔵で本年度仕込まれたワイン

熟成前。

糖度などが適したブドウが使われており、後5年半寝かせると口当たり良いワインになる』

そのままその樽をストレージに入れ、5年半時計の針を進めるイメージを浮かべる。

そして『チン』と言う、電子レンジの音に似た効果音が聞こえると、ストレージから件のワイン樽を元あった所に取り出す。

もう一度料理鑑定をする。

『調味料工業団地 ワイン蔵で本年度仕込まれたワイン

熟成済。

時間促進ストレージによって完璧な味になっている。色は深みのあるワインレッド。味の濃いチーズに良く合う』

この作業を指定された樽全てで繰り返す。

そして明日はラム酒蔵で同じ様な作業、その次の晩はウィスキー蔵。

酒類の蔵はぐるっと漏れなく全部夜に回って同じ工程を熟す予定だ。

ワイン蔵での熟成工程が終り、翌日夜、ラム酒蔵にもダンヒルさんは同行してくれる。

そしてもちろん、ダンヒルさんが試飲を楽しんでいる・・・・。

夜中の酒蔵で、ちびちびアルコール度数の高い酒を嬉しそうに飲んでいる。

すぐに顔は真っ赤になるのに、飲む量は半端なく、それなのに歩く時はシャンとしてるんだよね。

真面目なイメージなので、そんなにお酒を飲むとは思わなかったよ。

「これはㇰーっと来ますが、奥深い味ですね。少量ですぐに酔っ払いそうです。これをベースに色んなカクテルが出来るんですよね?」

ダンヒルさんは良くカクテルの話をする。

カジノに次いでカクテルはウチの稼ぎ頭でもある。

カクテルだとカジノに比べ単価が低いので目立たないのだけれど、飲食代の中では利益率がめっちゃ良いのだ。

まぁ、それも殆どのお酒を私のスキルで造っているからこそ、原材料に係る費用が抑えられているからとも言えるんだけれどね。

面白いのはダンヒルさんは経営としてカクテルの話を良くするのだけれど、自分が飲むのはロックとかストレートが多いのだ。

甘い酒よりも辛口が好きらしい。

ノエミは成人しているから2人で飲んだり夜デートはしないのかなぁ?

ダンヒルさんがちびちびお酒の味見をしているのを見て思ってしまった。

ノエミはいつも仕事に一生懸命で、よく私の事務所に顔を出し、私が不在中に疑問に思った事などをせっせとメモしている手帳を持ち歩いておりそれを見ながら質問してくる。

私が忙しそうだったらダンヒルさんに色々聞いているみたいだ。

時々2人でランチしているのを見掛ける。

まぁ、それを言ってしまえば、ノエミはランビットともランチしていたりするんだけれど、ダンヒルさんの時と違いがあるんだよねぇ。

ダンヒルさんと一緒の時は社員食堂、ランビットの時は誰もいない場所。

資材置き場とかね。

この違いはどっから来るんだろうねぇ。

私から見たら年齢的にランビットはノエミの弟にしか見えず、恋とはちょっと結びつかない。

でも、毎回ノエミの手作りっぽいお弁当を食べているんだよね。2人だけでね。

翻ってダンヒルさんの時は普通に社員食堂なので、特別感が低い。

やっぱりノエミはランビットの事を好きなんだろうか?

ちびちび飲んでるダンヒルさんを見ながら、ちょっとかわいそうになって来た。

ダンヒルさんも早くノエミの手作り弁当を一緒に食べる仲になるといいね。