作品タイトル不明
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「それではそのチップと言うのは金貨や銅貨の様なお金と同じと言う事なのですね」
「そうなんです、ダンテスさん。ただ使える範囲がカジノの中というだけで、まずカジノでチップを得るには金貨や銅貨などの通貨で決められたレートに従い3種類のチップと交換できます。で、カジノで遊んだ後にチップは現金と交換しなければ、カジノの外では使えません」
「ふむふむ。で、アウレリアさんは、そのチップを偽造されるのはお金の偽造と同じなので、ホテルの損失になると言う事ですね」
「そうなんです。このチップに交換すると言う事で、カジノは現金を取りっぱぐれがないんです。現金のみ交換可なので、中でゲームを楽しみたい人は必ず現金をチップと交換。ちょっと借金させて下さいというのは出来ないと言う仕組みです」
本当は現金をチップに交換する事で、大金を賭けて遊んでいるという感覚を鈍らすって言う意味もあるらしいんだけどね、でも、私としては手持ちの現金だけで遊んでねと言う意味合いの方が強い。
賭け事に夢中になりすぎて家を傾ける事が無い様に。
「そうですね・・・・現状、金貨等も贋通貨が結構出回っていますが誰も気にしていない状態で、あまりに怪しい物は取引しませんと断れば良いだけなので・・・・偽造防止ですかぁ・・・・」
ダンテスさんも大いに悩んでいるみたいなので、昨日の夜、あれから私の小さな灰色の脳みそを駆使して考え出した案が使えるかどうか確認させてもらう事にした。
「一つ目は、一目見て分かる他では真似できないほど色鮮やかな新しい素材で作る事。もう一つは中に鉄を入れて磁石の門を潜ってもらう事でチップの持ち出しを避けたり、チップから現金に交換する際、ちゃんと中に鉄が入っている本物かどうかを確認できる様にしてみたらどうかなって思ったんです。最後にチップ毎に通し番号を入れるのもありかもしれません」
「新しい素材とはどんな素材ですか?」
「私のスキルでしか呼び出せない素材を使おうかと・・・・」
「なるほど・・・・」
「これをちょっと見て下さい」と、私は今朝スキルで作り出したプラスチック製のボウルを取り出した。
作りに作ったり、赤、黄色、青、緑の4つのボウルだ。
「これは初めて見る素材ですね。軽いです」
「それに丈夫なんですよ。落としても踏みつけても割れません。どれか一つを試しに床に落として見て下さい」
人の良いダンテスさんは言われるままに黄色のボウルを床に落とした。
「!!傷らしい傷も付いていませんよ!!」と目を普段の3倍くらいにおっぴろげ本気で驚いている様子。
「叩きつければ割れる事もありますが、落としただけでは割れません。この素材だと、ここまでカラフルな色になります。今考えているのは、これをスキルで呼び出して、錬金術の装置に素材として入れ、他の物と併せて、チップに作り替える事ができるかどうかなんです」
「う~ん。それは錬金術工房に聞いてみないと何とも言えませんね。アウレリア様は学園で錬金術クラブに所属されていらっしゃいますが、この様に既に製品となった物を素材として加工した事はないのですか?」
「私が覚えている限りは無いのですが、ドールハウスの様に細かな部品を作って部品同士を繋げるということは出来ました」
「そうですか・・・・。なら、このボウルでしたっけ?細かく削って素材として使ってみるのも可能かもしれませんね」
削る!
そうか、ボウルのままで使わずに割ればいいのかぁ。
「では、スイカズラ工房にいる友達に、ボウルのまんまとボウルを破片状にしたのとで試してもらう様にしてみます」
「いいですね。この明るい色の新しい素材は恐らく誰も再現する事はできないでしょうから、通し番号はいらないかもしれませんね」
これは大公様の館から帰る時に、スイカズラ工房へ忘れずに寄らないとだね。
後もう一つ、昨夜頭を悩ませていたロジスティックについても相談しちゃおう。
明後日から1枚大ガラスを作って回るツアーが始まるので、その時確認してもいいんだけれど、前以て相談しておく方が何かと良いよね。
と言う事で、ダンテスさんにロジスティックについて聞いてみた。
やはり、馬車が一般的で、一部船という事だった。
しかし船は季節によってはハリケーンが来たりするので使えない時期もあるそうだ。
となると馬車なんだけど、よっぽど急ぎでない場合は、雨期は晴れの日が続かないと長距離は運搬しないとのこと。
う~~ん。
私が唸っていると、何か良い案があるのか?と反対に聞かれてしまった。
「実現は難しいとは思うんですけど、鉄道って言う手段を考えてみました」と、絵にした鉄道を見せた。
私が考えたわけではないけど、前世云々については話した事がないので、自分が思い付いた様な言い方になってしまう。
「ほう、このレールという物を平らにした土地に敷設して、その上を客車や貨物車を走らせると。レールにちゃんと嵌る車輪を使えば、比較的少ない労力で車を引けるんですね」
「そうなんです。馬で引いても良いですし、安価ならば魔石を使っても良いし、そうでなければ水とそれを熱する燃料を積んで操縦席で燃やせば動かせます」
「水を熱すると車を動かせると言うのは初耳ですね」
「はい。そういうやり方は今まで無かったかもしれませんが、出来るとは思います。ただ実際には(私は)やった事がないので、実験は必要になります」
「鉄道そのものは鉄で作って良いのですね?」
「はい。ただ線路の上に何かが落ちていたりすると脱線事故と言って車輪がレールから外れてしまい、最悪客車や貨物車が横転してしまい、人命に関る大事故になる可能性もあります」
「それはすごいスピードを出していなければ、物がある時は汽車を停めて障害物を取り除けば良いのではありませんか?」
ダンテスさんにそう言われてみると、令和の日本を考えていたので凄いスピードの電車を想像していた事に気が付いた。
馬に引かせればそこまでのスピードは出ないので、ブレーキさえちゃんとしていて、線路の上を大分手前からチェックできていれば問題は無いね。
「そうですね」と返事をした所で、「これは大公様の精鋭案件ですね」とダンテスさんは悪い笑みを浮かべていた。