軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「そのインタビュー、ウチのクラブのメンバーに担当させてもらう事って出来ませんか?」

ペペ君が相変わらず瞳をキラキラさせながら聞いて来た。

「ん?」

「来年はイベントの運営にみなさんはノータッチになります。どのイベントもそうですが、アナウンスの質がイベントの成功を左右する部分が大きいと思うんです。来年、アウレリア先輩に代わってアナウンスを担当できる者を育てるという意味も込めて、インタビューを担当させて欲しいんです。もちろん、アウレリア先輩を始め、みなさんからの指導が必要なのでどしどし教えて欲しいです」

「お前の言う事は分かった。アウレリア、それで良いか?」

「はい」

「それで他にアイデアはないのか?」

闇王様の無茶振りはまだ続いていて、シレっとこっちを見た。

「今のところはこれで全部ですかね?あ、もちろん解説は必要です。特に土魔法と風魔法の先生にお願いできればと思っています。今回、候補となっている障害物の多くは、この二つの属性魔法でクリアする方法が一般的に思えるので、解説があった方が良いかなと思います」

「分かった。アウレリアの意見に対して何か反対があったり、質問があったりするか?反対意見も大歓迎だぞ」

私の頭の中にはアナウンスと解説者達が2つのレーンの競争の進捗状況を見守りながら解説を促している画像が浮かんでいたのだが、そこでハッとしてしまった。

2つのレーンを見ながら・・・・それは最初の障害物から最後の障害物まで、そして2つのレーンを同時に見渡せる席に座っていなければMCも解説も出来ないと気付いたのだ。

「あのぉ、もう一つ・・・・」

「何だ?アウレリア」

「はい、アナウンスと解説の人が座る席なんですが・・・・」

「ん?」

私は自分の頭の中に、どこにどの高さでというイメージが固まらないまま、ある程度の高さのある席が必要な事と、複数の解説者やアナウンサーが座ってもビクともしない安全で安定した席、そして2レーンを最初から最後まで問題無く見渡せる場所の確保が必要な事を説明した。

「そうだね。解説するにしても、アナウンスするとしても、全部が見渡せなければ出来ないですね」

普段、色んなイベントで解説やらMCの補助をしてくれているセシリオ様は、私が何に危惧を抱いているのかすぐに分かってくれた。

「よし、まず障害物のレーンの設置を中心に、観客の席をどの様に設けるかを話し合おう。その後で、解説者たちの席をどこにするか話し合おう。もちろん、客席よりも解説席の方が優先だが、これはオレの考えだが、まず人数が多いと思われる観客から当りを付けを考えた方が良いだろう」

観客席は2つ並べられた縦長のレーンの両脇になりそうだ。

椅子を用意するか、立ったまま見てもらうかで議論が白熱したが、怪我を避ける意味でも階段式に組まれた簡易的な観客席を建ててもらう事にした。

それに係る費用は、昨年の鳥人コンテストで得られた利益から出してもらう様に学園側にお願いしようと言う事になった。

つまりは学園に出してもらうと言う事だ。

「安全性の事もあるので、観客席の工事も学園側にしてもらうのが一番だと思います」

ランビットが言う通り、お金も学園側から出してもらえるなら、工事の責任も学園側に持ってもらえれば万々歳だ。

「よし、分かった。学園側とはオレが折衝してみる。で、アナウンス席はどの辺がいいか?」

結局、レーンの大型時計側とは反対側、つまりスタート側に解説席を設けてもらう事にした。

もちろん、この大型時計は錬金術クラブで私たちが作るけど、それを皆に見える様に櫓を組むのは学園側に工事を発注、監修してもらい、費用の支払いも学園側だ。

そして大型時計2つの真上に大型スクリーンも設置してもらう。

原資は鳥人コンテストだ。

そこまで話が進むと、今度はひよこクラブの魔法障害物競争における仕事の振り分けにテーマが変わって行った。

最終的にはインタビューをひよこクラブのメンバーでさせてもらえるということで、ペペ君はとても張り切っており、会議中も何かにつけて私にインタビューのコツなど色々質問してくる。

皆、ペペ君の行動を生暖かく見守りながら、今一度、障害物レーンの設計に話題が戻った。

さっき言った分類をして、クリア想定時間の見当を付け、とうとう設計が決まった。

落とし穴通路⇒平均台通路⇒水地獄⇒衝立⇒水路⇒振り子地獄

落とし穴は土魔法が使えれば一瞬で土を埋め戻す事ができ、走り抜けるだけなら1分かからないだろう。

風魔法で脇に積まれた土を穴の中に入れれば、土魔法よりは時間が掛かるが、1分くらいで埋まるはずだ。

平均台通路、これは1マートル半よりやや低い位置に細い通路を設置と言う事で、私が前世と照らし合わせて平均台と命名させてもらった。

地球の単語だけど、魔法なしで渡るにはバランスが重要になるので、みんな納得してくれた。

魔法無しなら2分くらい掛かるけど、土魔法で踏み場を広げれば1分かからないはず。

水地獄は濡れる事を厭わなければ1分くらいで通れるはず。

無理に魔法を使わない方が早く走り抜ける事ができそうだ。

衝立は魔法で燃やしたり切り裂いたりしたら直ぐだ。

水路は泳げば時間が掛かるけど、水魔法で水そのものを移動させれば一瞬だ。

振り子地獄は障壁を作るのも一瞬だから、全部合わせて5~6分でクリア予定だ。

ただ、全てのチームが必要な属性魔法のスキルを持っているとは限らないし、スキルを持っていても熟練度によって魔法の発動に掛かる時間や、魔法の強度は違ってくるので、伸びる時はとことん時間が掛かるチームが出てくる可能性もある。

スタートからゴールまで15分以上かかる様であれば、問答無用で失格とする事も、この時に決まった。

「いやぁ、新しいイベントを考えるって楽しいけど難しいですね。競技を準備する側、参加する側、そして見る側の視点になって考えないと、本当の意味で面白く安全なイベントって出来ないんですね」とベレンちゃんも目をキラキラさせている。

ペペ君は妙にテンションが上がっていて、手の指をワキワキさせている。

う~ん、彼は本当にイベントが好きなんだね。

卒園したら、ウチのホテルで催し物を立ち上げる企画部で働いて欲しいなぁ~。