軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

あれってゴスロリって言うの?

「うんまぁーーー!何あれ?」

朝、夏休み前の教室で授業前のひと時を、友達のナナとおしゃべりして楽しんでいたところ、同じクラスの女子、メグとアウレリアが入って来た。

男子生徒もザワザワしてる。

「おおおおおおおおお!なんかすげぇ」

クラスで一番イケメンのフェリーペがアウレリアの所へ走って行った。

イケメンが好きなので、入園早々私はこの男子が気になった。

でも、最初っからフェリーペはアウレリアって子の事しか目に入ってないみたいで、彼女の傍から離れない。

教室での勉強も机を一緒に並べているし、寮での食事だって、教室棟の学食でだって毎日一緒に食べている。

クラブだって錬金術クラブで一緒だった上に、アウレリアがメグとあややクラブに入った時は、態々自分からアウレリア達に頼んでそっちのクラブまで一緒になっている。

流石にフェリーペにこっちを向いてもらう事はもう諦めている。

誰がどう見たってフェリーペはアウレリアの事を好きだと思うから。

私の本当の夢は、フェリーペみたいな平民じゃなくって貴族の妻になる事だから、私とナナは貴族の子弟が多いダンスクラブに入った。

まだ全然どの貴族の子にも声を掛けられた事はないけど、第三、いえ第四夫人くらいでもいいので、貴族の妻になる為には、平民に係ずり合う暇なんてないのよ。

だから、もうフェリーペの事は良いんだけど、あややクラブにだけは入れて欲しい。

だって全校生徒から憧れと嫉妬の眼差しを浴びるなんて素敵じゃない?

それにしても、普段はこの3人にフェリーペの幼馴染のボブが加わった4人で登校して来るのに、何故か今日は男女でバラバラに登校したらしい。

「ふふふふ」

メグがちょっと恥ずかしがりながらも、誇らしそうに小声で笑った。

「これ、この前からお前らが作ってたヤツだよなぁ?」

「うん」

「マジですげぇわぁ。可愛い」

アウレリアも顔を真っ赤にしながらも、嬉しそうだ。

メグとアウレリア、二人の頭の上にはピンクや白、水色の造花やレース、リボンや刺繍で飾られたボンネット、そして白い服には、同色の造花やリボンが効果的に配置されていた。

いつもの頭をすっぽりと覆う飾りの全くないボンネットとはエライ違いだ。

スカートも薄い生地やレースを重ねてボリュームがある。

むむむむ。

あれはきっと異母姉たちがやっている手芸部に発注した物が混ざっているんじゃないかしら。

だってこの前あの二人が義母姉に仕事を頼んだってナナが教えてくれたからね。

義母姉は家の恥だわ。

いえ、 ア(・) レ(・) は姉なんかじゃないわ。路傍の石よ!

学園に入園させたくなかったのに、父さまがアレを産んだあの卑しい女との約束だからって母様や私の意見を無視して入園させたのよね。

しかも、姉は事もあろうに学園で収入のための部活と公言して手芸部を立ち上げてる。絶対許さない!

家があの母娘をちゃんと養ってないみたいじゃないの。

本当に邪魔なんだから、どっかに引っ込んでいて欲しいものだわ。

今日メグとアウレリアが着ている服は、貴族が着ていてもおかしくない出来。

そこら辺の低位の貴族ではなく、本当の意味での高位貴族がいるあややクラブの貴族との繋がりのお陰なのかしらねぇ。

あややクラブには私とナナも入れてって何度頼んでも、入れてもらえないのも腹が立つのよね。

いや、今は男子や貴族の話しじゃなくて、服装の話よ。

何よ、あれ。

花とか恥ずかし気もなく付けちゃって、お貴族様のつもりかしら?

あ、あのレースの造花、絹毛糸で出来てるんじゃ?

「ねぇ、あの色は何度も染色しないと出せないピンクやブルーじゃないの!?」

ナナに言われなくても、私もアレの素材が高価な物だって一目で分かったわ。

く、悔しぃぃぃ!!

ふと横を見ると、いつも一緒にいる幼馴染のナナが悔しそうな顔でアウレリア達の方を見ている。

私も、ナナと同じ様な表情をしている自覚はある。

でも、あれだけの豪華な造花やリボン、レースは父さまに言っても取り寄せてもらえないかもしれない。

う~ん、何とか私も同じ様な服が欲しいわ。

あ、乱暴者のタルボットまで二人を見て顔を赤らめている!

これは何が何でも父さまにお洋服を作ってもらわねば!

「え?あなたもゴスロリの服が欲しいの?」

普段声すら掛けない私が態々姉の教室まで行った事に驚いた様な顔でこちらを見上げて来た。

あの服はゴスロリって言うんだ・・・・。

むむむ、そのゴスロリってアウレリアが名づけたの?

という事は、あのデザインはアウレリアたちのオリジナルってこと!?

なんか悔しい・・・・。

素材は違っても良いから同じ様な服を作る様に命令したけど、「ごめんなさい。あれは上等な素材で作らないと花が萎れた感じにしか仕上がらないので素材は持ち込みでお願いしているの。それと、他の貴族のご令嬢から既にゴスロリの服の発注を何点か請けてて、今からだと納期が私の卒園後になっちゃうのよ」と断られてしまった。

この女の卒園後って1年先じゃん!

相手が平民ならば無理を押し通せるけど、貴族ならばこちらが引かねばならない。

むきーーーーー!!!

頭に来た私は、義母姉の頬っぺたを思いっきり叩いて教室を出、寮のハウスボーイに頼んで父さまに洋服のデザイン画を渡してもらい、園外で服を仕立ててもらった。

漸く届いた新しい服は生成り一色で、私が態々自らの手でデザイン画を描いて送ったのに、造花の大きさが直径25シンチで、サマーヤーンではなく服と同じ生地で出来ていた。

ボンネットのてっぺんに1輪のでっかい造花・・・・。

私を見てアウレリアが目を真ん丸にして「花ピ〇ミン」なんて意味の無い事を呟いて笑いを一生懸命押さえ、それを隠そうとしてるのがめっちゃ腹立つ!

しかもあの子たちは新たに軍服ロリータ服なるものを着ていて、再び男子たちの目は新しいファッションの2人に釘付けだ。

むきーーーーー!!!