軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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ポンタ村へ来て四日目。今日は日曜日だ。地球と同じで週は7日で曜日の並びも同じだ。

ちなみに時間も重さや長さの基準も同じで違和感が無い。

もちろん日本語ではなく、オルダル語で発音・表記される。

例えば、『時間』は『オール』と発音されるが、1日は24時間だし、1時間は60分だという事だ。

平民の子は週に一日、日曜に学校へ行く。

鑑定の儀を受ける5歳から8歳までの3年間通うのが普通だ。

ポンタ村にも教会があり、教会が学校の役目も担っている。

カテキズムと呼ばれる宗教を広めるための授業の後、読み書きを教えるのだ。

父さんの時代までは、子供は労働力の一端という事で、勉強できるのは裕福な家の子供だけだった。

その数は少なかったので、学校ではなく家庭教師を雇うのが普通だった。

そんな所は地球の歴史と一緒だね。

しかし、近年教会は、読み書きそろばんを知らなければ平民が損をするというプロパガンダを広めている。

実の所、親たちは子供の将来に夢を見ているのではなく、目的は学校で出される給食だったりするのでプロパガンダが効いているかというとちょっと違う気がする。

教会は、各戸の食費軽減を餌に生徒を集めているのだ。

太っ腹な事に授業は無料なんだよね。

では、教会が平民に無料で教育を施す利はどこにあるのか?

それは恐らくカテキズムを通して、宗教の重要性を幼い頃から植え付けられる所なんだと思う。

敬虔な信者が増えればお布施も多くなり、教会としてはウハウハだよね。

ちなみにオルダル国には奴隷制度があり、奴隷には学校へ通う権利がない。

お貴族様は、王都や国内の三大都市にある寄宿舎のある学園か、自宅で家庭教師に教わるのが普通だ。

家庭教師を除けば王都と三大都市の学園でしか魔法について教えてはいないことになる。

優秀で魔法スキルを持っている平民の中には、これらの学園の高等部から勉強するケースも稀にだが、あるにはある。

私たちの通う教会が運営している学校は、貴族のいない村ということもあり平民のみの学校となる。

まぁ、領主が住んでいたとしても、その子供は王都あたりの学園へ入れられるだろうから一緒に勉強する機会はないと思うよ。

もちろん、従兄のランディも学校へ通っている。

今日は、私の初登校なので、一緒に行けると嬉しそうだ。

「アウレリア、俺が一緒に行くから村の子供たちもちゃんと紹介してやるよ。心配しなくていいぞ」と私の手を引いてくれる。

小さな村なので迷う事はないのだが、一人っ子のランディは私を妹に見立ててお兄さんらしく甲斐甲斐しく面倒を見てくれ、学校までの短い道のりを二人で歩く。

うん、いい子だねぇ、ランディ。

宿屋ではそれぞれの仕事の分担が違うので、一緒に作業することが少ないから今までゆっくり話した事もないんだよね。

だからかなのか、ランディはようやく仲良くできると張り切ってるみたいで、移動中もいろんな質問をしてくる。

私もこれからお世話になる家の息子さんだし、従兄でもあるしで、是非仲良くなっておきたい。

何よりとても優しいから、そんなシガラミがなくても仲良くしたい男の子だ。

「王都ってどんな感じ?」

「ギジェルモ叔父さんやレティシア叔母さんは元気?」

「王都では学校へ通ってた?」

「貴族様って怖いの?」等、質問は多岐に渡ったけど、できるだけ全部答えておいた。

「お前の調理スキルってすごいなぁ。俺のは経営スキルって言うんだ」

え?経営スキルってすごいんじゃないの?

しかもランディは土地建物付きの宿屋の跡取りだよ。

ぴったりのスキルじゃん。

そう思ったので素直にランディにそう言うと、盛大に照れて顔を真っ赤にしていた。

「父さんも経営スキルなんだぞ」と父親と一緒なのが嬉しい様子。

教会は宿屋と食堂がズラッと並んでいる街道を挟んで『熊のまどろみ亭』とは反対側にあり、一本奥の道にある広場に併設されていた。

日曜と言えど人通りや馬車などが行きかう中、ウチの宿屋の前を横切って教会へ向かう。

礼拝堂の横にある小さな小屋が学校だ。

移動距離が短いので、ランディとの会話もアッと言う間に終わり、学校の戸口に立った。

「パルマン先生、おはようございます」

ランディが入口で挨拶すると、教壇前で子供たちに囲まれていた20代半ばに見える神父様がこちらまで来てくれた。

「彼女がランディの従妹なのかい?」

神父様の問にただ頷くだけで済ますランディの横で、ちゃんと自己紹介をした。最初が肝心だものね。

「はい。従妹のアウレリアと言います。どうぞよろしくお願いします」

「おお!5歳なのにしっかりしてるね。今までは王都の学校へ行っていたのかい?」

「いいえ。でも、読み書き計算は主家の執事から習いました」

「ほう!では、授業が始まったら書き取りと計算のチェックをしてもいいかい?」

「はい」

そうこうしている内に時間が来たらしく、神父様もといパルマン先生は教室の前方に吊るしてある小さな鐘を鳴らした。

これが始業ベルの代わりらしく、生徒がみんな席に着いた。

「リアはこっちだよ」とランディが隣の席を勧めてくれた。

あれ?ランディがいつの間にか勝手に私の愛称を作っちゃったみたい。まぁ、いいか。