軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

16

包丁は無いのかしら?ピーラーは?

そう思って伯父さんや爺さんの手元を見ると、二人ともナイフしか持っていない。

この世界では包丁はないんだと思いながら空の桶を持って、じゃがいもの箱を抱えて裏庭に出る伯父について行った。

「お前はまだ小さいから、自分で井戸から水を汲むのは難しいだろう。こっちの桶に水を汲んどいてやる。野菜はまず洗ってそれからこうやって皮を剥くんだ。じゃがいもは、もし芽があったり緑色の所があったら、このくらい大げさに取り除いてくれ」そう言って、井戸の横にじゃがいもの箱を置いて調理場へ戻って行った。

「うんしょ」

私は空の木箱を逆さまにしてその上に座り、まずはジャガイモを藁タワシで洗いはじめた。

洗ったじゃがいもとそうでないじゃがいもを一緒にしたくないので、もう一度調理場へ戻り空箱をもう一つ持って来た。

伯父さんが汲んでくれてたたっぷりの水を柄杓で掬い、空箱を簡単に洗って、そこへ洗ったじゃがいもを入れた。

半分の量のじゃがいもを洗ったら、今度は皮剥きだ。

前世でも前々世でもじゃがいもの皮は幾度となく剥いて来た。

慣れないナイフでもシュルシュルと剥けるのだが、そのスピードが尋常じゃあない。とっても速いのだ。しかも皮が本当に薄く剥けていて、我ながら子供の手なのにこんなに器用にナイフを扱えるなんてって思いながら作業をしていたら、アッと言うまにじゃがいもが箱に半分になった。

私のスキルは『料理魔法』のはずだけど、『調理スキル』みたいなものも含んでるのだろうか?

いやにサクサク作業が進む。

「伯父さん、じゃがいも半分は終わりました。次はニンジンでいいですか?」と調理場に居た伯父さんに言うと「もう終わったのか?はぁ、早いな。さすがスキル持ちだな」と、ニンジンの箱を井戸の所に運んでくれ、じゃがいもを洗ってにごった桶の水を入れ替えてくれた。

そして、剥き終わった方のジャガイモの箱を持って調理場へ戻って行った。

あっ、そうか。処理済みのじゃがいもの箱は持って行っちゃうから、もう一つニンジン用の空き箱が必要だったんだ。もう一度調理場へ行き、新しい空き箱を持って来て水で洗った。

数本の皮を剥き終わった時、これってピーラーがあればもっと早いのでは?と思い、私の持ってるスキルの『調理具製作』というので作れないかなぁと思ったが、どうやって作るのかが分からないので、取り敢えず今は皮剥きを優先しなくては。

そんな事を思いながらナイフを使っての手作業に戻った。

ニンジンも問題無くスイスイと皮剥きが終り、伯父さんにニンジンの箱を調理場へ、井戸へは玉ねぎの箱を運んでもらった。

今度はちゃんと空箱を持ってついて行ったよ!

ただ、玉ねぎはじゃがいもやニンジンと同じ様にスイスイと作業は出来なかった。

理由は涙だ。

外で処理してるから玉ねぎの揮発成分は霧散されると思うのだが、この世界の玉ねぎは前世と違って品種改良などされていないのか揮発成分が大量に含まれているらしい。

切る度に水に漬けながらでないと、まだ5歳の敏感なこの肉体ではずっと涙が出てしまうのだ。

調理場から小さ目の桶を持って来て、そこへ水を汲んで玉ねぎを晒してから切っている。

しかし、自分では井戸から水を汲む事ができないので、伯父さんが汲んでくれていた水を上手くやりくりしなくちゃいけないので大変だ。

明日からは伯父さんが水を汲んでくれる時に、こっちの小さな桶にも汲んでもらえる様に頼まないとね。

昼食の調理がはじまる前までには余裕を持って全ての野菜の下拵えを済ませる事ができたのは料理魔法と関係があるのかもしれない。

これなら何とか私でもお手伝いできそうだ。

追い出されずに済むかな?

よし!明日も頑張ろう!!