軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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あややクラブの面々との練習試合はチームを組み終わったクラスから開始した。

流石最高学年、4年生のクラスは全部、決起集会の後すぐさまチームを組み終わっていた。

中には1クラスで2チームなんていうのもある。

本来なら男子チームと女子チームを分けた方がいいかなとも思ったのだけれど、5歳から12歳くらいまでの子供なら男女でそこまで体力差がないかもしれないと、性別では分けない事にした。

あややクラブも、男女混合チームだもんね。

今日の放課後は4年生貴族クラスの成績上位クラス、通称Aクラスだ。

「「「キャア、キャア」」」

4年生のお姉さまたちが姦しい事この上ない。

だって、今期学園のプリンスである闇王様とその次にカッコいいとされているセシリオ様の揃い踏みだからね。

もう1学年上にはオスカル先輩がいるので学園一とは言えないんだけどね、容姿の良さに貴族としての位の高さもあり、学園内では押しも押されぬ憧れ男子に変わりはない。

ボールは予備も入れて全部で17個、闇王様の御実家が購入してくれた。

なんでも跡取り息子が大勢の人を動かす事を実地で学べる良い機会とばかりに、全面協力を申し出てくれたらしい。

実行委員会のメンバーは98%が女生徒だったので、チームの方も女性が主かと思ったら、思ったよりも男子生徒が参加してくれていた。

というよりも、男子生徒の方が多い。

まぁ、元々ウチの学園は男子生徒の方が女生徒より多いのもある。

ヘルマン様に聞いたところ、それに糅てて加えて運動系のクラブなど男子生徒が励んでいるスポーツはあれど、練習試合や大会などの出来る他校がないそうで、こういうお祭り騒ぎ的にスポーツを競えるというのは男子にとっても美味しいイベントらしい。

本来持ってる闘争心が燃えるんだそうだ。

ドッジボール自体も特段体力がいるとか、技がいるといったスポーツでない事も参加へのハードルを下げた様だ。

うんうん、私の狙いが当たったね。

委員は練習試合の初めに、直に闇王様に「準備できました」と報告することになっている。

自分のクラスメイトの前でだ。

たったそれだけの事なのだけれど、彼女たちからしたら花道みたいなものらしい。

たったそれだけのフレーズを言うだけで、クラスの女子から黄色い声やブーイングが飛び交う。

委員の女の子は鼻高々になって淑女の礼をし、自陣に戻る。

審判は練習も兼ねて、別のクラスの委員にしてもらう。

もちろん審議が難しい場合は不肖言い出しっぺの私がサポートとして相談に乗るのだ。

笑っちゃうのが、敵陣コートの近くに闇王様やセシリオ様が立つと、敵チームの女子が一斉にすぐ傍まで駆け寄ってしまうので、闇王様たちはニヤリと悪い笑みを浮かべながら容赦なくそんな女の子たちにボールをぶつけてる。

ぶつけられた方も直にお二方が触られたボールなので、天にも昇る心地なのだろう。

「おバカじゃありましぇんこと?あの子たち」と一々アドリエンヌ様が反応しているのも笑えてしまう。

彼女の言葉はいつもキツイのだが、中身はそこまででない事をもはやあややクラブの面々は知っているのだ。

美味しいおやつがあれば、大好きな闇王様もそっちのけ。

「アムアム」とまずは食べる。そうしてすんごく幸せといった笑顔が出る。

美味しい紅茶に拘って淹れてくれるのだが、そんな時は必ず全員分のを用意してくれるのだ。

でも、気心の知れないライバルであろうクラブ以外の女生徒には、昔と同じくらい辛辣な言葉を投げかけているのがやっぱりアドリエンヌ様たる所以だろう。

それにしても、釣り師の前に魚の方から群がって来るのだ。それも無防備に。

いや、釣ってくれと寄ってくるのだ。

闇王様はニッコニコだ。

それに苛っと来た敵チームの男子があややクラブの女子、つまりメグや私目掛けて剛速球でボールを投げてくる確率が跳ね上がるんだよね。

流石にアドリエンヌ様には怖くて投げられないみたいで、人畜無害に見える平民の女の子は良いターゲットと言うわけだ。

ウチの勇者様は運動神経が良い様で、結構避けているんだけど、とうとう剛腕の男子が投げたボールを取り損ねてしまった。

「痛っ」

突き指なのだろう。右手の人差し指を左手で覆って、蹲ってしまった。

そこからの闇王様の行動は素早かった。

「大丈夫か」と駆け寄り、蹲っているメグたんを抱え起こし、ボールを投げた剛腕男子を殺人者の目で睨み怯ませ、横に控えていた校医のところまでエスコート。

ただ、そのエスコートの仕方がメグを下にも置かない丁寧さだ。

女子生徒が色めき立った。

一部の女子は自分も怪我をしたらああやって闇王様に校医のところまでエスコートしてもらえると思ったみたいだ。

別の女子たちは、闇王様の普段とは違う態度をメグへの好意だと取った様だ。

だってアドリエンヌ様が般若の形相でメグを睨んでるしね。

あれは疑うわぁ。

このままだとメグがいじめられちゃう!ヤバい。

クラブの中でも年上で、既に結婚までされているヘルマン様にはその辺の事がピンと来た様だ。

二人に駆け寄り、小声で闇王様に何かを言って追い払い、そのままメグを引き取って校医のところまで付き添ってくれた。

大人だね~。