軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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私たちが夕食を始めた頃にはまだお客が入っていなかったけど、チーズフォンデュを食べ始める頃にはほぼ満席になっていた。

未だに昼も夜も予約でいっぱいらしい。ありがたや~。

「チーズフォンデュの追加の具材でございます」とサマンサが静々と運んで来たのは、ウィンナーやプチトマト、エビにカボチャ、ウズラの卵だった。

「うわぁ、小さなトマトがあるよ。私、初めて見た~」とメグも大はしゃぎ。

「それ、家の温室で作ってて、多分他では手に入らないと思うよ」と説明が終わるや否や3人のフォークがプチトマトへ集中した。

キルシュ酒の入ったトロットロに溶けたチーズが内側は白、外側が赤のホーローの鍋に入っていて、具材を浸す度に良い匂いがプワンと登ってくる。

テーブルに直火式でサーブしているので、手や袖で鍋を引掛けたり倒したりしない様に装飾的なスタンドを火周りに設置し安全性を高めている。

「それ温めて口に入れると熱いから気を付けてね」とプチトマトについて忠告したのに、フェリーペはその忠告を聞きながし歯を立てて熱い中身が口中に広がったのか、「アチアチ」と口をパクパクと開けて手で覆いつつも水をがぶ飲みした。

「ほらぁ、言ったじゃん」

なんて賑やかにやっていたら、サブリナが通りがかりに「ウィンナーもすっごく美味しいですよ」とにっこりしながら説明してくれた。全員の手がウィンナーに伸びた。

ウチの店は親戚率が高いから、みんな私がいったい学園でどんな風に過ごしているのか気にしてくれている様で、私たちのテーブルの横を通る時には何かしら一言添えたり、学園生活について訊いて行く。

サマンサやサブリナとはあんまり話した事なかったけど、彼女たちなりに心配してくれてるのかなぁ?なんて思ってた時が私にもありました。

後で小耳に挟んだら、二人は学園というものに憧れていて、私と友達のやり取りを見ながら想像を膨らませていたらしい。

後、平民であっても学園を卒業するとエリートなので、有望な配偶者候補になり得る男子が2人もいて、テンションが上がっていたらしい・・・・。

デザートにはメニューにないチョコレートフォンデュもどきにしてもらった。

チョコレートは100%私のスキルで作っているので、店で出す事は考えてないんだよね。

フォンデュ鍋はウチでチーズフォンデュに使っている物を流用したので、一見しただけでは他のお客にこのデザートがメニューにない物だとは分からないだろう。

イチゴやバナナ等のフルーツと、パン以外にも、マシュマロやポテトチップスを皿に並べている。

「バナナだ!」とフェリーペが大きな声を出さなければ、他の客にチョコレートフォンデュがバレる事はなかっただろう・・・・。

先に、3人にこれはメニューにないデザートなので他の客へは内緒よって言っておいたのに、バナナの登場に全ての前説明が吹っ飛んだんだろう。

フェリーペめ!

「あれは何ですの?ここへは良く伺っておりますが初めてみましたよ」と隣のテーブルのご婦人がこちらを見てフェイ伯母さんを捕まえている。

テーブルとテーブルの間には結構なスペースを設けているし、隣同士のテーブルが見えない様に椅子の背もたれが隠れる高さの鉢植えがそこかしこに置いてはあるけど、覗こうと思えば覗けるのだ。

「あ、申し訳ございません。あそこのテーブルは家の身内でございまして、新しいメニューの試食をしているのでございます」

すごい!フェイ伯母さん。とっさの言い訳が秀逸だ!

流石、年の功。

「ということは、今後、あのデザートもメニューに載るってことですのね」

「申し訳ございません。まだ試食の段階ですので、必ず新メニューとなるのかどうか今の段階では何とも・・・・」

ふわぁ、フェイ伯母さん、最後まですごい!

何とか他のお客様の対応が無事終わったのを見てホッとしていると、フェリーペがすまなそうな顔をしていた。

「悪い。うっかりしてた」

「本当だぞ~。こらっ」とフェリーペの頭を軽く叩くフリをして「でも、フェイ伯母さんがちゃんと対応してくれたから問題ナッシング」と言うと、安心した様だ。

「それにしてもお前ん家の料理、すごいなぁ。どれ食べても旨い」と普通に料理の感想を言えるくらいにはフェリーペ君のすまないという気持ちはすぐに霧散した様だ。

おい!こら、もっと反省しろっ!

「僕は甘い物そこまで好きじゃないんだけど、ここのはどれも美味しいよ」

「夢みたい。夕方の温室も良かったけど、ここのお城の中の様なレストランもとっても素敵。もちろん、お料理もよ」

もちろんお城に比べたら全然質素なはずなんだけど、私たちの誰もお城に入った事はないので、違いをしっかり指摘できる者はいない。

まぁ、それくらい豪奢なレストランに見えたってことだよね。

「また呼んでくれよ」なんて、夫々の感想の後に、ちゃっかりフェリーペは御呼ばれの催促を付け加えていた。

食事が終ると、ボブはフェリーペの馬車に便乗させてもらい家に帰るので、メグと二人、門の所でお見送りした。

メグは戻っても寮だし、こんな遅い時間に寮の出入りは出来ないので最初っから家にお泊りの予定だしね。

仕事が終って部屋に帰って来た父さんたちと学園でのエピソードを話したりした後、同じ部屋で寝たいというメグのリクエストに応え私のベッドで一緒に横になった。

「さぁ、ガールズトークを楽しむぞ」という雰囲気だったのに、二人とも疲れていたらしく横になって1分で寝入ってしまい、翌朝一緒に学園の寮へ戻った。ガールズトークはまたの機会にだね。