軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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「君たち入試で1位と2位だったよね」

セシリオ様がにこやかな表情のまま聞いて来た。

今、メグと私は闇王様に呼び出され、大広間の裏側にあるクリサンテーモの食堂に併設された応接室に呼び出されているのだ。

ぐわ~ん。

クリサンテーモ地区には専用の使用人兼警備員が複数いて、一般生徒は中に足を踏み入れる事すら難しいのに、闇王様直筆で書かれた招待状と書かれた召喚状であっさり応接室まで通された。

どこかで平民は入れませんとか言われれば、これ幸いと回れ右して平民クラスに戻れたのに、どこもほぼほぼフリーパスだったよ・・・・。

お花畑で(文字通りの)花摘みに集中しててぶつかっただけで呼び出しとかありえないんですけどぉ。

こいつら貴族って平民を人間と思ってないからね。何でもやっちゃうよね。

ガクブル。

メグも私も答える事が出来ない。

「はい」って言ったら貴族を抑えて、特に目の前にいる3位と4位を抑えて上位になったので虐めてくださいと同義だし、「いいえ」だと嘘を吐くことになるし・・・・。

あちゃぁ、八方塞がりやんけ。

呼び出された時にフェリーペとボブも一緒に来てくれるって言ってくれたんだけど、クリサンテーモ地区に入った途端、「申し訳ございません。御招待はこちらのお嬢様お二人のみとなっておりますので、ここより先にお通しする事が出来かねます」と か(・) の(・) 地区専属の使用人に追い返されてしまった。

女子二人だけで闇王様のところへ行かざるを得ない事を最後まで心配してくれ、何度も私たちを振り返っていたが、どうやっても一緒に行く事は叶わなかったのでトボトボと平民クラスへ戻って行った。

ああ、今、彼ら二人が一緒に居てくれたら、どんなに心強かっただろう・・・・。

生真面目なメグは長い沈黙に耐えられなかった様で「はい。私が2位で、こっちの子が1位です」って答えちゃったよ。

あう~。

こういう時って2位より1位の方がいじめられちゃうとか?

やっぱそうだよね?

今、闇王様はソファセットの上座にドカッと座っていて、そのソファのアームレストにセシリオ様が軽く体を捻って腰かけているところ。

二人揃うとイラストかってくらい綺麗だ。

それに対し、私たち二人は先生に怒られる生徒よろしく直立不動で彼らの正面に立たされている状態。

じんわりと汗が滲み出て来ているのが自分でも分かる。

「名前は?」

この部屋に連れ込まれて、初めて闇王様が言葉を発した。

「メグです」

「メグかぁ。んで、そっちのお前は?」

「・・・・アウレリアです」

「ああ、大公様のところの」

恐るべし闇王。私の様な下々の者の事まできっちり調べているのかっ!

恐々頷くと、「お前ら何を緊張してるのか知らないけど、もっとリラックスしたら」と言いつつ闇王様はセシリオ様に合図した。

緊張するのは当たり前だろーーー!それ何の合図やねん。

セシリオ様がアームレストから立ち上がって、ソファの後ろのキャビネットに近寄り、扉を開いた。

「緊張するなって言っても貴族の前じゃ緊張しちゃうよね。君達二人とも平民だものね」

私の心の中の毒舌が聞こえたかの様にセシリオ様は私の方を振り返って黒い笑みを浮かべて言った。

ひぇぇっぇぇ。

早くここから出してえぇぇ。

「昨日ぶつかった時、お前ら摘んでいた花を忘れて行ったろう?」

アドルフォ様の言葉に合わせてセシリオ様がキャビネットから取り出したコスモスの花束を2つ、闇王様へ手渡した。

「ほら、これ、お前らが摘んだやつだ。忘れずに持って帰れよ」と闇王様は何か良い事をしたって顔で未だ踏ん反り返っている。

「ありがとうございます」といってメグは躊躇なく花束を貰い「リア、良かったね。お花、返って来たね」と私の方を振り向いた。

うへぇぇ。コスモスなんていらないから、ここに呼び出して欲しくなかったよぉ。

恐る恐る花束を受け取り、無言で軽く頭を下げたよ。だって、お礼の気持ちを表さないと難癖付けられるかも?

このまま自然にこの応接室からフェイドアウトしたいっ。

「そっちの金髪の方は大公様にいろいろ援助されたからだろうけど、お前」とメグの方を見て、「ゴンスンデの小さな雑貨屋の子だよな。どうやって2位になれたんだ?」と闇王様の追求の手は緩まない。

自分の事を色々調べているっぽい闇王様に少し驚いた顔をしたメグは、すぐに笑みを浮かべ「あ、日曜学校の先生が色々教えてくれたんです。本もいっぱい読ませてくれて、お父さんが学園に行かしてくれるって言った時から学園の入試問題練習も作ってくれて。だから先生のお陰なんです」と丁寧に説明した。

闇王はなんか頷いている。

「んじゃ、今度、勉強方法を教えてくれ」

「え?」とここまで無言を通していたのに、私ったら声が漏れてしまった。

でも、これってしょうがないよね。

こんな事言われるなんて思ってもみなかったんだもん。

なのにメグったら「はい」とにっこり笑って答えてるよ。

えええええ!はいって言ったら、一緒に勉強するって答えたのと同じなんだよ?

もしもし、メグさんや。大丈夫かいな。

メグの返事に満足したのか闇王様は、毎週木曜に図書室に来る様にと宣った。

ようやくクリサンテーモの建物を出る事ができてほっとしてたら、フェリーペとボブがどこからか現れ、私たちの手を引いて平民クラスに連れて行ってくれた。

しかし、闇王様たちとの邂逅が衝撃的だったので、道中の記憶があいまいだったのはしょうがないと思う。