軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第702話 フィーバー!ラッキースロット!!②

アレンたちがメルスの天使Bの召喚獣「ラッキースロット」によって現れたスロットに興じて1時間が過ぎた。

ヒュンヒュンッ

17台のスロットの中央にはアレンが魔導書の中から出した数万個のAランクの魔石がある。

1人が1回のスロットの挑戦にA魔石5個使う。

軽快な音を立てながらスロットに消費されるため、山のように積まれた魔石は既に半分以下の高さになっている。

1時間経過

「あう~。当たらない~。もう~!!」

バンバン

今回も外れであったクレナが本当に当たりがあるのかと、スロットの横を平手で叩く。

『おい。クレナ、叩くな。当たりはある。他の者は当たっているだろう』

メルスが自らの武器を叩かれて叱責する。

「そうだな。あんまり当たらないな。お? ゴブリン3連だぜ!」

ゴブリンマークが3連となり、仲間たちの体力が300増える。

「ドゴラ、目指すは金貨5連だ!」

「あ? おう。分かっているよ。そんなに怒るなよ……。当たったなって言っただけだろ」

ドゴラは横のアレンから大きな声で勘違いするように叱責され、萎縮してしまう。

金貨マーク5連で仲間たち全員に幸運30万付与される。

今回の作戦のためには金貨5枚をどうしても引き当てないといけない。

「おお! おしい。金貨2連でしたか……。アビゲイル様もう少しでしたね!」

「お、おう。そうだな。中々難しいな」

守主のアビゲイルの結果を応援する竜人たちがはしゃいでいる。

娯楽の無い守人の任務の中始まった遊具にはまってしまったようだ。

(さて、結構時間が過ぎたのに全然当たらないな。当たりそうなのはロザリナ、キール、ペロムスくらいか)

この1時間の中、マーク3連の当たりを数回引くのが限界のようだ。

目的のネスティラドとの戦いまでの事前準備で行っているわけだが、あまりこのような余興が長いと、本番までにダレてしまう。

しかし、報酬であるステータス増強や魔石ゲットを得るためのマークが揃うのは、結構確率が低いと思える。

そんな中、17人で挑戦して数人だけ当たりが大きい者がいる。

「あら、ロザリナ。また当たったわ。く、くる、くるわよ。き、き、こないいいいいいい!!」

ロザリナが魔石のマークが1連2連3連と横一列にドラムが並び、とうとう4列目も揃ってしまう。

だが、最後に5列目が縦にゆっくりとマークが流れる中、魔石のマークが下りてくるのだが、期待とは裏腹に魔石のマークの次のゴブリンのマークが4列の魔石のマークの横に止まった。

Aランクの魔石が1000個、ドバドバとアレンが積んだ魔石の山に降り注ぐ。

こういったロザリナたち運が大きい者たちのお陰で、仲間たちが大量に消費する中、魔石が尽きずに済んでいる。

「うし。俺もミュラーゼの花4連だったぞ!」

ガチャ運の高いキールがミュラーゼの花4連を果たし、仲間たち全員の魔力が3000上昇する。

(この2人でも4連までが限界だな。そろそろ、ペロムスよ。結果を出してくれ。お?)

アレンが横にいるペロムスのスロットを食いいるように見ると、ビクッとなり恐縮しながらも、横一列に金貨が並び始めた。

「こ、これは!!」

「え? どうしたの?」

「お? ペロムスがやっと揃えたか。流石に幸運をガチガチに装備しただけはあるな」

アレンの声にクレナとドゴラもペロムスの背後からスロットを食い入るように見る。

「あわわ、ちょっと、まだ金貨3枚だから!?」

金貨が1枚、2枚、3枚と横一列に並んだ。

「もう! ペロムスはスロットに集中!!」

「そうですわ。応援していますから!」

メルルとソフィーもペロムスにプレッシャーを与えることに余念はない。

「おいおい、皆、落ち着いてペロムスを応援してやろうぜ。おお! 4枚目も金貨揃ったぜ!!」

周りでやんや言われ困惑するペロムスを見て、キールが諫めるのだが、4枚目も金貨のマークであったため、一緒になってどよめきだつ。

時を重ね漆黒に経年変化した風合いの木製の長い柄の部分の先端に算盤がついた見た目の神器クシナダが、スロットの横に立てかけてある。

『ほむううう。ペロムスよ。ここでしっかりと成果を出すのだぞ』

不安そうな思いを反映されているのか、神器クシナダの周りを揺らぐように神力を溢れているのは、商神マーネはアレンたちのパーティーの中で、ペロムスが活躍してほしいようだ。

先代の商神が調停神より神の裁きを受け代替わりをして、今の商神とペロムスが神の試練を超え、契約を交わしている。

契約者の活躍によって、255柱いると言われる中で自らの存在が人類の中で頭1つ抜け出すこともある。

先代が処分されてたこともあってか、商神の評判は他の神よりも低く、金を稼ぐことを卑しく思う人族も妬みからか、商神含めて蔑む者もいる

(ほうほう。ペロムスはあまり表に出ないからな)

アレン軍の中でも財政面の要であり、ヘビーユーザー島含めて、何万もの人々の運営が回るのは、ペロムスのお陰だ。

ただ、引っ込み思案の性格はフィオナと結婚した後もそれほど変わっておらず、戦いに神界での仲間たちの試練攻略にも参加しておらず、前面にでていない。

もっと活躍しろという不安が神器クシナダから溢れている神力からも感じ取れるのだが、スロットの盤面が最後のドラムを止まろうとする。

「ペロムスよ。絶対に止めるのだぞ。ほら、ボタンだ。しっかり押すのだぞ!!」

「ちょっと、シア。肩が痛いよ!?」

とうとう仲間たち全員がペロムスの周りに集まってしまった。

自らの背後を陣取ったシアが両手で爪を立てんばかりに肩をギュッと掴んだ。

このスロットは魔石を掛け金分入れ、バーを回して5列のドラムを回し、ドラムの下に取り付けられたボタンをそれぞれ押すと、押したタイミングによってドラムがゆっくりと止まり、マークの並びによって当たり外れが決まる。

最後のボタンを仲間たちの殺気にも似た思いで睨むように見つめる中、震える手をもう片方の手で抑え、ゆっくりとボタンを押した。

勢いよく回っていた5列目のドラムが押したボタンに反応して減速していく。

ゴブリン、アルバヘロン、ミュラーゼの花、金貨……。

「いく。金貨くるよ!!」

クレナが目を輝かせ、金貨4列の位置の横に金貨のマークが通過するたびに興奮する。

「こい、こい、くるぞおおおおおおお!!」

ドゴラも興奮が止まらない。

ゆっくりとアルバヘロンを通過し、今にも止まりそうな中、ミュラーゼの花が盤面の上から現れ、その上にある金貨が盤面に出てきた。

仲間たちが血走った目でドラムの行く末を睨みつける。

とうとうと揃うのかと祈るように金貨のマークがゆっくりと止まった。

「あわわ、ごめんなさい! ちょと早かったみたい……」

あと1つ下に行けば金貨5連が揃ったのだが、その上のミュラーゼの花で止まってしまった。

「あふう。お、惜しい!!」

「あらら、残念ですわね」

「たああ、当たんねえな。長くなりそうだぜ」

クレナもソフィーもドゴラも期待が大きかっただけに肩から今にも崩れそうだ。

「ペロムスも頑張ったんだ。仕方ないだろ。皆も自分の席に戻ろうぜ。ん?」

キールがしょうがないと仲間たちにももう一度スロットに戻ろうと言うとすると、スロットの盤面に装飾された電飾が点滅を始めた。

『確変が来たようだな……。随分な強運だ』

仲間たちと違い、一人黙々とスロットを回していたメルスが「確変」を告げる。

(お? そんな演出があったのか!!)

「へ? え? これは!?」

止まっていた5列目のドラムが再度回り始め、全てのマークがキラキラと輝き始めた。

「すごい。すごいぞ、金貨が交互ではないか!?」

「し、シア。本当に痛いから!?」

ゴブリン、金貨、アルバヘロン、金貨、ミュラーゼの花、金貨……。

確変中のドラムはマークの表示が変わるようだ。

2つに1つは金貨となり確率は10%程度から50%に急上昇した。

(射幸心煽ってくるわね)

あまりの衝撃的な状況に仲間たち全員が興奮し、シアが掴んだペロムスの肩の骨がミシミシと言う。

「お、おおお。ペロムス凄い!!」

「これならいけるだろ!!」

クレナもドゴラも期待は最高潮になる。

「う、うん。こ、今度こそ……」

ペロムスが恐る恐る5列目の停止ボタンを押した。

5列目のマークは2つに1回、金貨のマークが4列揃った金貨の横を通過する。

ゆっくりと減速するのだが魔石のマークを通過した後、とうとう4列目の金貨の横に金貨が並んだ。

金貨が5枚揃い、スロットの盤面から金貨がじゃらじゃらとスコールのように降り注ぐ演出に変わった。

「うおおおおおおおおおお!! 来た来た!! ペロムス、すっげえええええ!!」

今まで冷静な態度であったキールの目が金貨に変わった。

とうとう金貨のマーク5連となり、輝かしい演出で仲間たちのスロット回しの終わりを告げる。

『金貨5枚だ。ここからが本番だぞ』

「おお、ペロムスの幸運が60万を超えたぞ」

メルスが仲間たち全員の幸運が30万増えたことを告げる。

幸運特化のペロムスのステータスが爆発的に上がり60万を超えた。

・ペロムスのステータス(簡易版+バフ省略「694話準拠」)

【体 力】181732+30000(武器や防具)

【魔 力】157881

【霊 力】157881

【攻撃力】249331+10000

【耐久力】135229+10000

【素早さ】305605

【知 力】317962

【幸 運】585473+40000

「う、うん。次は僕の神技「開運招福」だね。神技発動(アルティメット=マーチャント)!!」

今回のネスティラド戦は、幸運アップ2段階の構えだ。

まずはメルスの「ラッキースロット」で幸運を極限まで上げる必要があった。

圧倒的に上昇した幸運によってペロムスは神技「開運招福」を発動すると言う。

全身の霊力が溢れたぺロムスが、神技を使用可能な状態にするためスキル「神技発動」を唱える。

「よし。神技『開運招福』!!」

ペロムスが両手に霊力を込めると一片1メートルにもなる立方体の物体が姿を現す。

ポンポンポンとサイコロがどんどん現れ6つとなった。

「よし、ペロムスが神技を発動するぞ! 皆、結果によってはネスティラド戦だ。気合いを入れろ!!」

仲間たちが中空に浮く6つのサイコロを見つめる。

この1時間以上の間、一切スロットで当てることが出来なかったアレンが仲間たちに檄を入れるのであった。