軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第580話 クエスト達成に向けて

アレンは、神界、人間世界も含めて、魔法神イシリスのクエスト攻略に向けて、人を集めてきた。

【アレンが集めてきた者たち7人と2体】

・竜王マティルドーラ(セカンドライフ中)

・陰陽師ルーク(廃ゲーマー)

・ハク(廃ゲーマー)

・大精霊使いガトルーガ(エルフの女王を守護する者)

・怪盗王ロゼッタ(セイクリッド)

・聖王グレタ(セイクリッド)

・聖王イングリッサ(セイクリッド)

・魔導王リミア(セイクリッド)

・魔導王ローラ(セイクリッド)

アレンが口を開こうとすると、ロゼッタが先に何か言いたかったようだ。

「もう、乱暴ね! 無理やり連れてくるなんて。じゃあ、私、アレンの横っと」

かがり火を囲みながら、メルルたちが歓迎の宴の準備をしてくれていた。

アレンの横の席を陣取る。

「な!? ちょっと!!」

腕を絡ませ、アレンとゼロ距離のロゼッタに対して、セシルが絶句する。

不満を言うロゼッタの言い分は分からないでもない。

神界闘技場で、ロゼッタと交渉になりかけたため、無理やり連れてきた。

大地の迷宮攻略にロゼッタのスキルは必須だったからだ。

「……やはり、ロゼッタさんは剣神闘技場で真剣に修行に励んでは?」

かがり火を見ながらアレンは戻るかと横にいるロゼッタに問う。

「え? や~よ。こっちの方が何だか楽しそうだわ」

ロゼッタは流して答えた。

「これはどういう状況だ。祈りが終わったら、アレン、説明しろよ」

アレンがロゼッタの絡めてきた腕を払ったところで、教皇見習いのキールが後からやってきた者たちのために、いつもの食事前の祈りを捧げてくれるようだ。

「はい! キール様お願いします」

「……」

聖王グレタの言葉に、キールは一瞬反応しようとしたが、構わず食事前の祈りを捧げる。

「よっしゃ、もう食っていいんだな」

(もう食ってるだろ。お前は)

アレンが皆を連れてくる前から、宴は既に始まっていた。

一旦止めていたドゴラは待っていましたと両手で肉とパンをそれぞれ持って、食事を再開する。

「それで、どんな感じでお考えでしょう、アレン様。大地の迷宮に本腰を入れるって事でしょうか」

既に修行に入ったルークやロゼッタまでこの場に連れてきた。

エルフの女王にお願いして、ローゼンヘイム最強の男という肩書のある大精霊使いガトルーガまで連れてきた。

「そうだな、ソフィー。大地の迷宮には竜神マグラが封印されているからな。そもそも、今のままでは、ネスティラドもガルムも厳しいだろうし……」

アレンは、今この場に集まった者たちに、これからの話を始めた。

魔法神イシリスから頼まれたお使いクエストは4つあるという話から始める。

ヘルミオスの仲間たちも血の気が引いている。

圧倒的な強さを持つ霊獣ネスティラドと、ヘルミオスのパーティーも対峙しているからだ。

「おい、ネスティラドだけじゃなく、上位神とも戦えってことかよ」

尾を取ってこいとは、獣神ガルムとの戦いは避けられないと誰もが思う。

「それは分からない。だが、ルーク、ネスティラドは会話が成立しない」

「あんなの話してもだけど、戦っても無理だろ」

精霊神ローゼンも参戦したが、相手にならなかった。

「ネスティラドの戦いは厳しいものになる。それだけに順番が必要だ。ルークたちには竜神マグラを目指してほしい。ダンジョンの全攻略も含めてだ」

「99階層を目指すってことは一緒だね」

メルルは大地の迷宮の攻略が大事な理由を理解してくれた。

(大地の迷宮は、悪さをする霊獣だけを捕まえておく檻ではなかったと。完全な正規攻略ルートでした)

セシルが新たな神技を手に入れるために必要な霊獣ネスティラドも獣神ガルムも厳しいだろう。

ネスティラドは上位神と思えるほどの強敵で、未だに底が見えない強敵だ。

同じく、神界に10柱しかいないと言われる上位神の1柱の獣神ガルムの尾を手に入れるのは至難の業と予想する。

大地の迷宮にいる竜神マグラを探し出し、角を手に入れる。

それが、獣神ガルムや霊獣ネスティラド攻略には必要だとアレンは考えた。

『この大穴の中にマグラ様がいる……。そうか、儂にはまだやることがあったのか』

鳥Eの召喚獣を大量に飛ばし、一番探すのに苦労した竜王は難しい顔をしている。

人間世界で竜王として竜人たちの里を支配していたマグラは力をつけ、神に至り人間世界を征服しようとした。

神々が竜王に与えた神界に行くための入り口となる審判の門を守る役目を放棄したことになる。

それだけでなく、審判の門を越え、神界に来たマグラは神界をも征服しようとしたが、今では大地の迷宮に閉じ込められているらしい。

結果、竜神マグラの里と、里の名を神々によって改名され、汚名を与えられた。

神界で暮らす竜人たちの立場が低いのも、元をたどればマグラのせいであるとも言える。

竜王マティルドーラは、竜王として数千年、相棒のアステルを失った後は、その責務を全うしてきた。

老齢の竜王は、その目に強い意思が籠る。

『ギャウ……。マンマ』

ハクはクレナと離れ離れになってさみしくなったようだ。

「竜神マグラを倒すのか。腕が鳴るぜ」

ジャガイモ顔のドゴラも腹を満たしながら、これからの激しい戦いに思いをはせる。

「ドゴラは一緒に来てくれ。メルルたちに任せて俺たちは原獣の園を目指すぞ」

「あ? どういうことだ」

「たぶん、大地の迷宮の攻略でお前は役に立たない。キールとドゴラは俺と一緒に来てくれ」

(回復役は十分いるからな。というか、キールの薬神ポーションの件はどうなったのか。もう少し念入りにお祈りを捧げねば。本当の戦いに間に合わなくなるぞ)

「なんだと!!」

ドゴラが真っ赤な顔をするが、構わず大地の迷宮攻略メンバーの説明をする。

【大地の迷宮攻略組の構成44(人・体)】

・メルス、クワトロ、マクリス、鳥A5体、鳥E5体、霊C2体(計15)

・メルルとタムタム(2)

・ガララ提督含むスティンガー(15)

・竜王マティルドーラ(1)

・ルークと大精霊(2)

・ハク(1)

・ガトルーガと精霊(2)

・セイクリッドパーティー(5)

・名工ハバラク(1)

これで大地の迷宮の挑戦最大枠48人のうち、42人分を使ってしまった。

なお、タムタムはディグラグニに魂が与えられているため、枠を1つ使ってしまうらしい。

ルークやガトルーガが複数の精霊を顕現させるとなるとさらに枠が削られる。

「あと竜神は倒さない方向で行くぞ」

「そうか、アレン。もしかして、竜神を召喚獣にするつもりか?」

「そういうことだ、キール。ようやく攻撃主体の召喚獣が仲間にできるぞ」

アレンはマグラを竜Sの召喚獣にしたいと言う。

大地の迷宮にはアレンたちが求める物がたくさんあった。

【大地の迷宮で求めるもの】

・竜神マグラの角を手に入れる

・竜神マグラを竜Sの召喚獣にする

・2体以上の亜神級の霊獣を狩り、霊力回復リングを手に入れる

・亜神級の霊獣を狩り続け、アレンのレベルを上げる

・ハバラクに力をつけさせ、最強の武器と防具の入手を目指す

・99階層を攻略し、大地の神に折れない剣をお願いする

「大地の迷宮はやることいっぱいだね」

メルルはふんすとやる気をたぎらせる。

「99階層攻略の願いはやっぱり武器なのね」

「そうだな、セシル。魔法神イシリスとの交渉でも分かったが、どうしても折れない剣が必要だ」

耐久度の低い武器では、ネスティラドの心臓を手に入れるのは難しい。

大地の迷宮で限界まで力をつけ、ネスティラドの心臓や獣神ガルムの尾を手に入れる算段だ。

そのために、大地の迷宮攻略組を再編した形だ。

「何だよ。俺も大地の迷宮で活躍できんぞ」

「……そうだな。とりあえず、ピヨンさんが原獣の園に到着するまで2回くらい挑戦できるから、ドゴラも活躍してくれ」

(何事も経験するのも悪くないか)

「あ? 全然期待してないな。俺はやったるぞ」

アレンの軽い挑発にドゴラが乗る。

何の会話よとセシルがため息をついた。

こうして説明が済んだ皆は食事をとり、思い思いに明日からの大地の迷宮の戦いに備えて休んだ。

***

何時間過ぎただろうか、セシルが、考え事をしながら拠点用の魔導具の通路を歩いている。

「あら? アレン?」

外でまだ灯りが灯っている。

セシルはすぐに誰が外にいるのか分かった。

アレンはいつものように夜遅くまで、創生のスキル上げをしている。

前日前の大地の迷宮攻略で疲れているのか、メルスはこの場にはいないようだ。

1人黙々と作業に励んでいた。

「ん? セシルか?」

後ろに目が付いているのか、歩いてきた音でアレンも誰が来たのか分かった。

「アレン。もう遅いわ。それに、明日も早いんでしょ。休みましょ」

セシルもアレンの横に座って、山のようにたまった旬の味覚を魔導書に入れる。

「ん。後ちょいでノルマが終わる。日課のペースは守らないとな。今日を頑張った者にしか明日は来ないんだ」

日課とは命をかけた使命だ。

「そんなことを言ってって、……アレンは変わらないわね。手伝うわ」

「助かる。こっちの入れていってくれ」

セシルのために、魔法神と交渉し、頭を下げ試練を勝ち取った。

そんな魔法神の事を思い出して口を開く。

「それにしても、魔法神は何の研究にネスティラドの心臓とか尾っぽとか必要なのかしら」

何の素材が欲しいかと言われて、すぐに思いつくほどの素材だ。

きっと、魔法神にとって大事な研究に必要なものなのだろう。

クエストの話に夢中になっていて、肝心なことを確認すべきだったのかもしれない。

「気になるよな。せっかく頑張って手に入れた魔法が転移魔法だったら大変だからな」

「何よ。転移魔法もすごい魔法よ」

アレンの言う転移魔法は時空神の管轄で、使える魔法使いはとても限られている。

ただ、アレンは前世の記憶で転移魔法は初期から中盤にかけて手に入る魔法で、魔王への有効打にはならないことを知っている。

「それについては安心してくれ。そのためのララッパ団長たちだからな」

「もしかして、だから魔法神様の手伝いをさせたの?」

「研究内容を調べてほしいと頼んでおいた」

「いつの間によ。ああ、帰り際のあの時ね。そういうことは私にも言っておいてよね」

「それはすまなかった。まあ、次に会った時に期待だな」

「そうね。……そういえば、アレン」

「ん?」

「ありがとね」

「ミハイさんの仇は取らないとな」

「そうね。力を絶対に付けないといけないわ」

そろそろ燃え尽きそうな焚火を見るセシルの目に覚悟が籠る。

「まあ、それだけじゃないけどな」

「え? 何よ」

大切な兄以外の理由があったことにセシルは頬を赤くし、戸惑った。

「仲間だからな。だから、1人で抱え込まないでくれ」

「……そうね。それでノルマまであと何個なの?」

くすりとアレンに気付かないよう笑ったセシルは、一瞬戸惑った表情を平静に戻そうとする。

「100個だ」

「もう少しね」

かがり火の前で揺らめきながら、セシルはアレンの創生スキルの手伝いを最後までしたのであった。