軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第386話 ゴルディノ周回への挑戦②

4体の石Aの召喚獣の覚醒スキル「収束砲撃」が最下層ボスのゴルディノを襲う。

「お? やったのか!」

煙を上げ、ゆっくり背中から倒れるゴルディノを見て、キールが倒したかと叫んだ。

アイアンゴーレムを2体倒したところで、ゴルディノを4体の石Aの召喚獣の覚醒スキル「収束砲撃」で攻撃した。

王化した石Aの召喚獣や、指揮化した3体の召喚獣は耐久力が上がり、前回以上に、ミスリルゴーレムの攻撃を吸収し続けることができた。

その結果、放たれる収束砲撃は王化スキルを手に入れる前に戦った時より、王化で3倍、指揮化で2倍の威力に達する。

まだブロンズゴーレムもミスリルゴーレムも健在なのだが、必要最低限の攻撃に留め、最下層ボスのゴルディノに集中した。

「さて、これで倒せたことになるのかな」

「そうだといいんだけど。そんなにうまくいくかしら?」

アレンの願望をセシルが拾ってくれる。

今回の最下層ボスを倒す上での目標に「時短」がある。

いかに早く倒すかを試みているわけだ。

だから、ゴルディノをこの場で倒せたら、超合体ゴルディノと戦わずに済むのかも検証している。

『き、貴様ら。そんなに死にたいらしいな。自分の無力が知りたいなら、我が教えてやろう! ゴーレムたちよ、我の元に集うがよい!!』

ゴルディノが倒されたアイアンゴーレムや、まだ攻撃を続けるブロンズゴーレムやミスリルゴーレムを自らの元に引き寄せた。

そして、ゴーレムたちを自らの手足や砲台に変え、超合体ゴルディノに変形していく。

「駄目だったか。だが、これでブロンズやミスリルを攻撃する必要はなくなったな」

「そうみたいね」

前世の記憶でも、変形するボスをどれだけ鍛えぬいて、オーバーキルしても、基本的に次の段階に変形を遂げていた。

この方法で無理なら、本当に無理なのかもしれない。

ただし、朗報としては、5体の内アイアンゴーレム2体さえ倒せば、ゴルディノを狙って次の超合体ゴルディノに移行できる。

ブロンズゴーレムは無視し、ミスリルゴーレムは収束砲撃の燃料にしようと思う。

「ロカネルたちはそのまま吸収を維持しろ! メルスは属性を変えてくれ!!」

『『『……』』』

『ああ、少し待っていろ』

巨大になってしまった超合体ゴルディノの肩にはミスリルゴーレムが変形した砲台が取り付けられている。

4体で分散しながら、砲撃の吸収を指示する。

前回は、ガララ提督率パーティー「スティンガー」のゴーレムたちが壁になってくれたが、メルルが一身に超合体ゴルディノの攻撃を受け続けている。

「むむむ~!!」

ゴーレム越しにメルルの悲痛な声が漏れる。

今回は軟体動物の魚Aの召喚獣も壁役なのだが、メルルの負担はとても大きい。

メルルの負担を減らすためにも、減らせる攻撃は減らすべしと砲撃をガンガン吸収していく。

そして、メルスには特技「属性付与」で超合体ゴルディノの弱点属性を変更する。

知力35000に達したメルスが直ぐに属性を変えてくれる。

そして、今回弱点にするのは火属性だ。

「お? 変わったか」

ドゴラが神器カグツチを握りしめて呟いた。

明らかに超合体ゴルディノに殴った時の感触が変わったようだ。

「セシルも火魔法だ」

「分かったわ」

(やはり、ドゴラは神器カグツチを握ってこそか)

全長150メートルに達した超合体ゴルディノが、スキルを使ったドゴラの一撃で強い衝撃を受けているように見える。

ドゴラはバスクを倒した時、エクストラモードになったことを魔導具で鑑定した。

その時、火の神フレイヤの加護は「極小」になっていた。

現在の加護は魔導書のステータス欄で加護は「中」となっている。

この極小や中というのは文字づらだけではなく、ドゴラに多大な恩恵をもたらす。

そして恩恵にはバロメーターのようなものがあり、極小、微小と加護の恩恵が増加していく。

加護が中にもなれば、聖珠もびっくりの恩恵をドゴラにもたらした。

火の神フレイヤの加護の効果

・極小は、火攻撃吸収

・微小は、火攻撃吸収、全ステータス1000上昇

・小は、火攻撃吸収、全ステータス3000上昇、スキル使用時ダメージ1割上昇

・中は、火攻撃吸収、全ステータス5000上昇、スキル使用時ダメージ3割上昇、真系統のスキルのクールタイム3割減少

なお、神器カグツチの攻撃は火属性になる。

ヘビーユーザー島に信者を移動させ、島の人々は日々祈りを捧げた。

エルマール教国のニールの街にも火の神フレイヤの石像を建て、この国が救われたことへの感謝を、人々が祈り捧げているらしい。

(これは絶対に恩恵を増やさないとな)

圧倒的な加護の恩恵によって、ドゴラの力が増している。

さらなる恩恵の増加のため火の神フレイヤの信者を増やさねばならぬとアレンは考える。

ただし、ドゴラにもたらしている加護には1つの条件があって、ドゴラが神器カグツチを握りしめていないと効果は発揮されない。

それだけに獣王との戦いで、ドゴラは有利な条件を捨てて闘技台に上がった。

正々堂々と獣王に向き合ったドゴラに対する侮辱をアレンは許せなかった。

『こ、小癪な。矮小なる者よ!!』

攻撃を受け続けて、超合体ゴルディノから焦りの声が漏れる。

超合体ゴルディノの対象がドゴラに向かう。

「セシル!」

「分かっているわ。フレア!!」

超合体ゴルディノの攻撃を予見していたセシルが火魔法レベル5を放つ。

マクリスの聖珠、知力2000上昇の首飾り、アイアンゴーレムの金箱から出た杖を装備したセシルは知力が35000を超え、巨大な火球となりドゴラの背面に向かっていく。

『きさま、仲間ごと!?』

セシルはドゴラがまだ攻撃している部分に巨大な火球をぶつける。

お陰で超合体ゴルディノの攻撃は回避されたが、ドゴラがゴルディノごと巨大な火球を背面から受けてしまう。

しかし、ドゴラには一切のダメージはなく、そのまま攻撃を続ける。

ドゴラには敵味方関わらず、火魔法も火ブレスも効かない。

受けた攻撃の威力の分だけ、体力が回復する。

「よし、いい感じだな。そろそろ、ドゴラ、決めてくれ!」

「ああ、全身全霊!!」

ズウウウウン!!

ドゴラの神器カグツチが激しく輝いたかと思ったら、今までにない衝撃音が鳴り響く。

『ぐあああああ!!?』

仲間たちと召喚獣を使ってボコボコにしながら、超合体ゴルディノの体力をある程度削る。

そして、タイミングを見計らって、ドゴラがエクストラスキル「全身全霊」を使った。

ドゴラはもう全身全霊を自在に使うことができる。

クールタイムが1時間なので、使い勝手はそこまでよくないが全魔力を消費した一撃は、ゴルディノに致命傷を与える。

ドゴラの全身全霊を受け、後方に吹き飛ばされる超合体ゴルディノの胸に巨大な穴が空く。

(ふむ、少しはあの時の威力に戻ってきたかな?)

ゴルディノが2度目の後方から崩れ落ちるのを見ながら、バスクを倒した時のことをアレンは思い出す。

この超合体ゴルディノよりも、上位魔神バスクの方が強かったと分析する。

そして、ドゴラとバスクの激闘の際、バスクは骸骨教皇から回復魔法を貰っていた。

体力が全快のバスクを、ドゴラは全身全霊で、止めはさせなかったものの1撃で倒し切った。

超合体ゴルディノと上位魔神バスクの体力と耐久力の差がどれほどのものか分からないが、現在の威力では上位魔神を倒し切れないと考える。

(早く加護を大以上にしないとな。あとはソフィーとシアの眠っている加護を起こさないと)

加護の効果は、上がる度に段階的に倍増している。

「中」でこれほどの力があるなら、これ以上加護の効果が進んだらどれほどの威力が出るのかと思う。

そして、ドゴラが火の神フレイヤの加護の効果を発揮したが、他の仲間が発揮していない。

アレンの仲間には現在、ソフィーが精霊神ローゼン、シアが獣神ガルム、ルークが精霊王ファーブルの加護がある。

しかし、ステータス等に何らかの効果があるとは思えない。

神が過度に干渉することを避けているためだとアレンは分析する。

今は眠っている加護をどうやって起こすのか、与えてもらうかが今後の戦いの鍵になるだろう。

そして、セシルやクレナ、キールやフォルマールは神の加護がない。

セシルなら魔法の神イシリスから貰うのが最適だと思うが、加護を貰う手段が今のところ見つからない。

装備だと聖珠やそのほか、バスクが装備していた耳飾りや足輪など見たことのない装備がある。

神の加護があればさらに強くなる。

仲間たちをエクストラモードにすることを探していたが、まだまだ強くなる方法があることにワクワクが止まらない。

『くくく! き、貴様ら! 我を本気にさせたようだな!! これが我の真の姿だ!!』

アレンが分析と今後の対応を検討する中、戦いは進行していく。

胸が粉砕された超合体ゴルディノの全身にヒビが生えていく。

そして、中から細身で鋭利な姿をした真ゴルディノが出てきた。

「メルス、属性付与は継続したままだな?」

『そうだな。問題ないようだ』

「じゃあ、裁きの雷だ」

火属性の弱点は継続しているのかメルスに確認する。

超合体ゴルディノから真ゴルディノに変わっても、属性付与の効果は継続しているようだ。

『ぬ?』

『ああ、裁きの浄化を受けよ!』

現れて早々にメルスの覚醒スキル「裁きの雷」を発動する。

ズウウウウン!!

『こ、小癪な。む? ば、馬鹿な!? う、動けぬぞ!!』

全魔力を籠めた覚醒スキル「裁きの雷」でも倒し切れなかった。

しかし、この裁きの雷には相手の動きを止める作用がある。

そして、効果は鉱物系の敵に絶大な効果を発揮する。

真ゴルディノは攻撃を受けて、地面に叩きつけられそのまま這いつくばった状態になってしまった。

「セシル、決めてくれ!!」

「分かったわ、プチメテオ!!」

巨大で真っ赤に焼けた大岩が、飛ぶことも動くことも出来なくなった真ゴルディノを捻り潰していく。

『き、貴様らああああああああああああ………!!』

真ゴルディノの叫び声が大岩の中に消えていく。

エクストラスキル「小隕石」は火と土属性だ。

属性付与で、威力がさらに増している。

最後はこの2人で迅速に止めを刺すつもりでいた。

真ゴルディノは味方や召喚獣のバフを消してしまう。

その上攻撃力も高く移動速度も速いので事故になることが怖い。

『ゴルディノを1体倒しました。経験値80億を取得しました』

「うし、倒したぞ」

「やったわね! っていうかかなり早いわよ」

前回あれほど苦労した最下層ボスをあっという間に倒してしまった。

仲間たちも驚きながらも嬉しそうだ。

(ふむ、精霊王の祝福が無くても倒し切ったな。あれば、もっと早いか。いや、事故が怖いからとっていた方がいいか。そこはまたの検証だな)

今回精霊王の祝福を使いステータス3割増にすることなくゴルディノを倒し切った。

初手で使うべきか、何かあった時エクストラスキルをもう一度発動できるようにするためにとっておくか、悩みどころだ。

今回は事故って、仲間に損害が出た時のことを考えて、精霊王の祝福を温存する戦い方が正解だったと判断する。

「お! 出た出た、って、今回は虹箱ねえのか……」

広間の中央には最下層ボス討伐報酬の4つの宝箱がある。

今回は、銀箱3個、金箱1個だった。

さらに上の虹色に輝く虹箱があるのだが、今回は出なかったことをキールが嘆いている。

中を開けてみると、

銀箱からはアダマンタイトの武器、ヒヒイロカネの石板、ステータス5000上昇の指輪が入っている。

そして、金箱からは魔導コアが1つ出た。

「まあ、ぼちぼちな感じだな」

とりあえず、アレン軍の強化には使える。

魔導コアは貯めたいので、出たことは嬉しいがまあまあの結果に過ぎない。

直ぐにアレンのパーティーを強化する結果にならなかったのでぼちぼちだという感想がアレンの中に湧いてくる。

「さて、疲れたわ。一度帰りましょう」

セシルがお疲れ様感を出して帰ろうとする。

「ん?」

アレンが何を言っているんだという顔をする。

「ん? って何よ」

「いや、今からアイアンゴーレム狩りだぞ」

「ちょ!? 何言ってるのよ!!」

今回「時短」を意識したのは、日々のアイアンゴーレム狩りの始めに最下層ボス周回を入れ込むためだ。

アイアンゴーレムと違い、最下層ボスは1日1回しか挑戦できないためだ。

これから300体を目標にアイアンゴーレムを狩るというアレンに、セシルの顔の血の気が引いていく。

不平不満を言うセシルを連れて、2手に分かれてアイアンゴーレム狩りに勤しむアレンたちであった。