軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第八十一話 仮設住宅を魔法で作ります

翌朝、僕が起きると食堂に来るようにと使用人に言われた。

何かあったのかなと思ったので行ってみると、キチンとした朝食が用意されていたのだ。

「【蒼の治癒師】様は、昨夜も一昨日も夕食を召し上がっておりません。多くの方をお救いになられているのですから、キチンと食べないといけません」

僕たちが二日連続で力尽きるまで治療などをしていたのは町の人もよく知っていて、ゴードン様や代官のアナザー様だけでなく使用人もかなり気にしていたという。

僕達はありがたく朝食を頂き、お腹いっぱいで元気になった。

今日は僕にあることをお願いするらしく、治療や炊き出しをスラちゃんたちに任せて兵と共に町の外に出た。

「そっか、地面も地割れや段差が発生しているんですね」

「本来なら住民への治療などをお願いしたいのですが、インフラ整備も早めにお願いしたいのです」

兵は申し訳なさそうに言っていたが、倒壊家屋からの救出作業も一段落したのもかなり大きい。

これから本格的に各地からの物資が届くから、ケイマス直轄領周辺の道路整備は必須だ。

僕は、さっそく地面に手をついた。

シュイン、ズゴゴゴゴ。

「「「おおー」」」

僕は地面に手をついて、軽く魔力を流して補修箇所を確認してから一気に魔力を解放した。

見た目はかなり派手に地面が動いているが、キチンと範囲指定しているので魔力消費量は少ない。

「取り敢えず、僕の前後五キロの道路を直しました。今度は、別の場所の道路修復をしますね」

「「「は、はい……」」」

僕の話を聞き、兵は思わずぽかーんとしてしまった。

センサーのように、魔力が地割れに当たって分かるんだよね。

こうして、ドンドンとケイマス直轄領周辺の道路を修復した。

うん、まだまだ魔力は沢山あるし頑張ってやらないと。

すると、今度は別の指示を受けた。

「郊外にある地面を平らにして、仮設住宅を作るんですね。よーし、先ずは地面を平らにしないと」

キチンと範囲指定し、僕は一気に地面を平らにした。

更に、念の為に土塁も作って防衛に備える。

どんな仮設住宅を造るかは現在簡単な設計図を作ってもらっている。

指示通りに、土魔法で仮設住宅を作るだけだ。

国境で仮設兵舎を作った経験もあるし、トイレやお風呂も作らないと。

「じゃあ、サンプルを作りますね」

シュイン、ズゴゴゴゴ。

「「「すげー、一瞬で家が出来上がった……」」」

ファミリー向けと独身向けの仮設住宅の設計図ができあがり、サンプルを作って不備がないか確認してもらった。

新しい家ができるまで当分かかるので、しっかりした仮設住宅をつくらないと。

設計担当の兵のオッケーをもらったので、ドンドンと仮設住宅を作っていこう。

シュイン、ズゴゴゴゴ。

「「「なっ!? 一度にこんな数の仮設住宅が……」」」

兵が棒で地面に軽く範囲を描いてくれたので、魔力を乱発することはなかった。

後は、内装などを仕上げれば直ぐに住むことができる。

ここから先は、明日朝到着する予定の王都からの軍の部隊にお任せだ。

ちょうどお昼の時間なので、僕は代官邸に戻った。

「仮設住宅はもう少し作る必要があるな。午後、引き続きやってくれ」

スラちゃんたちも代官邸に戻ってきて、昼食を食べながらそれぞれが報告をした。

僕の午後の予定は、引き続き仮設住宅を行うことに決定した。

スラちゃんたちも、引き続きそれぞれの役割をするという。

そして、軍が到着してからの話もあった。

「仮設住宅の建設支援を行い、現在教会などに避難しているものの移動を行う。また、瓦礫などを町の外に出す作業をする。ケンにかかればあっという間に終わるだろうが、こういうことをさせないとならない」

ゴードン様曰く、僕達はかなり頑張りすぎだそうです。

そこで、兵にどんどんと仕事をさせるそうです。

因みに、今回は新兵が多くてベテランが指導することになっていた。

そんな中、ゴードン様が不安なことを言ってきたのだ。

「ケン、どうやらケンの兄が新兵扱いで軍の部隊に入っているみたいだ。そして、既に泊まる場所などで揉め事を起こしている」

このケイマス直轄領に向かうまで、経由地の軍の基地に泊まれるはずだった。

ところが、兄は貴族なのだから相応の場所に泊まらせろと要求したという。

上官が兄に貴族権限は大幅に制限されているぞと警告すると、渋々落ち着いたという。

この調子だと、間違いなく何かしらの問題を起こしそうだ。

「ケンは複雑だろうが、ある意味ケンの兄を正当な理由で処分する口実にもなる。実際に、的確に命令を下しているのだからな」

ゴードン様は、ため息混じりで裏話を教えてくれた。

僕も、兄がキチンと処分されるのなら問題ないと思っていた。

ただ、町の人と何かトラブルを起こすのだけは勘弁してくれと思った。

こうして昼食を終え、僕たちは午後の仕事に移った。

シュイン、ズゴゴゴゴ。

「ふう、これで仮設住宅は足りそうですね。後は、内装をしてどこに誰が住むかを決めればいいですね」

「そこは、我々がきっちりと行います」

「【蒼の治癒師】様、本当にありがとうございます」

夕方前には、仮設住宅の兵の確認も終わった。

後は、明日来る軍の部隊にお任せだ。

まだ魔力が残っていたので、僕は代官邸前に移動して残っている怪我人への治療を行った。

のだが……

「きゅぅ……」

「ケン君、頑張りすぎだ。今日はもう終わりだぞ」

魔力切れ寸前までしたので、またフラフラとなってしまった。

今日は気絶することはなかったが、アナザー様に抱えられて屋敷に戻った。

スラちゃんたちも限界寸前まで頑張ったので、みんなヘロヘロだった。

とはいえ、今日は何とか夕食にありつけることができたのだった。