軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第七十三話 軍での研修を兼ねた訓練

僕がアーサー様とメアリーさんの結婚式で騎馬隊と一緒に馬に乗ったことは、かなり大きなインパクトを残した。

「ケン君、とってもカッコよかったよ。堂々としていて、何年も騎馬隊にいたみたいだったね」

「馬が一頭でケン君のところにやってきて、すり寄ってきたのはとても良い光景だったわ」

今日は軍の施設で魔法の訓練を行うのだが、セレナさんとユリアさんが僕を見るなり興奮しながら話をしていた。

他の魔法兵も、大教会を生活魔法で綺麗にしたことも含めて盛り上がっていた。

因みに、スラちゃんたちは王城に行って王妃様と行動していた。

「ケンがやったことに不満を持っている者がいるが、周囲はそう思っちゃいねーな。ケンの思惑はどうであれ、王家に期待以上の結果をもたらしたのだからな」

「そうね。ケン君の行動で、貴族主義勢力が大人しくなったのはとても良かったわ。警備をしていて、予想以上に楽に動けたわ」

オーフレア様とローリー様も、僕の事をとても褒めてくれた。

軍としては、僕の行動で相当の恩恵を受けたという。

因みに、父親が何かトラブルをしでかすのではと事前に予測していたらしい。

贅沢派と言われる勢力は特に要注意だったらしく、だからこそ担架も直ぐに用意したと言っていた。

何はともあれ、今日の訓練を始めることになった。

「ケンたちは、新たに無属性魔法を覚えた方がいいな。鑑定、探索、アイテムボックス。この辺は、今年中に覚えるようにするぞ」

オーフレア様から宿題を出されたが、新しい魔法を覚えるのはとても楽しかった。

もちろん習得するのはとても難しいが、それだけやり甲斐もあった。

「お前らも、新たに一つでも魔法を覚える努力をするように。じゃないと、どんどんとケンに離されるぞ」

「「「「「はい!」」」」」

オーフレア様の檄に、セレナさんたちは大きな声で答えた。

次の段階に進むことになっていて、訓練も熱を帯びていた。

「いーなー、新しい魔法を覚えて……」

「嬢ちゃんは、特殊タイプだからしょうがないだろう」

残念にしているクリスちゃんに、オーフレア様も苦笑していた。

クリスちゃんは放出系魔法を放てないため、殆ど同じ訓練の繰り返しだった。

魔法剣の発動はできるのだが僕も魔法剣が使えるようになったので、これまた相当悔しがっていた。

こんな状況だったが、魔法訓練自体は何事もなく終わった。

クリスちゃんとは、軍の施設で解散となった。

「じゃーね」

「ケン君、またね」

施設を後にするクリスちゃんを見送ると、またもやズーンと落ち込んでいる人がいた。

「はあ、ケン君にはあんなに可愛いお友達が……」

ローリー様は、先日またまた婚活に失敗してしまったという。

うん、こればかりは僕は何も言えないね。

次は、お隣の剣の訓練場に移動して、上級官僚研修の一環で剣を習うことになった。

「ケン、最初に俺と手合わせだ」

国境から帰ってきたゴードン様が、僕の相手をしてくれるという。

どうも、僕が毎日剣の訓練をしていると聞いたみたいだ。

木剣を手にして、もの凄く良い表情をしていた。

因みに、身体能力強化魔法は使わずに、現在出来る剣技だけで手合せすることになった。

カンカン、カンカン。

「そうだ、もっと踏み込め!」

僕は、頑張ってゴードン様に木剣を振るった。

ゴードン様は剣の腕も凄くて、難なく木剣を受け止めていた。

それでも、僕は休むことなく木剣を振ったのだった。

「ケンの年齡を考えれば、かなり良い出来だ。このまま、日々の訓練を続けるように」

「はい!」

ゴードン様に褒められて、僕はかなりご満悦だった。

とはいえ、まだまだなのは間違いない。

クリスちゃんにも負けることがあるし、もっと頑張らないと。

「取り敢えず、今のケンの腕が最低ラインだな。上級官僚にもなると、色々な危険が降りかかる。諸君たちの意思と、全く関係ない。それに、剣の達人は才能が必要だが、ある程度の腕には訓練で到達するぞ」

「「「「「はい!」」」」」

僕と一緒に上級官僚試験に合格した人は、剣を扱ったことがない人が殆どだった。

でも、間違いなく腕は上がっているし、天性の才能を持っている人もいるかもしれない。

僕ももっと剣の腕を上げようと、他の人とも手合わせを行った。

僕は背が小さいのでアンバランスになり、逆に良い訓練になるらしい。

こうして、頑張って剣の訓練を終えた。

訓練後は、みんなで軍の食堂で昼食を食べることになった。

「ケン君、午後はどうするの?」

「午後は、ヘルナンデス様からもらった本を読もうと思います。あと、屋敷の池にいるチビスライムの中に魔法を覚えたのがいるんです。なので、時間を見て魔法を教えようかと」

「ケン君は、本当に真面目ね。それに、新しいスライムには私も興味があるわ」

ユリアさんも気になるスライムとは、レモンちゃんと名付けたチビスライムだった。

体の色が薄いレモン色で、水魔法の他に聖魔法が使えた。

まだまだ小さいスライムだが、中々レアな魔法使いだ。

明日奉仕活動なので、僕たちと一緒に連れて行く予定だ。

「ケン君のところのスライムだけで、優秀な魔法兵部隊が出来上がるね。スラちゃんは指揮もできるだろうし」

セレナさんが苦笑しながら話していたが、実は既に我が家の庭でスラちゃんがチビスライムの魔法を指導していた。

スラちゃんは教え方も上手だから、チビスライムたちもメキメキと力を付けていた。

きっと、みんなの力になってくれるはずだよね。