軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第百九十三話 交渉内容の形は出来たかな?

休憩も終わり、会議が再開されることになった。

すると、ここでスラム街の対応をしていたナッシュさんがヘルナンデス様に報告しに来た。

「ヘルナンデス様、報告いたします。やはり、スラム街や町外れの子どもに対する複数の声かけ事象が発生しておりました。注意喚起を促すと共に、対象者の特定を急いでおります。また、昨夜捕まえた者への尋問の結果、拠点と思わしき場所が特定されました。この後突入をいたします」

「そうか、分かった。引き続き、対応を進めるように」

「はっ」

ヘルナンデス様は、ナッシュさんに短く指示を出した。

すると、ヘルナンデス様は少し考える素振りをしてからクリスに話しかけた。

「クリス、突入作戦を手伝うように。流石に指揮官の人手が足りない」

「はい、頑張ります!」

クリスは、元気よく立ち上がってヘルナンデス様にビシッと敬礼した。

先程までの疲れ切った姿からは想像できない、とても機敏な動きだ。

僕だけでなく、他の人達もやる気のあるクリスの姿に思わず苦笑した。

「さて、我々も負けない様に作業を再開しよう。どちらも、とても重要な仕事だ」

「「「「「はい!」」」」」

僕達も、ハーデス様の声で席を立ち上がった。

ここからは、合意内容を文章にしていく作業だ。

とても神経を使う作業だけど、ここを頑張らないといけない。

こうして、午前中はみんなであーだこーだ話しながら文章案を作成していったのだった。

「ふう、協議内容をまとめるのはこんなにも大変な作業なんですね」

「だが、ケン君はよくやっている。お陰で、予定よりもかなり早く作業が進んでいる」

昼食の時間となり、僕は思わず苦労を口にしていた。

ルーカス様だけでなく他の人も僕の事を褒めてくれたが、これはかなり大変な作業だと感じた。

下交渉の内容を確認し、新たに文言などを追加していった。

今回両国の発展を願う文言を入れるのだが、何と僕の担当となった。

お堅い文章で作らないといけないので、これが中々大変だった。

「とはいえ、明日には両国の代表へ文章案の内容確認をする事ができるだろう。そうなれば、大きな区切りを迎える事ができる」

「私も、これだけ早くなるとは予想もしなかった。やはり、ケン君がいるだけでみんなが頑張ろうとなるのだよ」

ヘルナンデス様とレーベンス大将も、かなり満足そうに話をしていた。

とにかく、歴史に残る作業なのだから午後も気をつけて丁寧に作業をしないと。

僕は、お肉を食べながらそう思ったのだった。

「うむ、素案としては良いだろう。では、各国の関係者に連絡をして確認をしてもらおう」

「「「「「はっ」」」」」

夕食後も作業を続け、夜遅くにたたき台が完成した。

ここまでくればあと少しというのもあり、僕達もかなりホッとした。

それと同時に、どっと疲れが押し寄せていた。

軽く夜食を食べるため、僕達は食堂に向かった。

「あっ、お疲れ様です」

食堂に着くと、何故かクリスやスラちゃん達も食堂で軽食を食べていた。

確か、過激派の拠点への突入作戦を行っており、無事に制圧できたはずだ。

だが、それは日中の話だったはず。

「えっと、今日いっぱい動いたらお腹空いちゃいました……」

クリスは、テヘヘって感じで僕達に話していました。

ちゃんと食べる量を加減しているみたいだし、それくらいならと思いながら僕達も席に着いた。

「ケンは、ずっと作業をしていたんでしょ? 私だったら、文字ばっかり見ているのは駄目だなあ」

僕も、クリスの隣に座った。

パンを食べ終えたクリスが僕に話しかけてきたが、正直僕は頭がかなり疲れていた。

「確かに、今回はとても大変だったよ。でも、僕一人で作業している訳じゃないからね」

「でも、私は最初の話にすらついていけなかったもん。やっぱり、体を動かす方が合っていると思うよ」

クリスだけでなく、スラちゃん達も体を動かす方がいいと僕にアピールしていた。

こんな他愛もない事をクリスと話をしていたら、他の人達が僕とクリスの事を微笑ましく見ていた。

「ふふ、二人はとても仲が良いわね。とても羨ましいわ」

「小さい頃からずっと一緒でしたから。だから、お互いに気を使わないで良いのかと思います」

ビクトリア皇女に、クリスだけでなくスラちゃん達もふにふにしながらアピールしていた。

みんな、僕を支えてくれた大事なお友達だもんね。

「さて、夜も遅い。クリスも程々にしておきなさい」

「はい、これで終わりにします」

ルーカス様の注意に、クリスは元気よく返事をした。

僕達も、軽食程度にしておこうと思いながらパンを食べ始めたのだった。