軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第百八十六話 ピーター様はやっぱり変態司令官?

程なくして、スラちゃんを連れた兵とピーター様が食堂に姿を現した。

うん、気のせいかスラちゃんがへんにゃりとしているのが気になりますね。

すると、ピーター様はかなり厳しい口調で拘束された兵に話し始めたのだ。

「貴様ら、周囲の巡回を兼ねて外部の帝国側過激派と連絡を取り、この王国前線陣地を奇襲させるつもりだったのか。帝国側過激派が掘り進んでいた地下通路、並びに帝国側過激派は全て捕えた。これは、外患誘致罪という重罪だぞ!」

「「「「「ぐっ……」」」」」

あっ、何で帝国側過激派が掘り進めていた地下通路が見過ごされていたのか気になったんだよね。

まさか、この捕まった五人が巡回まで兼ねていたとは。

しかし、この短時間でその辺りまで調べ尽くすなんて、ピーター様はやはり頭が切れるんだ。

「厳重な警備をつけた上で、五人と捕縛した帝国側過激派を直ぐに護送せよ。王都に運ぶよう、軍本部より指示を受けている」

「「「「「はっ」」」」」

「「「「「がっ、くそ!」」」」」

ピーター様の指示を受け、兵は直ぐに護送を開始した。

五人は何とか抵抗しようともがいていたが、複数の兵にはかなわなかった。

さて、今のうちにスラちゃんに司令官室で何があったのか聞いてみよう。

「えっ、色々筆談で報告したら凄いスライムだとなでなでされたの? 更に頬ずりされそうになったところで、ニーナさんがハリセンでピーター様の頭を殴ったんだ」

頬ずりされそうになっただなんて、ある意味恐怖でしかない。

僕も、ピーター様に頬ずりされそうになったら、ちょっと、いやかなり嫌かも。

兵からスラちゃんを受け取ったけど、未だ僕の頭の上でへんにゃりとしていた。

「では、現地の確認に行く。この目で確認しないとならない」

「「「「「はっ」」」」」

僕達は、先頭を歩くピーター様の後をついて行った。

そして、現場となった防壁の外にある小屋へと向かった。

「ここが穴を掘っていた所か。確かに、バレないように上手くカモフラージュしている。こういう事には頭が回るのだな」

ピーター様は、小屋の中や外を見回していた。

どうやら元々ここに建っていた小屋らしく、中は相当古かった。

更に枯れ草などで覆うなどの事をして、外部に分からないようにしていたんだ。

すると、ピーター様は僕にある指示を出した。

「ケン、念のために周囲に誰かいないか確認をするように」

僕も、周囲に誰かいないか気になっていたんだよね。

早速、魔力を溜め始めた。

シュイン、もわーん。

「えーっと、あっ、この先に誰かいます!」

「よし、直ぐに向かうように」

ピーター様は、僕の声を聞くなり直ぐに兵に指示を出した。

少し元気を取り戻したスラちゃんも兵についていき、直ぐに三人の不審者を取り押さえた。

シュイン、もわーん。

「帝国側の過激派で間違いないです。スラちゃんの鑑定結果と一緒です」

「三人が、王国にとって良くないことをしようとしたのは間違いないだろう。軍の基地に連行して、厳しく尋問しよう。他の連中と同じく、王都に送る事になるな」

ピーター様は、忙しそうにあれこれ指示を出した。

そして、僕とスラちゃんにある指示を出した。

「ケン、スラちゃん、穴を埋めて小屋も壊すように」

僕とスラちゃんは、直ぐに手分けして動き始めた。

スラちゃんが穴の中に入って、土魔法で穴を埋め戻した。

そして、スラちゃんが穴を埋め戻したのを確認してから、僕も魔法で小屋を壊した。

うん、これで大丈夫。

念のために、もう一度広範囲探索魔法を使ってっと。

シュイン、もわーん。

「周囲に怪しい反応はないです。地下通路っぽい反応もありません」

「だが、様子を見に誰かが来る可能性もある。暫くは、周囲の巡回も強化する」

講和会議が行なわれるとあって、ピーター様はあらゆる手を使って警備を厳重にしていた。

麓の軍事基地からも応援を呼ぶそうで、直ぐに手続きを行った。

「では、基地に戻る。これからの事を、軍本部と話をしないとならない」

僕達は、慌ただしく国境の前線基地へと戻った。

僕とスラちゃんは、前線基地に戻ると悪い人の確認を再開した。

幸いにして過激派はいなかったが、窃盗などをしていた者がいた。

罪を犯した兵は拘束され、それぞれの罪に応じて処罰を受ける事になった。

こうして、僕とスラちゃんは滞在時間ギリギリまで忙しく動いたのだった。

「ケンとスラちゃんのお陰で、ある程度の対策を打つことができた。改めて礼を言う」

帰り際に、司令官室に行ってピーター様に挨拶をした。

どうやら国の方針も無事に決まり、ピーター様もかなりホッとしていた。

というか、確かに二回目以降は適度な距離を保って話していた。

僕としては、そっちの方がびっくりだった。

こうして、僕とスラちゃんは馬車に乗って前線基地を後にしたのだった。

「顎クイに頬ずり!? そんなのいやー!」

辺境伯家の屋敷に到着すると、直ぐに食堂に案内された。

今日何があったのか軽く説明したが、やはりピーター様の行為が一番の衝撃だった。

クリスは、僕の話を聞くなり思わず自分の体を抱きしめてしまった。

チビスライムたちも、スラちゃんから話を聞くとガクガクブルブルと震えだした。

「はあ、あいつは相変わらずだな。まあ、ある意味貴族らしい行動だ。悪い奴ではないんだがな」

「私も、初めて会った時は両手で手を撫でられたよ。あまりの衝撃に、身震いしてしまった」

ナッシュさんの話よりも、ハーデス様の話の方が衝撃的だった。

何はともあれ、こうして無事に国境の前線基地での対応を終えた。

まだまだ治安維持活動はしないといけないし、明日もやる事が満載だと思ったのだった。