軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

百七十七話 警戒の中の年末奉仕作業

年末の奉仕活動の日になり、僕達は身支度を整えて食堂に向かった。

どんな服が良いかなと思ったが、戦闘がある可能性があるから宮廷魔導師の服装にした。

「ケイトちゃんも、今日は頑張ろうね」

「がんばるー!」

ケイトちゃんも、リンゴちゃんを頭の上に乗せながら元気な声を上げていた。

勿論、スラちゃん達もご飯をモリモリと食べてやる気十分だ。

なお、クリスはダイナー男爵家から大教会に向かう事になっていた。

僕達も、馬車に乗って大教会に向かわないと。

「「「「わー!」」」」

大教会に到着すると、一人の女性の周囲に王家のちびっ子とジョセフちゃんが満面の笑みで盛り上がっていた。

何だろうなと思いながらケイトちゃんとスラちゃん達と一緒に向かうと、囲まれていたのは何と久々に会ったシンシアお姉様だった。

すると、ビアンカちゃんがニコニコしながら僕に話しかけてきたのだ。

「あかちゃー!」

「ええー!?」

「わあ!」

何と、シンシアお姉様が遂に妊娠したのです!

これには、僕もスラちゃんもとってもビックリだった。

鑑定魔法で確認しても、確かにシンシアお姉様は妊娠中だった。

ケイトちゃんは、王家のちびっ子達と共に大盛り上がりだ。

「シンシアお姉様、おめでとうございます」

「ケン、ありがとうね。いやあ、私が母親になるなんて不思議な気持ちね」

シンシアお姉様も、まだ妊娠初期なので実感が殆どないらしい。

でも、つわりなども殆ど無く、体調は全く問題ないという。

念の為に回復魔法をかけても、全然大丈夫だった。

「しかし、シンシアも母親になるのね。何だか感慨深いわ」

「わーい!」

後からやってきたフリージアお祖母様も、娘の懐妊に感慨深そうにしていた。

勿論、ルートちゃんもシンシアお姉様の妊娠に大喜びだ。

「じゃあ、カレーちゃんもピーちゃんもユキちゃんも、シンシアお姉様や皆の警備をお願いね」

「ピッ!」

「ウォン!」

チビスライム達に加えて、ピーちゃんと王家にいるフォレストウルフのユキちゃんも物凄く張り切って返事をしていた。

勿論治療も頑張るぞと、シロちゃん、レモンちゃん、そしてちょっと回復魔法が使えるようになったケイトちゃんも張り切っていた。

僕は今日も意見を集める係なので、バインダーを手にして炊き出しの所に向かった。

シュイン、シュパパパパ。

グツグツグツ。

炊き出しの仕込みの所では、もはや料理はお任せというリーフちゃんとアクアちゃんの姿があった。

年末の奉仕活動なのでかなりの食材を調理しないといけないが、二匹は手早く炊き出しのスープを作っていた。

シスターさんももう二匹の事は普通に調理担当だと思っているし、町の人たちも特に気にしていなかった。

時々、華麗な魔法で料理をする二匹に子どもたちがはしゃいでいた。

「えーっと、今日は列の整理と聞き込みですね」

「嬢ちゃん達も、しっかりと話を聞く事だな。こういう時に、意外な情報を得られるぞ」

「「「はい!」」」

「「「「「グルル」」」」」

クリス、ミュウさん、ティオさんとキングレオなどの魔物たちは、オーフレア様からあれこれ指示を受けていた。

僕と同じ聞き込み班だが、他にも沢山の職員が聞き込みを手伝うという。

因みに、今回はフォレストタイガーがちびっ子達の護衛に付くそうだ。

サンダーホーク達も、大教会の屋根や上空から周囲を監視していた。

「ふふ、みんな元気で良いわね」

「ええ、そうですわね。やる気に満ち溢れていますわ」

全体を監督する王太后様と王妃様も、張り切っているちびっ子達や僕達を見て満足そうにしていた。

勿論、お二人の側ではミカンちゃんが護衛を頑張るぞと張り切っていた。

こうして、万全の体制で年末の奉仕活動はスタートしたのだった。

シュイン、ぴかー!

「どうかな? げんきになった?」

「ええ、体の痛みも良くなりましたわ。ありがとうございます」

「わーい、よかった!」

最初は、アリアちゃんとブライトちゃんがシロちゃんとレモンちゃんを抱いて治療しており、今もブライトちゃんが張り切って治療していた。

こうして未来の国王が民と接するのもとても良いことで、陛下も積極的に進めたいと言っていた。

勿論警備もバッチリで、オーフレア様の娘であるマーヤちゃんもお姉ちゃんとしてみんなを守ろうとしていた。

「いやあ、相変わらずスライムが作った料理とは思えないなあ」

「どうしたら、こんな美味しい物ができるんだ?」

リーフちゃんとアクアちゃんが炊き出しのスープを作っているのを町の人はしていて、それでもスープを口にするなり驚愕の表情をしていた。

リーフちゃんとアクアちゃんは、屋敷の調理師からも料理の話を聞いている。

二匹の日々の勉強の賜物なのだろう。

「【蒼の治癒師】様は、治療はされないのですか?」

そして、僕はというと相変わらず町の人に意見を聞くのをかなり疑問に思われていた。

「今は研修中なので、こうして皆さんから意見を聞いています。恐らく、来年からは働き始めるので奉仕活動の際は治療に戻りますよ」

「そういえば、来年は【蒼の治癒師】様も成人なのね。小さくて可愛らしかったのに、時が経つのはとても早いわ」

僕が意見を聞いたおばさんだけでなく、近くにいる人達もウンウンと頷いていた。

そう考えると、僕も大きくなったんだ。

クリス達も上手く町の人から意見を聞いているが、治安が良くなったという意見も多かった。

スラム街に巣くう犯罪組織を潰している効果が出ているのだと思うが、まだまだこれからも必要だと思ったのだった。