軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第百六十九話 試験の合格発表とケンの研修先

官僚試験後も、僕達は引き続きスラム街での犯罪対策を行った。

王城ではスラちゃん達が連日職員のチェックをしており、幸いにして犯罪組織の関係者は見つからなかった。

その代わり、他の犯罪を犯していた者が見つかった。

中には業者から賄賂をもらっていた職員もおり、直ぐに拘束された。

「次は、兵も調べることにした。そのうち、直轄領にも範囲を広げる」

今日は王城に来ていて、会議室でルーカス様に色々と方針を教えてもらった。

折角鑑定魔法が使えるスライムが沢山いるので、今のうちに色々やっておこうということになった。

すると、王城の会議室にこの人が姿を現した。

ガチャ。

「失礼します。無事に上級官僚試験に合格しました」

「私も、上級官僚試験に合格しました。皆様、ありがとうございます」

実は今日は官僚試験の合格発表日で、クリスとミュウさんも合格発表を確認していた。

無事に合格でき、僕もクリスの父親のビーズリーさんも思わずホッとした。

「二人とも、合格おめでとう。二人の努力が実ったのだろう。これからも、勉学に励むように」

「「はい!」」

ルーカス様も、二人の合格を喜んでいた。

ミュウさんはこれから仕事があるので、足早に会議室を後にした。

「クリスも、ケーラに報告しに行きなさい。きっと喜ぶはずだ」

「はーい」

クリスちゃんも、難しい上級官僚試験に合格したからかかなり機嫌が良かった。

そして、会議室を後にして馬車に乗ってダイナー男爵家へと向かったのだった。

「今年は、若干合格者を増やしている。優秀な者も多かったのもあるし、残念ながら捕まった者もいる。とはいえ、合格ラインを引き下げる事はしない。あくまでも、基準に達した者を合格にするだけだ」

僕も、ルーカス様の方針に賛成だ。

やはり、国の行政を司るのだからそれなりのレベルではないと駄目だと思う。

勿論、会議に参加していた他の人も同様の意見だ。

「しかし、いよいよケン君も上級官僚としての最後の研修に出るようになったか」

会議も終わり、ビーズリーさんが僕に声をかけてきた。

ルーカス様も、感慨深そうにウンウンと頷いていた。

「あの、僕がいきなりこういう重要な会議に出ていいのですか?」

「ケン君は、宮廷魔導師でもあるのだから何も問題はないよ」

「そうそう。できれば、もっと前から難しい会議に出て欲しかったぞ」

だから、ビーズリーさんもルーカス様も、他の人もニヤニヤしながら僕を見ないで下さい。

そんな事を思いながら、僕は会議室を後にして陛下の執務室に向かった。

コンコン、ガチャ。

「失礼します」

「おお、来たか」

「ケン君、待っていたよ」

僕が執務室に入ると、陛下とアーサー様が声をかけてくれた。

すると、職員の席の中に真新しい机が用意されていたのです。

えーっと、これってまさか……

「アーサー様、つかぬことをお聞きしますが……」

「それは、ケン君の机だ。研修を兼ねて、色々仕事をしてもらう予定だ。まあ、ケン君なら楽勝だよ」

あの、アーサー様だけでなく陛下も職員もうんうんとニコニコしながら頷かないで下さい。

完全に予想外なんですけど……

「あの、僕は草取りとか窓拭きとかゴミ捨てをやるのかと思いました。というか、そういう仕事も全然大丈夫です。寧ろやります!」

「まあ、ケンも待て。最初は各部署を見学するが、そんな仕事は任せられない。上級官僚たる者、それなりの仕事を任せないとならない」

嗚呼、陛下にも言われちゃったよ……

僕は、思わずガクッとしながら用意された席に座った。

「ケンは、このまま研修を続けつつ週一回軍に行ってもらう。奉仕活動がある時も、そちらを優先してもらう。【蒼の治癒師】様の二つ名は、ケンが思っている以上に広く広まっている」

普通の人の研修以上に、物凄く忙しくなりそうなんですけど……

とはいえ、この王国のナンバーワンとナンバーツーに文句は言えなかった。

僕は、思わずガクリとしてしまったのだった。

しかし、話はこれで終わらなかった。

「ケン、会議に行くぞ」

「えっ、何の会議ですか?」

「閣僚と主だった者との会議だ。アーサー、ルーカス、ヘルナンデスも出るぞ」

いやいやいや、国の重要な会議じゃないですか。

僕なんかが、出ていい会議ではないですよ。

しかし、僕の願いも虚しく、会議に出ることになってしまった。

そして、会議前に僕がこの場にいて問題ないとヘルナンデス様などが普通に言っていたのでした。

「ただいま……」

「おかえりー!」

何とか研修も終わり、ヘロヘロになりながら屋敷に着いた。

元気いっぱいなケイトちゃんが、ある意味羨ましく思えるよ。

すると、ハンナおばさんが僕に伝言を伝えてくれた。

「今夜は、ダイナー男爵家にてクリス様の試験合格祝いをするそうです。ケン様とケイト様も、是非来て欲しいとの事です」

「わーい!」

クリスちゃんはお祝いに行く気満々だし、スラちゃん達とピーちゃんは既にダイナー男爵家に行っているという。

ということで、僕も急いで着替えてケイトちゃんと共に馬車に乗り込んだ。

今夜は、ミュウさんの屋敷でもお祝いをしているはずだね。