軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第百六十八話 不正な受験者

ケイトちゃんの件も決着し、王家のちびっ子達だけでなくルートちゃんとも仲良くなった。

ケイトちゃんはミュウさんの所の魔物とも仲良くなり、ピーちゃんと屋敷の庭で楽しそうに追いかけっこをしていた。

スラム街での奉仕活動も継続的に行い、どんどんと犯罪組織の拠点を潰した。

こうして、日々が進んでいった。

「クリス、頑張ってね」

「うう、緊張するよ……」

いよいよ官僚試験の日となり、クリスも上級官僚試験を受ける為に早朝に馬車に向かった。

ミュウさんも上級官僚試験を受ける事になっていて、今日まで頑張って勉強をしていた。

きっと今までの努力が実るはずだと祈りながら、僕も軍の施設に向かった。

「えっ、王城でクロちゃんが怪しい人を捕まえた?」

「その通りになります。ルーカス様より、王城に行って欲しいと連絡を受けております」

軍の施設に着いた途端、兵からとんでもない事を聞かされた。

検問をしていたブドウちゃんも、間違いないと教えてくれた。

僕たちは再び馬車に乗り、急いで軍の施設から王城に向かった。

「おっ、ケン君来たか」

王城に到着すると、アーサー様が僕を出迎えてくれた。

そして、兵に取り押さえられている一人の男性がいたのだ。

「来て早々すまないが、この男を鑑定してくれ」

アーサー様の指示を受け、僕だけでなくスラちゃん達も取り押さえられている男性を鑑定した。

シュイン、もわーん。

「あっ、犯罪組織の構成員って出ています。スラちゃんたちの鑑定でも、同じ結果になりました」

「やはりそうか。私も、嫌な感じはしたのだよ」

アーサー様は、たまたま今回の受験生の様子を視察に来たという。

すると、受付でクロちゃんと同時に怪しい男を見つけたらしい。

クロちゃんが拘束魔法で男を捕まえ、そして鑑定魔法で確認した。

それで、これだけの大騒ぎになっていたのか。

因みに、他の受験者は場所を移して受付を行ったらしい。

そして、捕まったのが初級官僚試験の受験者だったので、上級官僚試験を受けるクリスとミュウさんは騒動に巻き込まれなかった。

「うーん、犯罪組織もあの手この手を使ってきますね……」

「それだけ、奴らも必死なのだろう。念のために、今日はスラちゃん達を借りて王城内にいる者を調べる事にした」

この決定は、アーサー様ではなく陛下が下したという。

だから、僕を軍の施設から王城に呼んだんだ。

スラちゃん達も、やる気満々でアーサー様についていった。

さて、僕は軍の施設に戻らないと。

今日は、馬車に乗って移動ばっかりしているね。

「すみません、遅くなりました」

「おー、来たな。気にするこったねーぞ」

今日は剣の訓練なので、急いで訓練場に向かった。

既に訓練は始まっているが、顔見知りの訓練官は事情を知っているからか全然気にしなかった。

僕も急いで訓練に混じり、魔法袋から木剣を手にしたのだった。

「それで、訓練を中断して護送の手続きをしているのですね……」

「全く、不正をしている役人が複数出てくるとは思わなかったぞ」

訓練開始から一時間が経過した時、王城から護送の応援があった。

スラちゃん達が張り切って官僚や職員を鑑定魔法で調べた所、結構な人数に何らかの罪があるのを見つけたのだ。

訓告や戒告で済ませられる者は、キチンと記録を取った上で対応する事になった。

捕まるレベルの者も複数おり、剣の訓練を終了して皆で護送を手伝った。

僕も馬に乗って護送用の馬車を操ったりと、普段できない経験ができた。

一緒に馬車を操っている訓練官も、思わず愚痴をこぼしていたのだった。

こうして、夕方まで完全に予定外の仕事を手伝っていたのだった。

「それで、ケンの方が帰りが遅くてスラちゃん達は王城にお泊りなのね」

クリスは僕よりずっと早く王城から帰ってきており、ケイトちゃんとピーちゃんと遊んでいた。

どうやら初級官僚試験の受付で何かあったのは何となく分かったみたいだが、特に気にしなかったという。

試験自体は上手く行ったみたいで、ミュウさんも手応えバッチリだったらしい。

この分なら、良い結果になるのは間違いなさそうだ。

「僕は、明日も護送対応になりそうだよ。クリスにも頼むかもって、訓練官は言っていたよ」

「馬車の御者なら、私も全然大丈夫だよ」

色々な経験をするのも、勉強のうちだと他の人も言っていた。

一週間はスラム街での奉仕活動もないし、急ぎの治療もない。

ある意味、タイミングが良かった。

「ケンお兄ちゃんとクリスお姉ちゃんは、お仕事いっぱいなんだね」

「ピー」

何だかケイトちゃんとピーちゃんが他人事の様に言っているが、こればかりは仕方なかった。

ケイトちゃんは、まだ小さいし勉強優先だ。

「じゃあ、一緒にお風呂に入ろうね」

「わーい!」

「ピィ」

そして、クリスはケイトちゃんとピーちゃんを引き連れて風呂場に向かった。

僕も、もう少しゆっくりしたらお風呂に入ろう。