軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第百二十三話 王都への帰還と思いがけない慶事

翌朝、いよいよ僕たちが王都に戻ることになった。

身支度を整えて、軍の施設にいるルーカス様のところに向かった。

「先の帰りとなり、申し訳ありません」

「いやいや、本当に良くやってくれた。私も、明後日には王都に戻る予定だ」

代表して、ビーズリーさんがルーカス様と話をした。

魔導船が王都から戻らないとルーカス様は帰れないのだけど、それ以外にもまだやることがあるという。

因みに、代わりの代官はもう少ししたら選ばれる予定らしい。

僕達も、ルーカス様と握手を交わした。

「正直な所、様々な幸運が重なったのだろう。たまたま昨年よりも一日早く視察が行われた事、その視察にケン君たちが乗り込んでいた事だ。それでも、ケン君たちは本当に良くやってくれた」

ルーカス様は、僕達に最大限の賛辞を送った。

本当に色々な偶然が重なったからこそ、物事が上手く進んだのだろう。

王都で会おうと話し、僕達は魔導船に乗り込んだ。

そして、僕達を乗せた魔導船はゆっくりと浮上を始めたのだった。

「はあ、何だかとっても疲れました。まさか、こんな大事件が起きているなんて思ってもいなかったです」

「私も想定外だったと言えよう。しかし、ケン君もクリスも良くやったと言えるだろう」

ビーズリーさんも、思わず苦笑いする事態だった。

でも、仮に僕たちが直轄領に着くのが一日遅れて、代官の偽装工作が上手くいったらどうなったのだろうか。

「たとえ偽装工作が上手くいっても、ゴブリン騒ぎから軍へ調査が入る。そこから、代官に繋がるだろう。いずれにせよ、代官は捕まった可能性が高い」

エレンお祖父様が、色々な予測を話してくれた。

ビーズリーさんも、エレンお祖父様と同じ考えだった。

ハッキリ言えるのは、悪いことをしては駄目だという事だ。

「「ふわぁ……」」

そして、みんなで話していると僕とクリスは同時に欠伸をした。

思ったよりも、疲れが溜まっているのかもしれない。

「クリスもケン君も、疲れているのだから暫く寝ていなさい」

「「はーい……」」

ビーズリーさんにも言われ、クリスと肩を寄せ合って目を瞑ったら直ぐに眠ってしまった。

スヤスヤと眠る僕とクリスを、エレンお祖父様とビーズリーさんは微笑ましく見ていたのだった。

「あっ、王城が見えてきたよ!」

直轄領を出発して数時間、遂に遠くに王城を見ることができた。

クリスとスラちゃん達は、魔導船の窓に張り付いて歓声をあげた。

僕はというと、ようやく王都に着いたという安堵感に包まれていた。

無事に魔導船は王都の軍の施設に着陸し、僕達は出迎えの馬車に乗って王城へと向かったのだった。

「四人とも、無事の帰還何よりだ。事件解決に導き、直轄領の多くの領民を救ったのはとても大きな功績だ。事件の全容解明が進み次第、謁見を開いて功績を労おう」

「「「「はっ」」」」

王城に到着すると玉座の間に案内され、僕達は陛下に王都到着の報告を行った。

今回の代官の不正は、王都にいる人事系の貴族や官僚も不正な贈収賄を受けていたことが分かった。

事件解決までには、もう少し時間がかかるという。

そして、玉座の間から応接室に移動すると僕は熱烈な歓迎を受けた。

「いたー!」

「「「あうー!」」」

よちよちとやってきたルートちゃんに加えて、王家の双子ちゃんとジョセフちゃんが僕のところにやってきた。

ジョセフちゃんは、シーリアさんに連れられてだけどね。

一瞬にして、僕の周りは赤ちゃんまみれになった。

「いやあ、ケン君は相変わらず赤ちゃんに好かれるわね」

「ええ、そうですわね。赤ちゃんも安心できるのでしょうね」

シーリアさんとメアリーさんは、赤ちゃんまみれになっている僕をにこやかに見ていた。

しかし、これでは話ができないのでお母さんたちに赤ちゃんを受け取ってもらった。

ルートちゃんだけは、僕と一緒にいるという断固たる決意を持っていたけど。

「でも、みんなが無事で本当に良かったわ。最初ゴブリンの襲撃があったと聞いた時は、本当に驚いてしまったわ」

「私もですよ。思わず駆けつけようと思ったわ」

フリージアお祖母様とシンシアお姉様も、元気そうな僕たちを見てホッとしていた。

その後も、僕たちはお土産を渡したり温泉のことを話したりした。

女性陣全員が、温泉に入って良いなと本音が漏れていた。

そんな中、スラちゃんが僕達が特大のびっくりをするあることに気がついた。

ちょいちょい。

「えっ、えー!? お、王妃様が妊娠中!?」

「「「「「えっ!?」」」」」

「あらあら」

ここにいる全員が、王妃様を振り返ったのです。

確かに王妃様はまだ三十代だけど、既に孫がいますよ。

僕が鑑定魔法で確認しても、間違いなく王妃様は妊娠していた。

当の王妃様はというと、頬に手を当ててにこやかにしていたのです。

「孫が産まれて、やはり赤ちゃんって良いなって思ったのよ。それで、ちょっとね」

王妃様は、にこやかにうふふと微笑んでいたのです。

どうやら、王妃様はおしとやかに見えて肉食系でもあるみたいですね。

とはいえ、慶事であるのは間違いないので、謁見の際に報告することになった。

その後は、まだ未婚のシンシアお姉様とクリスに大人たちが赤ちゃんは可愛いわよと話していた。

大人たちの圧に、シンシアお姉様とクリスはタジタジになったのだった。