軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

605

ニコラスさんが帰った後、私はライアンに話の裏を取ってもらいました。

疑っているわけではなく半端な情報だけ与えていくスタイルのニコラスさんに対してうちのシゴデキ執事がちゃんとアフターフォローしてくれるってだけですよ!

うちの! 執事の方が! イイコだからね!!

で、ライアンが調べてきてくれたことによると、ミュリエッタさんに片思い中の男性はなんと二十五歳。

見た目が三十代半ばに見える老け顔ですって添えられていた。

えっ、まあ年齢差はともかくライアンのこの容赦なく添えられた一言に私はどういう表情をしたらいいんでしょうか……。

(三十半ばに見えるってことは、ミュリエッタさんと並ぶと親子までは行かなくても……結構な年齢差ってやつよねえ。あくまで見た目が。見た目が!)

だって年齢だけならアルダールと近いですもの。

気を取り直して。

末端とはいえ侯爵家のご令息で三男坊、遅くにできた子だったこともあって侯爵夫妻が溺愛していたらしい。

ちなみに長男は三十五歳で、次男は三十三歳。

もうすでに代替わりしてもおかしくはないのだけれど跡取りの長男夫婦の奥さまの方に持病があって、今絶賛治療中とのことで爵位譲渡は延期となっているらしい。

ちなみに次男はすでにとある伯爵家に婿入り済み。

(まあ、悪くない家柄の男性と言えばその通り、かな……)

侯爵家としては末端だけど、夫人の生家が国外との縁を持っている関係で侯爵とその長男は外交関係の部署に名を連ねているそうだ。

おそらく、フィライラ=ディルネさま……というよりは、あちらの国との繋がりってやつはそこに関係しているのでしょう。

(まあ、フィライラ=ディルネさまとしては無下にするのもなって程度か……)

治癒師として働くミュリエッタさんに怪我を治療してもらったけど関係もほとんどないしってことで、フィライラ=ディルネさまのお茶会にかこつけて『お礼を言いたいから』と参加権をもぎとって彼女を誘ってくれるようお願いしたってところですかね?

まあその程度の願いだったら、却下する方がフィライラ=ディルネさま側としても失点に繋がりかねないし難しいところだったんだろう。

今回のお茶会はそうした治癒師や、治癒師たちを後援する貴族たちを中心に招く茶会……という計画になっているそうだ。

夫婦やパートナーの参加も可としているあたり、フィライラ=ディルネさまなりに気を配っているのが窺える。

いっくら例の老け顔貴公子がミュリエッタさんに言い寄ろうとしたところで、正式な婚約者が彼女の隣にいるなら無体な真似はできないでしょうからね!

まあそもそも他人の庭で人の力を借りてよそのカップルに割って入ろうっていうのもどうかなと思いますが……。

こういうことする人、たまにいるんですよね。

そんなだから高位貴族は権力を笠に着てやりたい放題だ! なんてゴシップ誌などでいい笑い話にされちゃうんですよ!

「ご苦労さま、ライアン」

「いいえ、この程度でしたらいつなりと。必要であれば招待する予定者リストも手に入れて参りますが」

「そこまでは必要ないわ。私たちが気をつけるべきは、王女殿下なのだから」

「はい」

ミュリエッタさんも誘うとなれば、きっとフィライラ=ディルネさまも王太子殿下に相談していることだろうしね!

そこからリード・マルクくんにも話が行くだろうし……そこでどう対応するかは彼らが決めることだ。

「近衛騎士隊に迷惑をかけたらしいけれど、その件については?」

「従兄が近衛騎士隊に所属しているらしく、挨拶 ついで(・・・) にバウム卿へ話をしに行ったようです。その件で従兄もキツく苦情を申し立てたようですので、あちらに今後迷惑はかからないかと」

「そう……」

ならとりあえずアルダールのストレスは少しだけ減るのかしら。

その分、こっちに来た……わけでもないですし、とりあえずは静観ですかね!

プリメラさまも「顔を出すだけでいいや」って仰るかもしれませんし!!