軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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強烈なメンバーの登場とバルムンク公爵の成長? というか、真っ当になった? そんな姿を見せられて唖然としている間に、私はメイナに連れられて王女宮に戻っていました。

いやまあ、あそこに残る理由もないので問題ないといえば問題ないのですが……。

その後、メイナには心配されましたしスカーレットは私の代わりに苦情を言ってやったと胸を張って言われるしで、もう……あれ? 私が悪かったんですかね……?

あんな大災害みたいな人々……といっては失礼でしょうが、濃いメンツが一堂に会したのは私の責任ではないと思うんですが……。

とりあえずあの子たちを宥めてから、昇給の話はきちんと伝えましたよ!

それまで怒ったりしていた二人ですが、あっという間に手を取り合って跳ね回り喜ぶからほっこりしました。

でもまあいつまでも騒いでいてはいけないので、そこはきちんと叱りましたけどね。

可愛いじゃありませんか、頑張った甲斐があります。

この昇給が彼女たちにとって、これからのやる気に繋がれば嬉しい限りです。

(まあ、心配をかけちゃったことは反省しましょう。……特にあの時の、あの発言は格好つかなかったなあ)

ビシッと言ってやろうとしたところで出た発言が『廊下を走るな』でしたしね……。

私も相当テンパっていたんだと思います。そういう点はまだまだです。

(いや、あれはなかったな……)

さすがにエイリップ・カリアンさまにも申し訳なかったと少しだけ思っています。謝る気はないですが。

だってほら、廊下は走っちゃだめでしょう……?

エイリップ・カリアンさまとの接触がないだろうと油断していたのは確かです。

それと、ミュリエッタさんについても。

(……ミュリエッタさんといえば、どうしてあの時私を庇ったのかしら)

正直、彼女の行動がまったくもって理解できません。

私のお義母さまに対しての反応だったり、あの時のパーバス伯爵家での発言だったり……。

それまではもう猪突猛進に『自分こそがヒロインだから、アルダールと恋仲になるのだ!』というそれだけを目的に動いていたように見えたものですが……。

なにかしら、彼女にも変化があったのだということはわかりますが、それがどういう方向なのかまったくわかりません。

庇われたってことは、嫌われていないってことなのかしら……彼女もアルダールが関係しなければ基本的に悪い子じゃないとか……?

まあ、だからといって私も仲良くしたいとかそういうのはありませんけどね!

とりあえずよくわからなくてもやもやする程度でしょうか。

何度目かのため息の後、私は今日の日誌を書き終えて戸棚に戻しました。

お茶でも飲んで寝ようかなと思ったところでノックの音がして、思わず身構えたのは勿論昼間の件ですよ!

どうしましょう、開けてまたエイリップ・カリアンさまの隊長さんがいたり、統括侍女さまからの呼び出しだったりしたら!

いえ、私は悪くない。

堂々としていなければ!

内心ビクビクしつつドアに向かって「どうぞ」と声をかけると、入ってきたのは私の予想外の人物でした。

「やあ。……声が随分固かったけど、どうかしたのかい?」

「アルダール!」

そう、それはアルダールだったのです。

いつもと変わらない……とは様子が違うように思いました。

ぱっと見ただけでも少し疲れているようでしたし、よく見ると隊服と共に着ているマントも少し汚れている気がします。

「アルダール、まあ……どうしたの、あの」

「ああ、ようやく任務が一段落してついさっき帰城したんだ」

入室してきたアルダールが後ろ手にドアを閉めて、ふーっと息を吐き出しながら喉元を緩める仕草はなんかこう、色気たっぷりで思わず私は目を逸らしてしまいました。

いや、あれは別に深い意味なんてない!

だって、近づいてみるとはっきりわかる疲れの色。

「報告を終えて、その足でユリアに会いに来たんだ。ごめん、こんな格好で」

「いいえ! ……あの、お疲れさまでした。おかえりなさい」

「うん、ただいま」

私が労いの言葉を口にすれば、アルダールは嬉しそうに微笑んでくれました。

あちこちのモンスター退治に駆り出されて忙しかったのが一段落!

これを朗報と言わずなにを朗報と言いましょう!!

あれっ、でも今のやりとりなんか新婚夫婦っぽくない?

思わず自分でそんなことを意識してしまうと一気に恥ずかしくなってしまいました。

そんな! つもりじゃ! なかったんです!!

ですが、その恥ずかしさもすぐに吹き飛んでしまいました。

アルダールが私を抱きしめたまま、ぐったりとしていたから。

「……お茶でも、と思ったところだけど本当に疲れているのね」

「まあ、ね……。モンスターは昼夜問わずだったから。さすがにここまであっちこっち連れ回されるとは思わなかった」

「そう……あの、怪我とかは」

「ないよ」

アルダールがくすくす笑いながら私をぎゅぅっと抱きしめてきました。

決して苦しくはないんですが、強くて身動きができません。

(いやじゃないけど、アルダールの顔が見えない)

私が身じろぎしたからでしょうか、アルダールが肩口で笑うのをなんとなく感じました。

でもそれもやっぱり力がないっていうか……。

「ごめん、汗臭いかもしれないけど……もう少しだけ、こうしていたい」

「え? いえ、そうじゃなくて。あの、これじゃアルダールの顔が見えないなって」

「……あー……」

私の訴えに、アルダールはまたため息と一緒にぎゅっと抱きしめてきました。

うっ、今度は少し苦しいぞ?

思わず抱きしめ返していた手でアルダールの背中を叩けば、すぐにその力は和らぎましたが。

「ユリア」

「はい」

「……今度、休みがもらえるんだ」

「? はい、そうですね……?」

アルダールの言葉に私は首を傾げました。

いや、ほら。私たち公務員ですからちゃんと休日とかあるので変だなって。

そりゃまあ決まった曜日とかそういうのではないのですが……だからアルダールの言葉に疑問が浮かんだわけですが、そこは突っ込まないでおきました。

しかしそんな私の様子を理解しているのでしょう、アルダールが私を抱きしめたまま笑っています。

「前に、話したろう? ちゃんと、話をするって」

「え、ええ……」

「だから、日がわかり次第知らせる。……ユリアにも休日を合わせてほしい。二日間、連日になると思うんだけど……」

「わかりました」

何の疑問もなく即答すれば、アルダールがぱっと体を離して私のことを呆れるように見て……いやなんで?

思わずきょとんとしちゃったじゃないですか。

「あのね」

「え? はい?」

「あーいや、うん。私を信頼してのことだとわかっている。わかってるけどね、そう即答されると色々こちらとしても思うところが……」

「はい?」

「……いや、なんでもない。それじゃあ、そろそろ戻るよ」

歯切れの悪い物言いでしたが、アルダールは最後にはいつもの様子で去って行きました。

なんだったんだと首を傾げて、内容を考えると……話をしてくれるってこと自体は問題ないわけで。

休日を合わせる。

それはいつもの……いや、いつものじゃないな?

(二日間、連日。……どこか泊まりがけで出かけるとか? いや、泊まりがけ!?)

あーそりゃそうだよねー!!

未婚の男女、それも泊まりがけだっていうのに即答オッケーってはしたないって思われたりしたかな!?

私はようやくそこに考えが至って、がっくりと膝をつきました。

恋愛度成長したと思うのに、ここでこんな凡ミスをするなんて……。

くっそう、まだまだだった……!!