軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

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アルダールが来てから色々疑問が解決されつつあり、そして新しく疑問が生まれたわけですが……。

何とかその辺りはセバスチャンさんの協力を得て頭の中で整理ができました!

まず、アルダールは私に矛先が向かうことをよく思っていない。

まあこれはわかる。私も私が原因の出来事が、手を出しにくいから……ってアルダールに向かったら自分の方で解決しちゃる! って思うから。

(けどわからないのは、アルダールがその行動をするので損をするのは誰かってことよね)

そこが分かったところで、私に理解できるのは『何を狙っての行動か』ってだけで根本的な解決……つまり、囮からの解放はあり得ないんだけども。

とにかく、アルダールが言っていたことを考えれば彼の勤務状況に影響を及ぼすことができるくらい高位で、逆らえないけど抗議で私を護衛するのに近衛騎士隊長が手筈を整える……となれば大分絞り込める。

近衛騎士隊に命を下せるのは、国王陛下ただ一人。

でもハンスさんの話だと、近衛騎士隊は私とアルダールの味方だという話で……どんな話をされているのか考えるとかなり気になるけど、聞いたら聞いたで色々居た堪れなそうだな、止めておこう。

(とにかく!)

それらを踏まえてわかることは、国王陛下に『よきにはからえ』と言わせるだけの影響がある人。

となると、高位貴族……の中でも限られた人。例えば宰相閣下とか?

或いは、王弟殿下。それから、王太子殿下。

それだとプリメラさまも該当するけど、まずない。断言する。

だとすれば、あとは信頼している臣下であるバウム伯爵さま……これはないかな、アルダールが働きかけてるのにさらにそんなことしたら親子喧嘩の元だものね。

「ユリアさん、今よろしいですかな」

「あらセバスチャンさん、どうしました?」

「例のパーバス家の坊主が大人しかった理由はユリアさんの恋人が頑張ったおかげのようですなあ。いやあ愛されておいでで」

「……からかうのはナシですよ」

「すみません、ついつい」

セバスチャンさんの情報網はよくわかりませんが、ミュリエッタさんのことでニコラスさんが関与してくる以上大体セバスチャンさんとは情報を共有していた方が安全だろうと結論付けたのです。

いえ、まあ私が未熟な頃からお世話になっている相手でもあるのでついつい相談しやすいっていうのもあるんですが……こほん。

「それで? この間大人しく去ってくれたのは職場の上司を前に言い訳がしづらかったからかと思っていましたが、違ったんですか?」

「ええ。どうやら どこからか(・・・・・) 圧力があったようで家でも腫れ物扱いのようですな。次期当主殿からするとたった一人のご子息ですので、勘当はせずにいるようですが」

「まあ」

あれだけ色々やらかしておいて、いまだに自由にさせてもらえているってことに私は驚きなんですけどね。王都までミュリエッタさんを探しに来るとか暇なのかと言いたくなるくらいですが。

実際問題、暇なんでしょうけど。

それだけ時間があるなら勉強の一つでもしたらどうかと思うんですが……主に道徳とかどうですかね、エイリップ・カリアンさまでしたら学ぶことが多くてきっと有意義な時間の過ごし方になると思うんですけど!

「とはいえ、どうやらそろそろのようですぞ」

「なるほど。わかりました」

私はセバスチャンさんの言葉に頷いてみせましたが、内心はどっきどきですよ。

そりゃまあ、ご当主が危篤とかそういう話だと医師の出入りが激しいとか近場ならわかりますけど……王城から結構距離のある地方領主のそんな様子が何でわかるんでしょうか……。

聞いてもにっこり微笑まれただけなので私、何も知らないままなんですけど。

「予定を変更することにしました」

「変更、ですか」

きょとんとしたセバスチャンさんに私はにっこり笑顔を浮かべました。

そう! お義母さまにも言いましたが、お義母さま、またはメレクを監禁、とまではいかなくとも軟禁状態にして私をおびき寄せようというならば、私から出向こうじゃないか!

勿論、やすやす絡めとられるつもりはないので最高の護衛付きで!

パーバス伯爵さまのお宅にご挨拶に伺うのは血縁者であるお義母さまを筆頭に、本来ならばメレクですが、あの子は次期領主としての役目が忙しいとでも言っておけば何とでもなります。

さすがに次期領主であるお義母さまの兄が、伯爵襲名という時にはそうもいかないかもしれませんが。

でもまあ、お祝いのお手紙と贈り物で済ますことも世の中よくあることですからその時はまたその時考えれば良いのです。

「ええ。どうやら私の行動は色々と目立った方が良いこともあるようですから」

「ほお、なるほど」

「ええ。メッタボンにはお留守番に徹してもらうことにします」

「それはそれは。彼は残念がるでしょうなあ」

そんなに長居する気はありませんから残念に思われるのも。

当初はメッタボンを連れていくつもりでした。なんせハンスさんが不穏な話し方をしていましたからね……道中どころか行った先も帰る時も気をつけなくちゃいけないだなんて大変すぎるでしょ!?

でも色々と耳にしたんですから、この際ちょっとばかり私だって行動しても許されるのではないでしょうか。

別に時間外労働のお給料を出せって嘆願書を突き付けるわけではありません。ほんのちょっぴりご協力いただけたらそれで済む話です。

「それで? どうなさるんです?」

「まずは王弟殿下にご挨拶してくることにします」

私の言葉にセバスチャンさんは満足そうな笑顔を見せました。

どうやらなにかはわかりませんが、及第点をもらえたようです。

……一体なんのですかね? 泣き寝入りしないってところでしょうか……。

案外セバスチャンさんは血の気が多いダンディですからね……。

「では私の方でお伺いする旨を連絡しておきましょう」

「ありがとうございます」

「王女殿下には?」

「これからご説明をしようかと」

「わかりました」

なにせ不幸はいつやってくるかわからない。

だから事前にお休みをいただくなんてできませんからね……急にお休みをいただくことになるかと思います、で説明をするつもりですとも。

「それとですが、公爵夫人が後程こちらに来られるそうですぞ。なんでもユリアさんにご用がおありだとかで」

「ビアンカさまが?」

それは予想外だ。

もしかして、例の息抜きにどこかへ行こうってやつが決まったのかな?

でもいつもなら、クリストファがくるのに……そんな私の疑問に答えられる人は勿論いないので、セバスチャンさんは必要なことは終えたと笑顔で出ていきました。

「ふむ」

とにかく今はプリメラさまに報告して、そういうことだからお休みがいつ入ってもいいようにメイナとスカーレットにも割り振りをして……。

ビアンカさまにはやっぱりお菓子が必要よね。

折角だからとっておきのグミを出しちゃいましょうかね!

ビアンカさまはきっと市井のお菓子はそんなに手に取る機会がないはずだから、きっと珍しがってくれるに違いありません。

(喜ぶ顔が目に浮かぶなあ!)

ちょっとした女子トークだってできるんじゃないでしょうか。

どれくらいお時間あるかわかりませんが、人払いもして、恋のお悩み相談とか……。

いえ、別にアルダールにはめられて私からキスしなきゃいけないことになったけど別に私が言い出したわけじゃないんだから反故にしたっていいのよねっていうだけなんですけど、しなかったら拗れるのかなとかそんな……ね?

それに、ビアンカさまならお茶会を通じて情報通でもあるのです。

恐らくこのタイミングで来られるのにはきっと、何か理由があるに違いありません。

「よっし!」

まったくもって情報整理しても厄介そうだということしかわからない上に楽しくないスケジュールしか明確にはありませんが、そういうことはちゃっちゃと終わらせてやりましょう!