軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

46.新しい魔法

「新しい剣はどうだった?」

「前よりもちょっと重いけど、切れ味が格段に上がったぞ! 魔物を仕留めるのが簡単になった!」

「今まで二回攻撃しないと倒せなかったのが、一回の攻撃で倒せるようになりましたしね」

「時間がそんなにかからなくなったから、今日はいつもより報酬が高くなっていた」

夕食中、新しい剣の具合を聞いてみるとクレハはちょっと興奮したように言った。今までのショートソードが粗悪品だったからか、良く斬れなかったらしい。新しく買った剣の切れ味に感動しているみたいだ。

昨日、早めに帰って来させると、鍛冶屋へと行って新しい剣を見繕った。どんなものを買っていいのか分からなかったから、店員に聞いてクレハに合う武器を選んだ。

新しい武器はショートソードよりも少し細くて長い剣になった。あとは鞘を買い、ベルトを新調する。かなりの金額を取られたけど、これは必要経費なのでしっかりと全額一括で払った。

でも、作物の売上や魔物討伐の報酬でかなりのお金が貯まっていっているからお金の心配はない。一回売ったビートの金額が結構大きかったから、そのお陰でもある。砂糖が上手くいくともっとお金が入ってくるようになるから、生活が今以上に快適になるかもね。

「二人とも、何か欲しいものとか必要なものがあったら何でも言ってね。お金に余裕があるから、我慢せずに買えると思うよ」

「ウチは革鎧とかが欲しいな。今は敵が弱いから必要ないけど、強くなっていくとそれなりに防具も必要だと思うんだ」

「今は必要ありませんが、その内防御用のコートなんていうのがあったら欲しいですね。布の服じゃちょっと心もとないので」

「欲しいのは防具か、じゃあ必要になったら買おうか」

なるほどね、確かにただの布の服じゃ心もとない。強くなるとその分危険も増えてくるから、しっかりとした防具を買ったほうがいいだろう。

「そういえば、今日は途中から体にいつもとは違う力が溢れてきているような気がしました」

「あ、そうそう。いつもよりも力が増えたな気がしたんだよな」

「へー、なんだろうね」

レベルでも上がったのかな? でも、ここには本人のレベルの概念がないし、あるとすればスキルとか魔法とかが増えたりすることだけど。スキルとか魔法のレベルが上がったのかな。

……レベルアップ? もしかして、称号のレベルが上がった?

「二人とも、ちょっと鑑定していい?」

「もちろんだぞ」

「はい、いいですよ」

私は久しぶりに二人に鑑定を使った。

【クレハ】

年齢:十歳

種族:狼獣人

性別:女性

職業:冒険者

称号:勇者の卵 レベル二

【イリス】

年齢:十歳

種族:人間

性別:女性

職業:冒険者

称号:聖女の卵 レベル二

「二人とも、称号がレベルアップしているよ!」

「本当か!?」

「本当ですか!?」

とうとう、二人の称号がレベルアップした。やっぱり、称号にレベルの概念はあったんだ。称号の名前からして、この上の段階はあると踏んでいたんだけど、こんな風に段階が必要なレベルアップの仕方なんだ。

最大は何レベルなんだろうか? その辺りは良く分からないけれど、二人が強くなって本当に良かった。ということは、私の称号もレベルアップしているんだろうか? 鑑定してみよう。

【ノア】

年齢:十一歳

種族:人間

性別:女性

職業:農業者

称号:賢者の卵

あれ、私の称号に変化はない。ということは、私の称号のレベルアップは二人の称号とは関係ないっていうことなのかな? そういうことなら、どうやってレベルアップさせたほうがいんだろう?

「なぁ、ノアの称号はどうなっているんだ?」

「私の称号はレベルアップしていなかったよ」

「えっ、そうなんですか? ということは、私たちの称号とは関係性がないっていうことなんですかね」

「うーん、どういうことなんだろうね。ちょっと検証が必要かな」

「なーんだ、残念だ。新しい魔法が使えたらって思ったのにな」

私も残念だ、新しい魔法を期待していたんだけどな。明日から、どうやったらレベルアップするか検証してみよう。

翌朝、目が覚めた私は違和感を感じていた。体の中に何かが入っているような、違う存在を感じている。起き上がってボーッと考えるが何も思いつかない。

のっそりと立ち上がり、石の家の外に行く。朝日を浴びながら体の違和感を考える。体調が不良なわけじゃないし、体のどこにも異変はない。だったら、この違和感の正体は?

またボーッと考える。そういえば昨日の二人もそんなこと言ってたな、体の中に何かが……もしかして! 私は自分自身に鑑定をかけた。

【ノア】

年齢:十一歳

種族:人間

性別:女性

職業:農業者

称号:賢者の卵 レベル二

「レベルが上がってる!」

嘘、何もしてないのにレベルが上がっている。どうして、どうやって上がったの!?

考えられることは、やっぱり二人の称号と関係性があったことだ。もしかしたら、私まで反映するのに時間がかかったのかもしれない。私までに反映するのに一晩くらいの時間が必要だったということだ。

この体の違和感はレベルが上がったこと以外にもきっと理由があるはず。例えば新しい魔法を覚えたとか。私は自分のステータスを開いた。

【ノア】

年齢:十一歳

種族:人間

性別:女

職業:農業者

称号:賢者の卵 レベル二

攻撃力:24

防御力:23

素早さ:31

体力:39

知力:63

魔力:75

魔法:生活魔法、火魔法レベル四、水魔法レベル四、風魔法レベル四、地魔法レベル四、氷魔法レベル四、雷魔法レベル四、植物魔法レベル四、魔動力

スキル:鑑定

「すっごいレベル上がってる! それに何か新しい魔法も覚えている!」

魔法のレベルが上がり、魔動力という魔法が使えるようになっていた。私の仮説があっていた! 称号がレベルアップして、レベルアップすれば新しい魔法を覚えるということだ。良かったー、合ってた。

それにしても、この魔動力っていう魔法……どういう力があるんだろう? ちょっと鑑定をしてみよう。

【魔動力】魔力で物を動かす力

魔力で物を動かす力? なんていうか、前世でいうサイコキネシス的なものなんだろうか?

「大きな声を出して、どうしたんだノア」

「驚いていたみたいですけど、何があったんですか?」

あ、二人が起きてきた。

「聞いて! 今朝起きたら私の称号がレベルアップしていたの!」

「何、本当か!?」

「やりましたね!」

「うん! やっぱり二人の称号と連動しているみたいだった!」

「それで、新しい魔法は覚えたのか?」

「うん、魔動力っていう物を動かす力を手に入れたよ」

「へー、なんだか面白そうな魔法だな。一回使って見せてくれ」

そうだね、一回使ってみないことにはこの力がどんな力なのか分からない。石の棚からコップを持ってきて、手のひらの上に乗せる。

「それじゃ、やってみるよ」

意識をして新しい力を体の中から呼び起こす。魔力がいつもとは違う動きをしてきた。このコップが回るように念じると、コップが手のひらの上で回転し始める。

「おぉ、凄い!」

「回りましたね」

何も手をかけていないのに、コップが自動的に回り始めた。今度は違うことをしてみよう。えーっと……宙に浮かせることはできるかな? 念じて魔力を解放してみる。すると、自分がイメージした通りにコップが宙に浮いた。

「なっ、コップが浮いたぞ!?」

「こんなこともできるんですね」

なるほど、この魔動力は三次元に物を動かすことができるんだ。この魔法がどんなことに使えるのか今は分からないけれど、きっと良い活用方法があるはずだ。役立つ力にするために頑張って模索していこう。