軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

549.修学旅行25 帰宅

学院を出発して約二ヶ月。昨日、ようやく修学旅行が終了した。今日は、疲労からの発熱がないか確認の為の経過観察日でウチの学年だけ授業はお休み。しかも今日は、雷の日つまり明日、明後日は週末で三連休。

「何しようかなぁ〜」

「何って、何が?」

「えっ? だって三連休じゃない? だから何して過ごそうかなぁ〜って」

「あー、そういうことか」

「みんなは何するの?」

騎士科寮の食堂で朝食を食べた後、授業もないのでまったりとお茶をいつものメンバーでしていた。他の学年の生徒はすでに学院へ授業を受けに出たので、寮に残っているのはウチの学年だけ。食堂には、私たち以外にも何人か残ってお茶をしたり、おしゃべりしたりしている。

この三連休に実家に帰る生徒も多く、その場合は寮母さんに届け出を出さなければならない。

やっぱり家に帰るまでが修学旅行ってことかしら?

「俺とリキ、ダガー、ブラッドは昼食食べたら家に帰る。な?」

「そうそう。修学旅行のお土産も渡したいし」

「俺も」

「俺もだ」

そう答えたのは、王都組のソウヤ、リキ、ダガー、ブラッド。

「俺は、もう少ししたら帰る」

「俺も」

「私も帰るわ。お土産もそうだけど、コレもあるしねぇ」

昼食も食べずに出発する予定なのは、カリム、エド、ベル。そして、ベルが言うコレと言いつつヒラヒラと振るプリントは進路希望調査表。来春には、最高学年になる私たちはこの三連休明けに担任に提出しなければならず、昨日担任から渡されたのだった。

「あー、そうだった」

「おいおい。昨日の今日で忘れてたのか?」

「んー。考えたくなくて頭の隅に置いてたけど、朝になったらなくなってた。てへっ」

「いやいや。てへっ、って可愛くないからな」

「「「「「うんうん」」」」」

「ベルゥー、みんながイジメるぅー」

「はいはい。でも、ジョアンもそろそろ小父様とちゃんと話し合わないとでしょ?」

「……そうなんだけどね」

私も進路希望を決めるにあたって、ちゃんとお父様と話し合わないといけないのはわかっているけど……。以前、そんな話をした時に命令を使ってでも反対する的なことを言われたせいで、進路についてはなかなか会話が出来ない状況だったりする。

「とりあえずジェネラルに帰るか、って言ってもタウンハウスに行くだけだけど」

「良いよなぁー。俺は今から帰っても夕飯に間に合うかどうか」

「それは俺もだけどな」

「間に合うならいいじゃない。私は今日中に着くかどうかよ?」

社交界にはまだ早いこの時期は、タウンハウスに誰もいないようで領地に帰るという。カリムとエドの領地は王都から馬を飛ばしても9刻間は掛かるらしい。そしてさらに遠いバースト領は半日以上かかるので、日付が変わるかどうかという。

「あのさ、送っていこーー」

「「本当か?」」「本当に?」

領地まで【転移】で送るか確認しようとしたら、食いぎみで確認して来た三人。わかるよ。遠い領地まで帰るのが大変だってのは。

「あーでも、バースト領はまだしも俺の領とエドのレルータ領は来たことないんじゃないか?」

「確かに。ジョアンは一度でも訪れないと【転移】出来ないだろ?」

「いやいや、ほら、私にはベルデという有能な子がいるから。だから、馬連れでも大丈夫だよ」

私が、というかベルデが送ることになったので三人はゆっくりして帰ることにしたらしい。ということで、騎士寮で昼食を食べた後は王都メンバーの帰宅に同行しつつ、リキの実家の『オアシス』やソウヤのおばあちゃんのスパイス屋、ダッシャー商会に顔を出して買い物をした。そして、再び騎士寮に戻って準備して私たちの出発となった。

「じゃあ、まずはエドかな? お願いね、ベルデ」

『かしこまりました』

シュン。

「おぉー、レルータ領だ。あっ、屋敷寄っていけるよな?」

エドの誘いもあって、レルータ子爵家にお邪魔させてもらった。エドパパのレルータ子爵と相変わらず可愛らしいレルータ夫人が出迎えてくれた。お茶をした後、新ソバーを頂き次に向かうはカリムのスミス領。

シュン。

「……やっぱり、何度経験してもすごいな【転移】。本当に助かった。もちろん我が家でももてなすぞ」

スミス伯爵家でも、もてなされお茶の飲み過ぎで腹がタプタプに。お土産と称して、新作のガラス蓋つきキャセロールを頂いた。以前に、こんなのあればなぁーなんて話していたものが実際に作れるって、スミス領の職人すごいな!

「お待たせ。最後はベルね」

「ううん。ありがとう。時間もかけずに帰れるの本当に嬉しいわ」

ベルをバースト領に送り、さすがにおもてなしは辞した。代わりにと新米を頂いたので、ほくほくです!

「さー、私も腹を決めてお父様と話しますかね」

『では帰宅致します』

「うん。さ、みんな帰ろう」

ようやく私もランペイル領に戻り、長かった修学旅行は終わりを迎えた。