軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

539.修学旅行16 担任の悪ふざけ

その悪ふざけとは、交流を深める為に騎士学校の教師達と我が騎士科の教師達の飲み会での席で行われた。

「いやー、さすがアニア国というか女生徒も中々の強者揃いですねー」

「いやいや、ブライアン先生。そちらのジョアン嬢もベル嬢も中々ですよ」

最初は、お互いの生徒達を褒め合っていたらしいが、酒が進むと気も大きくなるらしく……

「そりゃあねぇ〜。ジョアンはランペイル一族ですし〜、“食の女神”だけあって料理も上手いですし〜、気遣いも出来る良い子なんですよ〜。ベルだって、ジョアンの良い影響を受けてますからね〜、ウチの子達は最高ですよ〜」

「ほぉ〜。だけど我がアニア国の女生徒は持ち前の身体能力が人族とは別格ですよ」

と、自分の生徒自慢に発展したらしい。さらに飲み続けた担任達は……

「いやね〜、モテるのはジョアンとベルれすよ。間違いにゃく!」

「にゃにを言ってりゅんれすか? モテるのはラグナとジュノに決まってりゅ!」

「「勝負ら!!」」

勝負の勝敗は、私、ベル、ラグナ、ジュノにデートを申し込んだ人数。泥酔状態で訳の分からない勝負をすることを決め、負けた担任はパンイチで演習場を走るという罰ゲームをご丁寧に契約魔法を使ってまで結んだらしい。

しかもブライアン先生は、翌日にはそのことをすっかり忘れていたらしい。思い出したのはベッドのサイドテーブルにあった契約書を見つけた時。しかも契約書は、すでに血判済み。ブライアン先生は、ヘクタール先生を叩き起こして詳細を聞いて真っ青になったそうだ。ちなみに、他の先生達は何度も止めたが強引に契約したらしい。その後、食堂に行くとアドルフ先生が頭を抱えていたそうだ。彼の記憶もブライアン先生と同じだったようだ。

そして賭けの対象とされた私達四人を呼び出し、勝負について正座で説明する担任達とその後ろには苦笑している他の先生達。もちろん私達が賭けの対象にされた事に、怒らないわけはない。しかし契約魔法まで結んでしまったので、仕方なく勝負をする事になったのだが、私達からも条件を出した。

一、申し込み期間は一週間。受付は担任。

二、本当にデートするには、私達から打ち合いで三勝しなければならないこと。

三、打ち合いができるのは、申し込み者の中で上位五名まで。そして、一人につき五回まで。

四、審判は、担任が立ち会うこと。

五、全てが終わった後に私達四人に奢ること

もちろん担任達は条件について文句を言える立場ではなく渋々なりにも了承していた。そして、その日に担任達が各クラスのホームルームで発表したことで、毎休み時間や寮などで担任達は囲まれていた。

そして受付開始して一週間後、申し込みの結果がわかった。

一位……ジョアン 三十二人

ラグナ 三十二人

二位……ベル 二十八人

ジュノ 二十八人

騎士学校と騎士科が同一順位になるという奇跡が起きて、担任達は肩を組んで喜んでいた。

「でも、それってどちらも勝者でどちらも敗者だよね?」

「確かにそうね。だから、未だに契約魔法が残っているんだし」

今回の契約魔法は、勝敗の有無で契約解除となるらしい。そして、解除されると契約書が燃えて消えるらしいが、その契約書は未だ私とラグナの手元にある。

「「と言う事で、いってらっしゃーい」」

「「マジかー!?」」

「「マジです!」」

私とラグナに促されて演習場に出た担任達は、ノロノロと服を脱ぎ出した。その光景は、周りにいた学生達も何事かと足を止めるほどだった。

「あのさ、上半身だけではダメか?」

「そ、そうだ。校長にも許可を取っていないわけだし」

「安心して下さい。私達が既に許可取り済みです」

「「な、何!? 言ったのか? 校長に?」」

「はい。笑って『自業自得だな』と仰ってましたよ」

「良かったですね。先生方?」

「「……」」

こうして執行された罰ゲームは、野次馬達の声援を受けて終了した。

そして、次に始まったのは申し込み者の勝ち抜き戦。勝ち抜き戦は、トーナメント戦にしたらしい。ちなみに私達は、そこにはノータッチ。だから、廊下や寮で顔を合わせるたびに、アプローチされても知らん。

中には「お前に申し込んでやったんだから、料理作れや」的な事を言う顔も名前も知らない騎士学校の生徒に絡まれている所を、ゴールダーやガロンに何度か助けてもらった。

それもこれも、全て担任達が悪い。全てが終わったら、覚えとけ! 前日から絶食して爆食いしてやる!