軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

511.アウルベアとの遭遇

「グゥオオオオー、グゥオオオオー!!」

「「「「っ!!」」」」

再び聞こえてきた雄叫びに、私達はすぐさま臨戦体制を取る。しばらくすると、周りの木々にいた鳥達が一斉に飛び立った。

「かなり大型かも知れない。10刻の方向……来る!」

気配察知が得意なソウヤの声に、無言で頷きお互い剣を握り直す。そして、ガサガサッと音を立てて森から出て来たのは、アウルベアだった。

《アウルベア》

体長3mほどの、フクロウに似た大きな嘴を持った熊のような魔獣。

とても攻撃的な性質で、鋭い爪、大きな嘴などを使い、動く物全てに攻撃する。森、ダンジョンなど暗い場所に生息する。

しかも、目の前にいるのは体長が4mちかくありそうな大きな個体だった。

「お、おい、アレは俺達だけじゃ無理じゃねぇか?通常より間違いなくデカいだろ」

「う、うん。ジョアン?一度戻ろう……」

「でも、どうやってだよ。コッチをガッツリ睨んでるぞ。背を向けた瞬間に来るぞ」

「……あー、まぁ、じゃあ私の腕掴んで。いい?いくよ」

「何がーー」シュン。

ソウヤは飴ちゃん事件の時に神殿契約をして私の過去のことやスキルのことを隠さず教えた。だから、転移のことも驚きはなかったが、何も知らされていないリキは違った。私も転移しつつ、これはいい加減皆んなにカミングアウトしないとかな?と考えていた。ちなみに、エドとカリムは同じく飴ちゃん事件の時に既に神殿契約をしてもらっている。リキ、ダガー、ブラッドに関しては平民ということもあり教えてなかった。貴族にとって神殿契約は身近なものだが、平民にとってはハードルの高いもの。下手したら命にもかかわるから、あえてリキ達には言っていなかった。

シュン。

転移先は、借りている空き家の中。まだ、エド達は戻って来てはいなかった。

「えっ?ここって、な、なんで?今の何?」

「あー、転移?」

「転移ー!?……ってか、もしかして俺だけ?」

「リキ、すまん。俺は既に知ってた」

「はーーー!?」

リキにソウヤが神殿契約をしていること、あのままだと危ないと判断して転移したことを説明するとようやく納得し落ち着いてくれた。

「あー、じゃあ帰ったら俺も神殿契約するわ」

「えっ?良いの?」

「良いも悪いも、何かあった時に責任取れねぇし。それなら神殿契約の方がまだ良いだろ?」

帰って来てすぐにエド達に文を飛ばし、待つこと1刻ほどするとエド達が帰って来た。そして、森の中で会った巨大なアウルベアの話をする。普段、森の外になかなか出てこない小型の魔獣達がアウルベアという強敵に追われて、森で食べることに困り畑を荒らしたというソウヤの予想が当たってしまった。

このことは、その日のうちに村長に報告をした。もちろん村長はにわかに信じられない様子だったが、念のために装着しておいた録画機能の魔道具で映像を見せると、予想以上のアウルベアの大きさに驚いていた。

その後、私達はすぐに王都南のギルドにもアウルベアの報告をし、今後の判断を仰いだ。アウルベアはランクB相当の魔獣だが、それは通常サイズの場合。今回のようなイレギュラーの大きさになると、ランクA以上の冒険者に討伐依頼が出る。案の定、ギルマスから届いた文には「そのまま村で待機」という指示とランクAの冒険者が来た場合に、改めて目撃した情報や遭遇した場所までの案内を依頼された。それにあわせて、小型魔獣の数減らしも同時進行で行うことになった。

「こっちに来るランクAの冒険者、ちょうど見つかって良かったねぇ」

「あー、でも聞いたことのないパーティだったぞ?」

「何だっけ?何とかの翼っての。聞いたことねぇーんだけど」

「普段は、他のギルド所属とかじゃないの?」

「あー、それはありえるな」

ギルマスからの文を確認したエド達が言うに、書いてあったランクAのパーティの名前に覚えはなかった。だとすると、王都南の冒険者ギルドを拠点にしているパーティでない可能性が高い。

「まさかだけど……王都東じゃないよね?」

王都東の冒険者ギルドは、成金主義でお金を出せばランクを買えるという噂があり、王都のギルドの評価を下げている。その為に、南や西のギルドも東のギルドを毛嫌いしている。

「そ、それは、大丈夫だ……と信じたいな」

でも、翌日やって来たランクAの冒険者パーティに案の定私達は驚くことになった。