軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

499.どうしたら……

「皆さん、よく頑張りました」

「本当じゃ。まだ学生にも関わらず、全員が20位まで入るとはな」

「「「「「ありがとうございます」」」」」

お祖母様とお祖父様に労いの言葉をもらい、みんなでお礼を言う。私は5位、エドが10位、ソウヤが15位、カリムが18位、ベルが20位でゴールした。

その後、みんなと別れて一旦タウンハウス向かう。お祖父様とお祖母様にタウンハウスへ向かう馬車の中で、褒美について聞いてみた。

「本当に何でも大丈夫なんですか?」

「ええ、大丈夫よ。何か欲しい物はあるの?」

「んー、これといって欲しい物がないんですよ」

「確かに、ジョアンはさほど物欲がないからのぉ」

「はい。武具は、トム爺やイジョクさんに作ってもらった物がありますし、食材も欲しいなら自分で買いに行った方がいいですし……」

「そうねぇ、ドレスなどの衣類だって“グロッシー・バタフライ”に言えば良いですものね」

「「「んー」」」

結局、馬車の中では決めることができずタウンハウスに着いてしまった。既にお父様、お母様は戻っていてリビングへ通された。

「ただいま戻りました」

「おー、ジョアン。5位おめでとう!」

「……」

「おめでとう、ジョアン。学生の中では1番ね」

「ありがとうございます、お母様!あの時、早く借り物が出来たら良かったんですけどねー」

「ジョ、ジョアン、その、あの時は……」

「……お父様は、私よりお酒ですものね?」

「いや、その、本当に申し訳なかった」

「……許します。次は私を選んで下さいね」

「ああ、もちろんだとも!」

お父様を許し、会場に来ていなかった双子ちゃん達にスパルタンレースの話をしているとフーゴが言う。

「姉上、これで卒業後は希望の騎士団にも入り易くなったのでは?」

「あっ、確かにそうかも知れない。お父様、入団試験ではこういったのも評価に繋がりますか?」

「あ、ああ。高位貴族であの訓練で好成績を出したのだからな」

「えっ?貴族だと有利なのですか?」

「そりゃあ、他国の要人警護もあるから近衛隊は貴族でないと入団できないからな」

「え?近衛隊?」

「ジョアンは近衛隊を希望だろう?お祖母様に倣って」

「いえ、第二ですが?」

私がハッキリと希望を言うと、お父様は溜息を吐きながらゲンドウポーズを取る。

やっぱり噂通りにお父様は、私が魔物討伐団に行くことを良くは思っていないのね……。

「ジョアン、お前の実力なら近衛隊でも良いだろう?お前が敬愛するお祖母様が勤め上げた所だぞ。それに、第一王子妃はお前の親友だろう?彼女を守ることに不満があるのか?」

「確かに、お祖母様を尊敬し敬愛してます。それに、キャシーちゃんを守ることに不満はありません」

「ならーー」

「しかし、私は【無】属性なのです。近衛隊では、周りの足を引っ張ることになります。それによって、王族の方々や他国の要人の方が危機に晒されたら……。キャシーちゃんを私のせいで危険な目に遭わせたくありません」

「だが、契約獣もいるのだからその確率は少ないだろ?」

「確かにパール達がいますが、今後も必ずいるとは限りません。自分の力だけで守れない近衛隊なんて、信用に値するとは思えません!」

「……第二に入ることを許さず、近衛隊に入るように私が命じたら?」

「「「「っ!」」」」

「「スタンリー!!」」

お父様の質問に私、お母様、双子ちゃんは息を呑み、お祖父様とお祖母様はお父様がこれ以上話さないようにと名前を呼び止める。

私に命令するほど、第二に入ってはいけないの?どうして?

『ジョアン、そろそろ』

「……申し訳ありません。寮に戻ります」

きっと、今、私が感情的に言い返したところで良い結果にはならない気がする。一度、冷静に考えよう。

パールに言われて、私は立ち上がりみんなに断りを入れてリビングを出る。玄関を出たところで、私を追いかけてきたお母様に呼び止められた。

「ジョアン。お父様は、きっとあなたのことを思ってのことよ」

「はい。わかっています。でも……私は……」

言葉に詰まると、お母様に優しく抱きしめられる。お母様は、私の背中をさすりながら優しく話してくれる。

「大丈夫!卒業まで時間はあるわ。もう少し、話してみましょう。ね?」

「……はい」

「はい!じゃあ、もうそんな顔をしない!……サラ」

「はい、奥様」

「お願いね」

「はい!じゃあ、ジョアン様行きましょう」

サラに誘導されながら馬車へと乗り込む。

馬車に深く座ると、足元にパール。向かいにはサラが座り、私の手をギュッと握ってくれた。

「サラ……どうして第二はダメなんだろう?」

「私には旦那様のお心はわかりません。……でも、ジョアン様のことを心配されてのことだと思いますよ」

『私もそう思うわ』

「私もわかってはいるの……でも【無】属性だし……子供の頃からの夢だし……」

考えれば考えるだけ、どうしたら良いかわからなくなり、自然と涙が溢れてきた。

「ジョアン様……」

『ジョアン……』

サラとパールはそんな私に、ただ寄り添って手を握っていてくれた。その後、何も話さず騎士寮に到着し馬車を下りた。