軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

436.ティガー公爵家

トニー君も一緒に応接室に戻ると、侍女達がお茶を入れ直してくれた。

トントントン。

入って来たのは辺境伯夫人と子供達。

辺境伯様が夫人と子供達をトニー君へ紹介していく。

アハディ君、シェンジ君12才。ナラちゃん、サフィナちゃんで8才。そして、トニー君は9才。

年齢的にも近く、すぐ仲良くなり応接室から出たテラスで、パール達と共に遊んでいた。最初、辺境伯夫妻がトニー君に失礼があってはいけないからと、子供達に言っていたがトニー君からの「遊ぼう」との誘いには許すしかなかった。

遊ぶのがテラスなので、念のため私が【結界】を張り、ゲータさんと共に護衛ポジションで立ちながら子供達を見ていた。

「ジョアン様、申し訳ありません」

と、謝ってきたゲータさん。

「ん?何が?」

謝られる覚えがない私は首を傾げる。

「いえ、お迎えに伺ったはずですのに、護衛のようなことになり……」

「あー、気にしないで。子供の頃は、素直に遊べる唯一の時間だから。もしかしたら、将来、トニー君の為にアハディ君やシェンジ君が一緒にいてくれるかも知れないでしょ?」

「まあ、そうですが……」

子供達は、辺境伯夫妻がお茶を誘いに来るまでずっと楽しそうに遊んでいた。

応接室に戻ってお茶をしている時に、ふと見てみるとトニー君と女の子双子の妹ちゃん、サフィナちゃんの距離が近いような

……。

それは辺境伯夫人も気付いたようで

「サフィナ、もう少しティガー公爵令息様から離れたらどう?」

それに対してサフィナちゃんは、顔を真っ赤にしながらも首を横に振る。それを見て、トニー君も嬉しそうにしながら辺境伯夫妻に驚くことを話した。

「バートン辺境伯殿、サフィナ嬢は僕の番いかも知れません」

番いが見つかるのは、獣人の国、アニア国でも珍しいと聞く。だから見つかった際は、早々に婚約をするのだと前にシアさんーートニー君のお姉さんーーが言っていた。

「ティガー公爵令息様、それは本当に……」

「はい。遊んでいる時にサフィナ嬢といると心地が良いとは感じたのですが、手を繋いだ瞬間、その、説明しにくいですけど、稲妻が身体に走ったような感覚があって」

「まぁ……」

辺境伯夫人は、サフィナちゃんの番いが見つかったという喜びから、はらはらと涙を流している。その夫人の肩を抱いている辺境伯様。アハディ君、シェンジ君は驚き、ナラちゃんはパチパチと拍手をしていた。

1番慌てているのは、従僕としてついていたゲータさん。トニー君の言葉を聞いて固まり、その後誰かに助けを求めるようにキョロキョロとしている。

辺境伯様がゲータさんに気付き、まずは一度公爵家に話を通さなくてはならない事をトニー君とサフィナちゃんに説明をする。そして、ここには私の迎えで来ている事を優先しなければならないと説明したところで、私も含めてハッとした。

『なんで、そこでジョアンがハッとするのよ』

「あは、はは……ごめん」

パールのため息まじりの指摘に謝る私を見て、皆んなふふふっと笑う。

*****

「ようこそ、我が家へ」

トニー君がエスコートしてくれ馬車から降りると、そこにはトニー君家族と使用人の方々が。

「「「「「「「「いらっしゃいませ。」」」」」」」」」

玄関ポーチでティガー公爵家に熱烈な歓迎を受け、応接室に通された。

「急な訪問でしたのに、ここまであたたかく迎えいれ頂きありがとうございます」

辺境伯邸では、簡素なワンピースだったが辺境伯夫人の計らいで侍女さん達にハイスピードで湯浴みとメイクをしてもらい、今の私は貴族令嬢モード。

ドレスは、ショートカットでもアップでも似合う、ハイネックでモノトーンのマーメイドドレス。そこに先程までアウターとして、ホーンラビットのショールを羽織っていた。

「いやいや、もっと時間があれば、王都を練り歩くパレードでもしたんですがな。ガッハッハハハ」

と、豪快に笑いながら話すのは、トニー君のお父上様のティガー公爵様。

白髪に黄色の瞳、頬には大きな傷がある大柄で、お父様と同年代に見える白虎族の方。アニア国で軍務大臣をしているそうだ。

「だがガドラをはじめシアやトニーなど、ランペイル嬢と面識のある者から止めた方が良いと言われてな」

それは、ガドラさん達に感謝しないとね。

パレードなんて堪らないわ。

「……あなた?紹介を」

「ん?ああ、悪い。改めて、私はティガー公爵家当主、ティグリス・ティガーだ。そして、こちらは妻のマルタ。嫡男のガドラは仕事でいないが、こちらから次男のトルガ、三男のゴールダーに四男のトニー。妻の隣にいるのは長女のシア、そして次女のアムだ」

公爵夫人のマルタさんは虎人族で、黄色の髪に黄色の瞳。同じく虎人族の色合いなのは次男のトルガさん、三男ゴールダーさん、次女のアムさん。

名前を呼ばれた方はそれぞれ私に会釈をしてくれ、シアさんとトニー君は、小さく手を振ってくれる。それに、私も会釈で返す。次は、私達の番だ。成犬サイズのパールに皆んな釘付けだしね。

「ご紹介ありがとうございます。私は、エグザリア王国、ランペイル辺境伯家が長女、ジョアン・ランペイルと申します。そして、こちらが私の契約獣です。皆んな、挨拶を」

『ジョアンの契約獣、フェンリルのパールでございます』

『僕は、契約獣のカーバンクルのロッソだよ』

『俺も姐さんの契約獣、ホワイトデーモンオウルのメテオっす』

『ジョアン様の契約獣、緑の精霊、ベルデと申します』

「あと、厩舎にいる白馬はペガサスのスノーです」

パール達を紹介すると、案の定……公爵家の皆さんがパールに片膝をついて頭を下げる。パールは、いつも通り私の契約獣だから止めて欲しいと皆んなに話し、私とシアさん、トニー君が説得した事で渋々ソファーに座り直した。

皆んながお茶を飲み落ち着いたところで、トニー君が公爵様に大事な話があると話し始めた。