軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

360.取り巻き

双子ちゃんと話していると、キャシーちゃんが食堂へ入って来た。一緒にいるのは、元同級生のレベちゃんとサンちゃんだ。そして近くには、近衛隊の女性騎士が警護をしている。

「いきなり近づいたら、近衛隊の方に捕まるよね?」

「間違いなくな。」

じゃあと文を飛ばすと、文を読んだキャシーちゃんが辺りをキョロキョロとしている。私と目が合うと、一緒にいる2人に説明をしているようだ。しばらくすると、こちらを見て頷くので、ザックと共にキャシーちゃんの席へ向かう。近衛隊の女性騎士には、既に説明をしていてくれたので、怪訝そうな顔をされたが何も言われなかった。

「ご機嫌いかがですか?綺麗なご令嬢方。ご一緒してもよろしいですか?」

と、声を掛けると3人は目を大きくして驚く。

「ザック、本当にこちらの男性が?」

「ええ、そうです。御三方が知っている、あの人です。」

キャシーちゃん達は、既にランチを準備しているが、私達は軽く食べたのでザックが自分と私の分の飲み物を取りに行ってくれた。

「本当にジョアンなの?」

と、隣から小声で聞くレベちゃん。

「本当だって、レベちゃん。久しぶりだね、サンちゃん。テーブルの周りに盗聴防止の魔道具を起動したから、普通に話して大丈夫だよ。」

「「その呼び方は、ジョアンだわ。」」

2人もようやく納得してくれたようだった。

「ジョアン……ではなくて、ショウね?その声はどうしたの?」

と、キャシーちゃん。

「変声機の魔道具。スカーフの下に巻いてんの。ちなみに、身長は背高靴で170cm。髪の毛は、ヅラ。」

「ヅラって……。ウィッグって言いなさいよ。」

「あははは、同じでしょ。」

ザックが持って来てくれた飲み物を飲みながら、話を聞く。

「で?飴ちゃんは、どれ?」

「「「飴ちゃん?」」」

「ほら、名前が飴玉だなぁ〜と思って。」

「うふふふ、なるほどね。えーっと、ほら、あそこ。テラス席に男子生徒といるでしょ?あーやって誰にでも話しかけているのよ。」

レベちゃんに言われてテラス席を見ると、ピンクのツインテールが何やら男子生徒に話しかけている。その男子生徒は女子生徒とランチをしていたようで、話しかけられるのを迷惑そうにしている。

「あれ?ザック、あれって……。」

「ん?あっ、マジか〜。」

ザックは、片手でおでこを抑えて天を仰いだ。

「どうしたの?2人共。あの絡まれている2人と知り合い?」

キャシーちゃんに聞かれて、私とザックは頷く。

「先の奴隷事件の時に、ウチで保護してそのまま雇った獣人の双子。……あー、飴ちゃんと同じ学年なのか。」

「確かに同じ学年だけど、あの2人はAクラスだから面識はないはずだけど。」

と、ザックも何故絡まれているのかわからないようだ。

「ザック、悪いけど……。」

「ああ、行ってくる。ここに連れてくるか?」

「いや、ここに連れて来るとキャシーちゃんと関係があると思われたら困るから……あっ、あそこだ。ララノア先生の部屋に。」

「あー、了解。」

そう言うと、ザックはトレイを片付けながらテラス席へ向かった。

私も、ララノア先生の部屋へ向かおうとすると、キャシーちゃんが私を呼び止める。

「私も午後の授業ないから、一緒に行きますわ。」

「ん?了解。レベちゃんとサンちゃんは?」

「私達は、残念ながら授業がありますの。でも、とーーーーっても気になるので、後で教えてくれますわよね?」

と、レベちゃん。サンちゃんは隣で呆れ顔。

「この事を本にしないって言うならな。……俺らの時みたいに。」

盗聴防止を解消したので、男口調で暗に同人誌のネタにするなよと言うとレベちゃんは、真っ赤になりながら首を縦に振る。

「よし、約束だぞ?じゃあ、レベッカ嬢、サマンサ嬢、またな。……行きましょうか?キャサリーヌ嬢。」

そう言うと、キャシーちゃんに片手を出す。

「あら?うふふふ……あなたにエスコートされるなんて。殿下から怒られてしまうかしらね?」

「クッククク……。ヤキモチ妬かせてやったら良いんです。」

そう言いながら、キャシーちゃんをエスコートをして食堂を出る。

食堂から出て行く同級生の後ろ姿を見ながら、レベッカとサマンサは困っていた。

「……ヤバいわ。ジョ……ショウが格好良く見えましたわ。どうしましょう、サマンサ様。」

「えっ、ええ、わ、私も婚約者以外にキュンときてしまって……こ、これは、浮気なのかしら?」

その2人の後ろでは、双子ちゃんがレベッカとサマンサを見ていた。

「姉様、エスコートする様も格好良いね。僕も、頑張らなきゃ。」

と、フウゴ。

「でも、本当はエスコートされる側なのに。……変装にハマったらそれこそ彼氏が出来ないわ。」

と、ライラ。

*****

トントントン。「キャサリーヌ・カッターです。」

「どーぞー。」

私が、堂々と名乗るわけにもいかなかったので、代わりにキャシーちゃんに名乗ってもらうと、中から返答があった。

「失礼します。」

キャシーちゃんと一緒に入って来た私に、ララノア先生は驚いている。私は先生が言葉を発する前に、バングルの盗聴防止を発動させる。

「今、ザック君に大まかに聞いていたけど、本当にジョアンさん?」

「はい、お久しぶりです。ララノア先生。いきなりスミマセン。」

そう言いながら、ズラとチョーカーを外す。

「まあ、本当ね。髪型と声を変えるだけでわからないものね。」

「あっ、あとコレですかね?」

と、背高靴を見せる。

「で、バースとテトは大丈夫だった?」

「はい。ザックさんのお陰で何とか……。」

と、テト。

「ジョアン様、あの人は何なんです?」

と、バース。

バース達の話によると、2人でランチをとっていた所に、飴ちゃんがやって来てきて、意味のわからない質問をされたと言う。バースとテトがアニア国出身とわかると、王子様はどこだ?と。何のことかわからないと言うと、「バグってるのかな?でも、補正が効くかも。」と言っていたそうだ。

「俺が行ったら、同じ事を聞かれた。だから、ランペイル辺境伯家の者でアニア国の王族とは関係ないと伝えた。そしたら

「ランペイルって……地味デブメガネな悪役令嬢の取り巻き?じゃあ、関係ないのかな?」

って、言ってたけど。」

「「「はい!?」」」

えっ!?私って取り巻きだったの?

しかも、地味デブメガネ!?