軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

299.講習会②

そんな中、2年生のゴーレムだけはまだ倒せていない。

ゴーレムも耐久力がある為、このままではいつまでかかるかわからない。2年生達は、全員が肩で息をしている。

「あー、これは先に2年達がバテるな。」

「ジーンとエリックは、どうするつもりだ?」

ヘクタール先生が言うように、ジーン兄様もエリック様も2年生の戦い方を見ているだけで、動かないしアドバイスを言うこともしない。

疲労困憊になった2年生の【火】属性の生徒が放った《火矢》が誤って見学席の方に飛んで来た。疲れのあまりコントロールが上手く出来なかったようだ。

「「「「「「「「「「あっ。」」」」」」」」」」

《火矢》は一直線に飛んで来たが、ブライアン先生が土壁を作り難を逃れた。

「「「「「「「「「「ふぅ〜。」」」」」」」」」」

「皆んな、大丈夫か?」

「いや〜、ここまで来る魔力はあるんだけどな〜。」

土壁が目の前からなくなった時には、既にゴーレムの動きは止まっていた。

「あれ?どうなったの?」

「いや、俺もわからん。」

「あっ、ジーンが来たぞ。」

「ブライアン先生、ヘクタール先生、大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ。」

「ジーン、2年生の方は大丈夫か?」

「はい。魔力切れの者が何人かいますが、あとは打身とかですね。あのままでは、埒が明かないので強制終了としました。……ところで、皆んな、ゴーレムを近くで見てみるか?」

「「「「「「「見たいです!」」」」」」」

「よし!じゃあ皆んな、魔物討伐団からのご厚意だ。近くでゴーレムを見てみるぞ。」

「「「「「「「イェーイ!」」」」」」」

演習場に降りると、2年生が先程まで戦っていたゴーレムは、顔のど真ん中に穴が空いていた。ジーン兄様は、そのゴーレムが見える位置に1年生を誘導して、その周りに講習を受けていた生徒を立たせた。

「このゴーレムは、頭にコアがあったんだ。ちなみに3年生の倒したゴーレムは胴体の真ん中、4年生は右脚だ。ゴーレムによってコアの場所が違うからな。2年生の反省点としては、勝手な思い込みで心臓部分にあると思い、無駄に攻撃をしていたことと、討伐前にチームで連携について相談しなかったことだ。」

ジーン兄様がゴーレムについて説明してくれる。

「魔物討伐においては、いかに体力、魔力を温存しながら戦えるかが重要になる。それは、何故か1年で誰かわかるか?」

「えっと、一体を討伐してもその後に魔物が来ないとは限らないからですか?」

手を挙げ指された同級生のカリム・スミス伯爵令息が答える。

「その通りだ。一体を討伐した後にその血の匂いに寄ってくる魔物もいる。その時、体力も魔力も残っていなかったらやられる。」

「それに、追加の魔物が一体とは限らない。群れでやってくるかも知れない。だから、討伐後も周囲の確認を怠ってはダメなんだ。」

ジーン兄様の説明に、エリック様が付け加える。

「あのー、じゃあ、冒険者ギルドの討伐依頼もソロじゃない方がいいんですか?」

同級生のハーフエルフ、エドラヒル・レルータ伯爵令息が手を挙げて質問する。

ちなみに、エドラヒル(エド)はお母様がエルフだそうで、サラサラのシャンパンゴールドの髪、ペリドットのような薄緑の瞳、そしてエルフ特有の尖った耳を持ち、男女関係なく見惚れるほどのイケメンだ。

「ああ、まあ討伐内容にもよるがなるべくソロはやめた方が良いな。まあ、ランクB以上なら大丈夫だとは思うが……。まあ、今の君たちでは難しいな。」

「魔物討伐団までに、どのぐらいのランクがあれば入団しやすいですか?」

ヴィーが質問する。

「どのぐらいという基準はないが、高ければ高いほど良いな。ちなみに俺もジーンも卒業前にランクAだったな。」

「まあ、ランクが上であっても入団試験にクリアしなければいけないけどな。」

「あの、入団試験っていうのはどんな内容ですか?」

ノア・ヨシーク公爵子息が質問する。

「その受ける年によって違うんだが、基本的に持久力、瞬発力などの体力測定と武術だな。格闘と武器を使っての打ち合い。全ての総合点から判断される。」

「だからと言って、1つだけ飛び抜けていてもダメだぞ。持久力があっても武術がダメだとか。それに、自分で自分の命を守るのはもちろんだが、仲間の命も守れるようにならないとな。自分だけが生き残るような選択をする人間はいらない。」

「ほかに、先輩達に質問はないか?」

ヘクタール先生が皆んなに聞く。

「はい!魔物討伐団は、女性でも試験を受けれますか?」

私の質問に同級生だけではなく、他の学年もザワザワしている。

「おまっ……。あー、まあ、基本的に男女関係なく試験は受けることが出来る。だが、女性だからと言って特別枠はない。遠征になれば、風呂に入れない日も何日も続くし、ちゃんと食べれないし、ちゃんと寝れない。実家になんてなかなか帰る日はないぞ。それに命も保証されないから、遠征のたびに遺書を書くんだぞ!」

最初こそ、私のことをお前呼びしようとしたジーン兄様だったが、ちゃんと質問に答えてくれた。

「そうそう。それに社交界にだって出れなくなるし、出れなかったら婚期も遅れるかも知れないよ?」

エリック様も続けて言う。

「それは、先輩達もですよね?」

「「うっ……。」」

「いや、俺達は男だから……大丈夫だ。」

「……そうなんですね。わかりました。」

何が大丈夫なのか、よくわからないけど一応納得しておく。 何故なら、魔物討伐団の内容を聞いて私がノーダメージなのに対して、周りの生徒たちが大ダメージを受けているから。

一応、フォローもしておくかな。

「でも、魔物討伐団はいいお給料ですよね。卒団しても、先生達みたいに教職やギルドでの仕事なども補償されるし。婚期が遅れれば、ブライアン先生のように若い奥さんと結婚できますもんねー。金持ち、家持ち、嫁持ち、子供持ち。最高ですね?」

「「「「「「「「「「うぉー。」」」」」」」」」」

「ジョ、ジョアン、なんで私のことを例えに出すんだ!」

「いや〜、1番身近なところの方が目指しやすいって思って?」

「……。ともかく、他にも質問がなければ、解散!ヴィンス。」

「はい。ありがとうございました。」

「「「「「「「ありがとうございました。」」」」」」」

挨拶が終わり、帰ろうとするとブライアン先生に呼び止められ、こっぴどく怒られた。そして何で先生の情報を知っているか聞かれた。

「情報元は言えませんけど……。」

と言いながら、ヘクタール先生の方を見るが、さっきまで隣にいたはずのヘクタール先生がいない。探すと校舎に走って行く後ろ姿が。

「お前か!ヘクタール!!待てー!!」

ブライアン先生も走って追いかけて行った。