作品タイトル不明
281.初めての学期末テスト
2ヶ月もあったはずの夏休みは、あっという間に終わった……。
我が王立学院は、4月〜9月までの前期と、10月〜3月までの後期の2学期制。
4月のテストはクラス分けのため。6月のテストは前世の中間テストーー後期は12月にーー。9月には学期末のテストがあり、そこで各教科の赤点を取った場合は、後期の授業終わりに補講を受けなければならない。補講では1ヶ月ごとにテストがあり、合格すれば補講を受けなくて良くなる。
補講が入ってしまったら、放課後に友達とカフェに〜とか、依頼を受けるため冒険者ギルドに〜なんて言ってられなくなるから、全員が学期末テストに向けて必死だ。
ちなみに3月の学期末テストの結果で、来年度のクラス分けが決まる。
1年生のテストは国史、算術、生物学、魔法学、実技のテストとして自分が選択した武術か体育。
国史はエグザリア王国の歴史。これは、入学前の貴族子息令嬢は家庭教師に習っているはず。私もローズ叔母様から教えて貰っているから授業では復習をしている状態。算術は前世の算数の足し算、引き算、かけ算、割算。これは、前世で孫達の宿題を手伝っていたから、楽勝……だと思う。生物学は、簡単に言うと魔獣についてのテスト。これは、冒険者ギルドに属している生徒であれば、簡単らしい。魔法学は魔法についての基礎。各属性ごとにテスト内容は異なり、【無】属性は自分のスキルを全て使いこなせるかどうかの実技試験。隠れスキルを見つけてから、みんな頑張って練習をしていた。ちなみに、私のテストは全てのスキルに関してのレポート提出だ。面倒くさい……。そして、私が選択した武術のテストは、基礎の体力テストだ。3kmマラソンと50m走、腕立て伏せ、腹筋。正直、5才から鍛錬して来た私としては余裕。これは、ぶっちぎりで1位を目指す!!
テストは2日に亘って行われ、1日目は国史、算術、生物学の座学中心で、午前中に終わった。2日目は、午前中に魔法学、午後から武術のテスト。午前中は、【無】属性クラスでは1人1人ジュリー叔母様の前でスキルを使っていく。私のレポートは既に提出済み。内容は、各スキルについての説明、そして、そのスキルを使ったことでどんな効果が出るかを纏めていく。書きながら、これって私の取説みたいなものじゃないのかな?と思ったり……。ちなみに、私と一緒でマッさんもレポート提出だった。その他のメンバーは夏休み前に比べて、スキルの使い方が上手くなっていた。皆んな夏休みに頑張って練習したようだ。
特にソウヤの【変化】には驚いた。
「じゃあ、いきます。……【変化】」
そう言うと、タイキのようにクルッとバク宙をする。そして、着地した時には、茶髪で短髪だった髪の毛が肩まで長い黒髪を1つに結び、制服が私服に変わっていた。
「よっしゃー。」
「「「「「おおー。」」」」」パチパチ、パチパチ。
「ソウヤ君、凄いわ。ちゃんと変化出来るようになったのね。」
ジュリー叔母様も褒める。
「はい!夏休み中に教えて貰って練習しました。ただ、体型を変えるまでは出来ないんですけど……。」
「5ヶ月でここまで出来るようになったら、凄いものよ。」
「ありがとうございます!」
「次は、ミューラさんの【アクア】ね。」
「はい。いきます。」
先に準備された3つのカップに冷水、常温、温水を出した。
「うん、上手に出来たわね。後期からは、温度の差をもう少し拡げてみましょうね。」
「えっと、最後は……コッシー君の【重力軽減】ね。いけるかしら?」
「はい。せーの……ふん!」
どこからか借りて来た、ダンベルのような物を持ち上げる。
「……はい、ありがとう。夏休み前よりも、持ち上げられる重さを上げたわね。」
「はい!夏休み中に、先生に言われた筋力トレーニングをしました。」
「ええ、ちゃんと結果に表れているわ。頑張ったわね。そしてマヌエル君とジョアンのレポートは、既に読ませて貰っているわ。2人とも、初めて書いたにしては上手に書けていたわ。」
「「ありがとうございます。」」
やったねと、マッさんとハイタッチ。
私としては、学生以来のレポートだったから不安だったけど……。
3日後、テストの結果が学年の掲示板に発表された。
テストの合計点数のランキングが掲示される。1年生は5教科なので、全て満点なら500点ということだ。ちなみに各教科の合否は、授業の時に担当教師が発表するらしい。
「えっと……私の名前はどこだろなー?あっ、あった。」
1位 ジョアン・ランペイル 490点
2位 キャサリーヌ・カッター 486点
:
7位 ベル・バースト 463点
:
15位 ザック 359点
16位 マヌエル 353点
良かった〜。首席で入学したのに、順位落としていたらちょっと恥ずかしいもんね〜。
でも頭脳的には大人だし……。反則っちゃあ反則よね。
「おはよう、ジョアン。さすがね。」
「あっ、ベルおはよー。良かったよ、これなら放課後にギルド行けるね。」
「うん、本当だね。今年中には、昇格テスト受けたいもんね。」
ベルと話していると、ソウヤとリキが教室に入って来た。
「うぃーっす。すげーな、ジョアン。」
「おっはよー。ホントホント、授業中寝てる時あんのに。」
「ちょっと、ソウヤ。知ってたの?」
「当たり前だろ。目の前の席で頭が揺れてんだから。」
ランチ後の算術は眠いのよ。
お腹いっぱいで、日当たりのいい窓側の席でポカポカ暖かいんだもん。起きてるのなんて無理!
「私だって、やる時はやるのよ。やらない時は一切やらないけどね。痛っ……。」
「自慢することじゃない!」
久々にザックの手刀を頂きました。